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無題

「ロック殿」「なっ‥」
不死鳥を以ても彼女は甦ることはないと魔女は知っていた。彼女はチカラとなるべく魔石となり彼の手に渡るだろうと。遺跡で彼を見つけて、そう魔女は一人で行こうとしていた彼を追ってきたのだ。
「おひとりでいくおつもりですか」「‥これは、俺の」「はい。承知しております」「‥とめ、ないのか」「止めたところで何になりましょう?」
引き留めるわけではない、それでも魔女の深紅は咎めるようだった。ロックは俯いて魔女を振り切るように擦れ違う。
「ロック殿」「‥なに」「‥いえ、こちらはお任せください‥ごぶうんを」
一礼する魔女に背を向けたまま手をあげる、朝になったら誰かに言うかもしれないがそんなことは言ってられない、早く秘宝を見つけて生き返らせるんだとロックは宿を後にした。

「引き留めると思ったんだけど?」「セッツァー」「お前さんらしいっちゃあそうだけどよ」「‥引き留めるなんて出来ない、しかし危険だと聞いている‥出来ることなら行くのを変わりたいぐらいだよ」「一緒に行けば良かったんでない?」「それでは‥意味がない、ロック殿が自身でケジメをつけると」「言ってた?」「‥あの表情を見れば誰だってそうする、いや、分からぬが‥わたしにはこうするしか出来なかった」
手を伸ばせば守りたいものがあってソレを守るためなら命さえ惜しいというのは理解できるからと魔女は手を組んで祈った。

手書きF6の賭博師が外道な絵師様のアンインストールがガチで泣けた‥!ロックの秘宝イベの回です。リルム嬢の回も可愛かった。あの方の描く外道な賭博師が大好きです^^しかしマリカとボンバはカオスすぐるww

無題

『わたし、しあわせだったわ』
夢で会う少女は幸せそうに笑った。いつもそうだ、話を伝えることしかできないが魔女は笑う少女にいつも彼の事を話していた。
『だから、幸せになってほしいの‥ロックに。いつまでもわたしに縛られなくていいって』「‥自分で伝えてくれ」『もう‥出来ないから頼んでるのに』
レイチェル、と魔女はフィガロに向ける微笑みで彼女に触れた。

無題

スキだと言う言葉に偽りはない。なのにどうして彼だけを愛せないのだろうかと整備士は困惑していた。彼に対するのは親愛の情なのだろうか、それでも彼に抱かれるのもスキだし傍に居られるだけで胸が熱くなる。なのにどうして、彼だけを愛せないのだろうか。こんな感情はいらないと頭を振る。
「セツ‥セツ、だいすき」
握る工具を投げて身体をソファに沈める。帝国にはありとあらゆるものがあって幸せなはずなのに、ここでまさか彼らを思うなんて考えてもみなかった。
「ダリル、貴女ならどうした?彼だけを愛せない私を笑うかな」
金糸の双子を思うと叫びたくなる、あんなことするなんて卑怯だよと王様を憎らしく思いながら「バカ」と呟くのだった。

無題

死ぬと言うことは二度と会えないということを意味していた。死ぬのならフィガロを守ってこの身を盾にしたいと思っていた。しかし自分は首を落とされない限り死ねないだろう。何度傷付いても再生するのは不死鳥のチカラだ。いつかチカラを失ってただの娘になってしまったらを思うだけで身震いがした。

無題

軍師は亡骸を見下ろしていた。部下だったというソレは既に人間の形をしていなくて、ユキマサの命令で軍師の命を狙ったのだと軍師は言っていた。
「‥ヒラノエさま、将軍を止めてください」
仲間は彼女にかける言葉がなかった。涙すら流さずただただ頷けばソレは微笑んだまま絶命した。亡骸はそのまま風化する。砂のように風に流される仲間を軍師はどのような気持ちで見つめているのだろう。
「ゆきましょう」「え?」「長居は無用、この者の最後の言葉を聞けたのですから、充分です」
夜も人を寄せ付けず、ただただ夜空を見上げていた。
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