さっそく

年末年始の休暇中、榊と見てたテレビが難病の人を取り上げていた。
治療をはじめとした、生き方あるいは死に方を、本人、家族のそれぞれが悩んでいたシーンがあり、そんな話になった。

榊は、自身がICU→寝たきり経験者なので相変わらず「無理。動けないあんなシンドイのはこりごり」と断言。
散々聞かされているので、それはしっかり胸に刻んでいる。

そこで言ってみた。
「僕はね、どっちでもいいよ。」と。
タイムリーゆえの面白半分で言ったんじゃない。
榊は寂しがり屋だから。楽にさせたいと僕を思う反面、離れがたいとも思い、苦しむだろうから。言っておきたかった。

僕の予想はこうだ。
『あんな痛くてツライ思い、鮎川には耐えられないし、味わわせたくない』
つまりそれでも延命はしないと。
しかし、そうではなかった。

「ママさんと一緒になってお世話するよ、」

レスポンスの早さからして、僕の発言を受けたおべっかには思えなかった。
こうして、ああして、とも語っていた。
(おべっかでも構わないけどね、榊なら)