夏祭りに行った。毎年なんだかんだと顔を出している。
町内の人たちが出す屋台が賑わいがあって、提供する方買う方、みんなの笑顔がいい。
榊の中でこれは節目の行事のになっているようで、行けるとなるととてつもなく喜ぶ。

昼間僕は寝込んでいたが、夕方にはなんとか持ち直したから、行った。
うだうだしてしまったから、気分転換にも、行きたかった。

「長いズボンにしなさいよ、油断大敵!」
はいはい。
と、真面目にスエットからデニムに足を通しかえて思う。
前も体調悪くなかったか?
浴衣や甚兵衛、薄着の男女に紛れて、起毛のパーカーを着てマスクしていた気がする。

今日は悪寒はない。地味に発熱。それによる頭痛眼痛関節痛。それと倦怠感。腕や脚があがらない。
朝からなぜか起きられなくて、メンタルもぐっちゃぐちゃで、薬こそ飲まなかったけれど、完全に寝込んでいた。
ふと榊が体に触れて、おかしいぞ、と体温測ったらアウト。
氷枕で安静に。

歩き回れるまでには復活できたから、へこへこ向かい、道中含めて1時間ほど雰囲気を楽しんだ。
おみやげは焼きそば。悩んでいつもこれな気がする。
別のところで匂いに惹かれて桃も買い、祭り帰りの賑やかな声を聞きながら榊と家で食べた。
桃。潤う。美味しかった。

since

朝方が涼しいのは夏の証拠。梅雨が明けた実感。
それはもう秋へのレール。



「眠れなくなったのはいつから?」

寝しなに榊に聞かれた。
消灯直後、部屋も視界も本当に真っ暗の中だった。

前の会社を辞める直前が始まり、かな。眠れない時もあったけれど、20歳そこそこだったから、夜更かししたいっていうのもあった、と思う。その後、榊の生活リズムに合わせてちゃんと寝るように心がけて、一時落ち着いた。
また眠れないようになったのは

「「ここ、2、3年、か」な」

今回の不眠症状は、ボディーブローのようにじわじわと苦しい。
もどかしいような苦しい不眠は初めてだ。
本当に眠れない。じりじりと眠れないのだ。
したいこともない。なんなら心の底から寝たいくらいだ。けれどそれが叶わない。

榊の回答が僕の計算と概ね合致したことが驚きだった。
僕を本当によく見てる。なんだこの人。惚れるだろ。惚れ直すだろ。
僕より僕のことわかってるじゃないか。

「ありがとう」なのか、「すごいね」なのか、かける言葉を探して、求められてる言葉を知りたくて、榊の方に首だけ向けたけど、当人はもうすでに寝入っていた。まぶたが静かに合わさっている。

呆れたような、ほっとしたようなため息をひとつ吐いたら、自然な眠気がやってきた。

入浴剤

入浴剤の詰め合わせをもらった。プチギフトと言うのかな。
子どもが「今日は来てくれて、ありがとう」と渡してくれた。
榊はレモンやゆずなど黄色系、僕は森や抹茶(!)のグリーン系の詰め合わせだった。選んでくれたという。
もちろんそれを贈ってくれた半分くらいは、友達(その子の親)の気持ちでもあるとは思うけど。

気を遣って行ってるわけじゃなくて、個人的な興味や行きたくて行ったのだから、そんなのくれなくていいのに、と思ったのだが。
また遊びに行ったり、料理振舞ったりしてお返しをしようと思う。料理は榊担当。

ちなみに余談として、家に帰ってから、ボイスメッセージなるものも送ってくれて、さすがにそれには二人で涙した。ハイテクぶりに驚きもしたけど。
大人ふたり、見よう見まねでボイスメッセージでちゃんと返事もした。


日曜日もあまりに暑くて二人ともクーラーの家にこもってたのに、完全にダレていて、夜、ぬるま湯につかることにした。
「あ、◯◯◯ちゃんにもらった入浴剤使う?」
とノリノリの榊。僕もだが、本当にあそこん家の子だけは格別に愛しい。

でもなんで入浴剤なんだろ、と思った。
夏場だし食べ物だと傷むから?とか思ったけど。

入ってみて分かった。

すごく安らぐ。気分が変わる。
爽快系じゃなくても、とても気持ち良くなる。むしろ僕はこっちの方が落ち着くから好きだ。
夏こそ入浴剤かもしれない。←感動しすぎ?

ちなみに入ったのは抹茶。といっても森のような感じ。たまに、お菓子っぽく感じる時があってそれが抹茶ぽさなのかなと思った。
抹茶苦手なのに珍しいチョイスをした榊。
ちなみに僕の内心の希望はそれだったのでラッキーだった。

ビールとカーネーション

祖母の写真の前に薄桃色のカーネーションを供えた。
だから、なんて言っていいのか、昨日はいいことづくしだった。

少し前、買い物途中にふと目に入った酒器を花器にしたいと直感的に思い、即購入した。
僕は基本トロいし優柔不断。こんなことはありえない。でもこれは、決まってた。置き場も、 祖母のところ、となんの迷いもなかった。

実を言えば、気持ちを前に向けさせたくて最近は水を置いてなかった。ごめん、ばぁちゃん。
この間早く仕事から帰れて、忘れずに花屋に寄れたので、カーネーションを一輪買って帰った。
小さな花屋だっから、数種類しかなく、ピンクのバラがとても可愛かったけれど、祖母のイメージじゃなかったから、カーネーションにした。買うとき名前をど忘れして、コレ呼ばわりしたけど。
ぼんやりとしたグリーンの茎が好きだ。グリーンといえば、祖母の必需品のチューインガムを思い出す。

榊も、写真でしか見たことないのに「ばぁちゃんっぽい」と言ってくれた。その説得力、実孫の僕以上。たった一言なのに。


そして、花をいけて数日後の昨日は友達家族と会った。子どもが発表会だという。その子が生まれたばかりの時から二人で見てるので親や親戚の気分。

合流するまで二人で町探検した。
有名な蕎麦屋に立ち寄ってみたら、満席のうえ数組待ったものの限定数食の田舎蕎麦に偶然ありつけた。
時間潰しに寄ったモールで、買いはしなかったけれど、探してた通勤用に良さそうなものをいくつか見つけた。
天気が後半穏やかだった。少し陰って風が出た。
行き帰り、座って移動できた。
夕飯、僕が珍しく肉を欲し、ステーキ、あとは手抜きでイワシの握りやら惣菜やらで済ませたけれど、信じられないくらい全てが美味しかった。

帰宅してすぐの時、ふと祖母の写真が目に飛び込んできた。今日は珍しく主張が強い。ウインクしてるようにすら見える、とまで思って気づいた。まさか? まさか。

珍しく少しお酒飲みたくて、榊も珍しくビールを飲んでたから、一口もらった。本当に一口。
花器と乾杯しようとしたら、祖母の顔が複雑になった気がした。あ、やっぱり? というわけで、そのグラスはしばらく写真前に置くことにした。呆れた笑い顔になってる。
ありがと、ばぁちゃん。

毛を剃る

昨夜、思い立って腕毛を剃った。ホント思いつき。
散々晒してきて、今更何急に、なんだが。
浴槽で一人シャリシャリとカミソリを滑らせていると
ささくれ波立っていた気持ちが落ち着いた。

思う。

もしや擬似自傷的にしてるのかと。
なら、アリか???
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