高杉の現代パロ(長いです。苦手な方は逃げてー)
最近本社でかなりの移動があった。経営難にこの不況。統廃合なんてのはよくある話。そしてトップが変われば会社の方針が変わる事なんてざらにある。まあ、役職もついてないあたしにはなんの関係もないんだけど。
朝刊をざっと流し読みながらタバコを吹かす。朝御飯を食べないと身体に良くないのはわかってはいるけれど何年もの習慣はそう変わるものではない。時計を見遣り慌てて残りのコーヒーを流し込んだ。
出勤してすぐに言われた視察という名の内部監査。うちには本社の部長がくるらしい。前の上司が厳しかったおかげでそう焦ることはないが、なにせ新しい部長だ。なにを見られるか、どこを突っ込まれるかと社員はみんな朝からぴりぴりとしていた。
朝礼中ざわつきだすオフィス。もうきたのか…とちらり横目で伺うと見慣れぬ男と目がバッチリとあった。これが部長…とあまりの若さに怪訝そうな目つきになる。が、そこは社会人。ニコリとおはようございますと微笑んでみせる。
部長の名前は高杉。まあ呼ぶ事はないだろうけど一応頭に入れておく。隣の女がカッコイイとそわそわしたり、うやうやしく挨拶する自身の上司に辟易しながら伝達事項を読み上げた。
昼休憩もそこそこに仕事にとりかかる。朝から上司が高杉部長につきっきりの為上司の分の仕事が滞りどうにもならなくなっていた。
残業なんて冗談じゃない!ばたばたと書類を分け出来そうな仕事を片っ端から片付けるていると後ろから声をかけられた。
「おい、お前」
「…」
「テメェだよテメェ」
「…はい?」
ゆっくりと振り返るとそこには作り笑いの上司と怪しい笑顔の高杉部長。
「…あのーあたしですか?」
「コイツにさせる」
「えっ、部長それは…」
「お前が案内しろ」
「あ、いや…」
「…」
話の内容から察すると昼からはあたしが案内役らしい。上司があたふたしてる。そりゃそうだ。役職についてないあたしがなにか粗相でもしたら責任を取るのはコイツだから。
「後は売り場だけだ。コイツでもできんだろ」
「…は、はい」
有無を言わさない物言いに上司がしぶしぶ承諾したようだ。…ん?目でちゃんとやれよ!とか訴えてるし。当たり前じゃないか…とため息を吐いた途端ぐいと腕を捕まれた。
「いくぞ」
「…はい」
「ここはもう少し…」
「はい」
急いで手帳にメモしながら歩く。後であの上司に叩き付けてやろう。
「これは?」
ふいに足を止めた場所はあたしがさっき作り直した売場でほかの場所より幾分滑舌になる。
「これはお客様からの要望があり担当の者と相談して先程私が変更したんですが……」
「…そうか」
じっとそれを見つめる高杉。神妙な顔つきに内心ドキドキするがなんのお咎めもなく次へ進んだ。
「これで終わりだ」
その言葉にほぅと息を吐く。これで解放されるーと思った瞬間またぐいと腕を掴まれた。
「お疲れ様で」
「お前はまだだ」
そのまま強引に手を引かれ車に乗せられ走る事5分。着いたのは近くのビジネスホテル。
「…あ、あの、」
「大事な打ち合わせだ」
「……」
人の顔も見ずエレベーターのボタンを押す高杉に多少の違和感。警戒心はあったが、初対面の本社の上司。まさかという思いと自意識過剰かなという思いが交差する。
「まぁ入れや」
「…は、はぁ、失礼します」
部屋に通され玄関先でじっとしていたら顎で促されしぶしぶ中に入る。以外にも至って普通のツインルームだ。
「お前んとこの上は駄目だな」
「…はあ」
ベッドに上着を脱ぎ棄てネクタイを緩めながら言う高杉に曖昧な相槌を打つ。
「平社員でもってる」
「ありがとうございます」
確かにそうだと思うけど当たり障りのない事を言わないと後々困るのはあたしだ。そんなへまはしない。
「お前みたいな、な」
するり撫でられた頬に息が止まった。
いつの間にこんなに近くに居たのか。じりじりとにじり寄る高杉に足が後退する。
「部長、打ち合わせは…」
ここでどんな場違いな事を言っても逃れられない事くらいはわかっていた。抗う事を許さない瞳。欲をあらわにしたそんな瞳は久しく見ていない。けれど初対面の人間に簡単に許す程軽くみられたのかと思うと抵抗するのにも力が入った。
「…止めて下さい。そんなつもりはありません。別の人を当たって下さい」
「…そんなつもりだァ?」
クツクツと笑う高杉をキッと睨む。逆効果だと気づいた時には身動きがとれない程顔が近づいていた。冷や汗が流れる。
「お互いガキじゃねぇんだ……わかるだろう」
「…っ」
肩を捕まれ後ろによろめくと壁に背中を打ち付けた。
首筋を強く吸われる感覚にびくりと身体が揺れる。
「…やっ、止めて下さっ…」
「…嫌がってる割りには良さそうじゃねぇか」
乱される息。留まる事を知らない唇や指はあたしの身体を翻弄する。
力の限り抵抗しても難無く押さえ付けられる腕。後ろは壁、脚はがくがくとし力が入らない。薄く目を開くと高杉の髪が、その後ろには皺一つないシーツが目に入り情けなさは倍増する。そして知らず知らずの内に懇願の言葉が漏れた。
「も、許し…」
「…チッ」
なんだコレ
ここで終わってた(えええええ)なんだコレってあたしが聞きたいわァアアア!!なんだコレ(真顔)や、これ前に見た夢なんですがあまりにハフハフして目覚めたんで一応メモってたんですよ。で、未送信整理してて出てきたはいいんですが続きが思い出せない…。舌打ちの後高杉が強行突破したのか諦めたのか…謎だ。