「クリスタルのチカラを、利用した?」「私の母は学者だったそうです、青き星に降りた月の民で娘である私に膨大なるチカラを与えて力尽きたと聞いております」「確かに、お主の中には幻獣の加護があった」「母はクリスタルを作ろうとした、その為には幻獣のチカラが必要だと考えたのでしょうね、そして実験は成功、微力ながらもソレはクリスタルとして輝くことができた。しかし飽きたらず私に埋め込む、それが最期の実験になろうとは知らずに」「愚かじゃの」「私もそう思います、しかし、私がここまでクリスタルのために動く理由も理解できました。共鳴し合う魔力に惹かれ、未熟な私のチカラはまるで意志を持っているかのように眩い輝きを欲している、ここは、満ちている」「まさか我らの姉上がそのようなことを企てるとはの」「フースーヤ、あなたは母の危険さを知りながら見ぬふりをしたのではないですか?」「そうじゃな、姉上は天才じゃった」「だから、私がゼムスに協力する前に殺めようとしたのでしょう、クリスタルルームでは不可能ですよ」「クリスタルの加護を受けておる、じゃから、全てを話すことにしたのだ」「私には、母と違い大切なモノがあ
りすぎるのです。性格は似ていないようですね」「そうじゃな」「ゼムスの好きにはさせない、母の愛した星を渡さない、それに、母が本当に愛した男を殺すのは、私の役目なのですから」