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夏と涙と貴女の視界



ぼんやりと浮かぶように、ベッドに横たわる。

「…僕を…殺したい程憎かったんですか?」

−母さん…。

静夜はぽつりと呟いた。

無論答える人など無く、水面(みなも)に浮かんでは消える沫のように、弾けて消えた。

もう、それ以外の記憶も、遠い昔の事で思い出せない。

瞳を閉じて、そっと首筋に指を這わす。

その残された感覚懐かしい。

その懐かしさを思い出そうと、ギュッとその手の力を強め、意味が無い事が分かるとその手を緩めた。




夏と涙と貴女の視界



「…生まれ変わった後も、まだ縛られているなんて滑稽ですね。」


fin
2010*09*15

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