*ハロウィン企画の十作目になります。
*悪夢と悪戯風味のパンプキンタルト。
*人間に紛れるカボチャのお化けの譚。



【:†ハロウィン・ラ・パンプキン†:】



『続きましては最後のお品書きです』
『悪夢と悪戯の織り成す焼き菓子を』

『お菓子を求めて列をなす子供たち』
『老若男女関係無く盛り上がる祭り』

『そんな仮の装いに溢れた群衆の中』
『本物はひっそりと身を潜ませます』





綺麗に繰り抜かれた空っぽの頭に
カラフルな玩具と夜を詰め込んで

笛吹き男の息子の手を引きながら
見習い魔女の少女と街を練り歩く

僕の名前は『パンプキン・イーター』
石炭の洋燈を片手に南瓜を喰らうさ

『甘い甘いお菓子は何処だろう?』
『悪夢の様な悪戯は如何でしょ?』

ラリラルリラと歌を唱って奏でては
水銀灯の明かりの下で軽やかに踊る

そうさ今宵は我らが夜の無礼講
妖精も魔女も悪魔も輪になって

出来れば至極甘く楽しい一時を
もしくは覚める事の無い悪夢を



オレンジとバイオレットの旗掲げ
頭からシーツを被ったお化けたち

ロリポップキャンディは魔法の杖
ジェリービーンズの星を降らせて

僕の名前は『ウィル・オ・ウィプス』
石炭の洋燈を片手に彷徨い続ける魂さ

『キラキラしたお菓子を下さいな』
『ワクワクする悪夢を楽しもうよ』

ランダルンダとステップを踏んでは
南瓜の洋燈に明かりを灯して唄おう

そうさ今宵は我らが闇の前夜祭
幽霊も天使も人間も列を連ねて

漏れ無く至極怖く愉快な一時を
もしくは目覚める前の狂想曲を





『前菜から始まった前夜祭も最終品』
『そろそろ幕引きのお時間の様です』

『一夜明ければ全ての魔法は解けて』
『今度は聖夜に向けて星が廻ります』

『束の間の悪夢と狂気と怪奇と幻想』
『これにて演目は終演で御座います』





はい。皆様こんにちは♪
今回はハロウィン企画の十幕目(或いは焼き菓子)です。コースに沿うならばプチフールですね。小さい焼き菓子と言うことで、エッグタルトの様なパンプキンタルトをイメージしてみました。悪夢と悪戯の詰まった愉快に狂った味をお楽しみ下さい。

さて。今回の題材は言わずもがな『ハロウィン』です。『悪戯』とか『仮装』でも良いのですが、やはり『ハロウィン』で。

確か。死後に天国にも地獄にも行けなくなた男が、同情した悪魔から貰った石炭を灯しながら、ずっと宛ても無く彷徨い歩いている姿が『ジャック・オ・ランタン』の由来と言うか原型だったと思います。
今日の日本では何でも有りな闇鍋状のハロウィンですが、本場ヨーロッパの方だともう少し伝統を重んじている感じですね。

要は『怪物』や『悪霊』たち『自分』だと分からなくする為の仮装なので、変身出来ればOKらしいですが。何気にハロウィンって『西洋版百鬼夜行』ですよね(真顔)

そして。これにてハロウィン企画は終了です。個人的には『行事企画に間に合って良かった感』が強いであります隊長っ!!
本当は作詩だけでは無くて、もう少し長めの一本の創作文を書きたかったのですが、時間が足りませんでしたガッテムッ!!←

裏メニューとしていつか載せたいです。
『何が怖いって理不尽が一番怖いんだよ』と言う怪奇譚を書きたい今日この頃(悦)

私の趣向で、今回の企画も例に漏れず大分長くなって仕舞いましたが、お付き合い頂きありがとうございました(お辞儀)

今日が終わるまで魔法は解けません。
どうか。怖くも楽しく賑やかなハロウィンの夜をお過ごし下さいませ♪(*´∇`*)

ではでは、今回はこの辺で☆



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