*匣(密室・空間)にまつわる怪奇譚。
*とある廃墟のエレベーターの怪談。
*制限時間までに見付けられるのか。
*蜘蛛の絲に吊るされた個室の儀式。
*時として願望とは危険を伴うもの。
【:†四角い匣の怪奇・漆†:】
(とある廃墟にまつわる不思議な噂譚)
(その昇降機は異次元に通じるらしい)
夕焼けに揺れる陽炎の傍らで
その廃墟に逢魔ヶ刻が訪れる
訪れる人は皆紅い蝋燭を片手に
錆びたその場所を目指して歩く
物言わぬエレベーターの手前で
佇む人影はボタンに手を伸ばす
配列盤を決められた順番で押して
召喚の儀式をその術を違えぬ様に
時間が無いと焦りは禁物だ さぁ
存在しない筈の階のランプが灯る
◇
薄暗い個室に揺らめいた灯火
その下には名が刻まれている
赴いたなら腹を決めるしかない
自身の名が刻まれた蝋燭を探せ
個室に入って始まる秒針の鼓動
紅い蝋燭に火を灯すまでの制限
無数に聳える蝋燭から一を探して
延命の儀式をその術を遂げる為に
早くしないと次は我が身だ さぁ
最終局面対価はその恐怖こそ勝る
◇
長くて短い様々な天命の蝋燭
きっと此処は蜘蛛の絲の途中
極楽と地獄の狭間が現世ならば
こんな怪奇は日常茶飯事だろう
垣間見るのは希望か絶望か
閉じられた扉には口は無し
其処に在るのは善行か悪行か
その術を選び取れる儀式の業
夢か現か見えざる境界線の上で
吊るされる天命がまた一つ灯る
(とある廃墟にまつわる不思議な噂譚)
(その昇降機は蜘蛛の絲に吊るされて)
堕ちて来る魂を待ってイるノだソウナ…
*
続き>>>介錯的解釈文+あとがき。
*
はい。皆様どうもです♪
何気に今日で8月も終わりなんだなぁと感慨深く感じてました燈乃さんです←
…そう言えば。学生の頃って碌に夏休みの宿題を終わらせた試しが無かった様な…そんな壮絶な黒歴史がありました。今考えると本当に碌でもないですね…(滝汗)
はい。まぁ、それは置いておきまして。
今回は『匣にまつわる怪奇譚』の最終回こと第七弾になります。廃墟のエレベーターを『匣』に見立てて、異次元に繋がる風な何処か儀式めいた都市伝説を題材にしてみました。
ちなみに、元ネタは『World 4u_』でネット配信されていた『エレベーターと蝋燭』のお話をベースに、芥川さんの『蜘蛛の糸』の雰囲気を入れてみました。
ネット配信のページ自体が既に無い状態で、尚且つうっすらと覚えている内容を思い出しながら綴ってみたので…あまり自信は有りませんが、確か蝋燭を使った延命の儀式みたいなものだったんじゃないかと。
ただし、そこには制限時間があって、それを破ると異次元に連れて行かれてしまうと言う内容だったかと思います(ヲイ待て)
決まり事やルールが結構あった怪談でしたね。ネット配信では物語と言うよりも、方法を提示していた流れが強かった様な。
日本昔話にも『病気の肉親を助ける為に神様の世界に行って名前の書かれた蝋燭を〜』云々の話があるので、多分それと似たようなものだと思われます。
『蜘蛛の糸』の話をくっ付けてみたのは、お釈迦様が蜘蛛の糸で異空間をぶら下げて、人間界の人間の所業を観察していたら…それはかなりうすら寒いものがあって面白いだろうなと言う発想から来ています←
…はい。そんなこんなで。『匣にまつわる怪奇譚』はこれにて終幕になります。
おまけも一応考えてはいたんですが、後数時間で8月が終わってしまうので、今回のところはここまでで切ろうと思います。
機会があったら載せてみたいですね…。
と言うことで。七部に渡る『匣にまつわる〜』シリーズを最後まで読んで下さり、本当にありがとうございましたっ!!
9月からは…夢小説のリハビリをしようか迷ってます。お試し感覚で。後は送信ボックスに埋まってる創作文たちを、ちゃんと消化して載せて行きたいですね。
ではでは、今回はこの辺で☆
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