榊のためにむくリンゴ

ここ数年は12月になると知り合いの人からリンゴを頂いている。
だからか分からないけど、さっきスーパーでリンゴをみたら無性に食べたくなった。

榊も
「何か果物食べたい」
と珍しいことを言ってたから、買って帰ることにした。



テレビを見ながらリンゴをむいてあげた。
我ながらまぁまぁうまく素早くむけたと思う。

「できたよ」と、半実むいたところで声をかけたら

「ありがとう」
「いただきます」

ドキドキした。

何かを料ったわけじゃない。
榊のためにむいたリンゴ。

いつもゴハンを作ってくれる榊に、リンゴをむいて、供した。

それに向けられた言葉が僕の胸にじんと染みた。

の、余談

なんて「朝のこと」を書いていたら、懐かしくなった。ので、書いておく。


昔はよく裸に毛布で朝を迎えてたっけな、と。

もちろん二人揃ってのこと。



そんな若々しい時代も
遠く過ぎ去りきったよう。

明日から目覚まし

今朝寝坊した。


僕は、嫌な感じの夢ばかり見てうなされつつ、
もし中途半端な時間に目覚めたら寝られなくなるからと、必死に眠り続けていた。

榊は、そんな僕の脚や腹に何度も何度も絡みつこうとしながらぐっすり眠ってた。


そういった自覚はあったんだけど、
果たしていま何時なのかということをまったく気にしていなかった。

榊が叫びながら起きて、ようやく僕も(飛び)起きた。


残業続きで、疲れていたのもあったし、昨日は明らかに就寝も遅かった。
そして雨天により外があまり明るくならなかった。
これらが原因だ。

目が覚めたのは
家を出るべき時刻の20分前だった。

幸い会社には間に合ったが
明日から目覚ましは欠かせないだろう。

続・神経腫

昼休憩に携帯を開いたら、榊からメッセージが入ってた。

「アレはどちらかといえば"腫れてる"という感じらしいよ。
急ぐ必要はないけど一度診てもらったほうがいいって。
治療法は手術だけじゃないってさ」

驚いて、そしてふたつの意味で喜んだ。内容と、榊の行動に。


今日、榊は整形外科の日だった(すっかり忘れてて、予約時間に大遅刻していたが)。
そこで先生に聞いてくれたようだ。


僕自身よりも心配や不安になって、僕よりも先にヒントを手にして、今はもう安堵してる。


僕はその間なにしてた。
落ち込んでいただけだ。
(笑)



今日は帰りにコーラを2本買って帰ろう。榊の大好物。

神経腫

昨日、一昨日とひどく痛んだ。
患部付近が、鬱血するほど腫れていた。ここまでなるのは初めてだった。
とうとう手術しなきゃならないのか、と憂鬱になった。



手術と聞けば、思い出してしまう。

ある日の手術のこと。


親は田舎からかけつけてくれた(そうしなければならなかった)。

術中、病室で途方もなく待たせた。
数時間後にようやく病室に返された自分は、朦朧として、完全に弱ってた。意に反して。

僕を覗く親の顔。
ほっとしつつも、それまで堪えていた不安が溢れ出したようだった。

胸が痛かった。
鈍いのは意識と動作だけだったから、キザだけど、本当に心が痛かった。


ああいうやりとりをまたするのかと思うと気が重くなる。
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