2018-8-25 01:29
陰陽
期待と緊張入り混じり、1人シャワーを浴びる。
何時も安定してる人なんていないことは承知している。不安定も安定をはかるひとつの分銅と思えるようになってきた。だからこそふと立ってしまったさざ波が落ち着く瞬間を探している、そんな自分がいる。
今回の絵の件は、全くどうなるかわからない。仲人役の上司いわく、フラットに相手の要望を聞いてから始めた方がいい、と言っていた。描くのはね。その上司だって引き受けておきながら時折ヒヤヒヤしてる様子てどういうこと?(笑)
資料はすでに集めていた。話を持ちかけられた翌日には現地に赴き、その後何度か気がすむまで通ったり、関連施設に資料を見せてもらったりした。榊も文句も言わず付き合って色々と助けてくれた。
準備なんて、してもしなくてもそれぞれの緊張をする。
だから集めるだけ集めて寝かせていた。そして先刻必要があって少し整理した。乱雑な紙束をきちんとファイリングした。不安がひとつ減った。
それでも段階を進むたび気持ちに落ち着きがなくなることがある。
そろそろと思って、榊も寝てしまったので、気持ちを整理してみた。
僕は僕自身に声をかけ、この件における約束事を設けることにした。
上手く描こうとしないこと。ゴールは、完成させること。それを達成すること。
どうしても頑張りすぎるから、余計な力が入って、らしからぬ結果に終わってしまうこともある。
プレッシャーはそのままに。僕の等身大で描く。それで却下されたらそれはそれで構わない。
語弊はあるけれど、解放されてある意味ラッキーとか、またここから絵についていろいろトレーニングしていきたいとか、思えばいい。
焦りながら無様にもがいて、あれこれ調べたり取り組んでいるうちに、僕に必要だったものが何だったのか少し見つけた気がして。それだけでも儲けたなと思っている。マスターしたい分野のトレーニングの仕方も分かった。
仕事自体も、仕事にまつわる自主研究も、どことなくモチベーションが上がらなかったのは、メンタルだけの問題ではなくて、僕の中での意義や目的、目標が消えてしまっていたから。
何ができて、何ができなくて、何が必要で、何が欲しいのか。そして僕は何が好きなのか。何をしている時が楽しいのか。全く分からなくなってしまったのだ。
教本や手慣らし、トップクラスや匠のような人たちのエピソードと自分を照らし合わせたら、僕の中のモヤモヤに陰影が現れた。形がつかみやすくなった。
激しい水音の中で、歌い、何もかも洗い流し、夜を越えたら、不安が少しは薄らいだ。
このまま榊の隣に戻って眠ろう。