♪の手紙 mini

「早く帰りたい」「我慢なさい、補修を受けるような点数だからでしょう」「だって、一緒に居られるから」「そういう理由なら私今学期で辞表だすからね」「やだ！」「じゃあ頑張って満点目指してよ」「満点取ったらデートしようよ」「‥エディくん、ああ、分かったわ、そうね期末テストで満点取れたら構わないわよ」「ほんと！？」「ええ、ただし期末はオマケなしだからね？」「俺、がんばる！」「ほかの教科も手を抜いてはダメよ？ひとつでも今回みたいに補修なんてあったら‥取り消しだからね」「ええー！」「当たり前でしょう！」「けち！」「エディくんだから出来るって信じてるのになぁ」

そんなエディくんもいいと思います。免許証今日中に貰えます！安心しました〜しかし写真撮影に時間が掛かるんですよねぇ

「おあお〜」「はよ、眠たそうだなぁ」「テスト、がんばるの〜」「お、珍しいな」「マッシュとおんなじがいいの、がんばるんだ！」「はいはいノロケはいらねぇから頑張れよ」「あい〜」

「えうえう」「なっ‥なんで泣いてるんだい、レディ？」「えどがぁ‥マッシュがね、マッシュがっ」
また喧嘩かとエドガーは苦笑していた。何度喧嘩してもそのたびに仲直りをして「もう喧嘩はしない」と、いちゃいちゃちゅっちゅするくせに性懲りもなく繰り返しているのだ。
「‥今度はどうしたんだい？」「ひんひん、マッシュがねっ‥うあーん」「泣いていたら分からないよ、ゆっくりでいいから話してごらん？」「あうあう」
小さな身体がギュウギュウに抱き付いてくる、耳と尻尾があれば完璧にあだ名の通りの“仔犬”だろうとエドガーは思った。
「マッシュがお手て繋ぐのいやっていうの」「は？」「マッシュがねっ私だって学校では我慢してるのに！お外でもお家でもいやっていうの！‥うあああん」「それはいただけないね」「だからねっ、うわきしてやるんだからっ」「その台詞、誰の請け売りか‥想像がつくから嫌だなぁ」
仔犬はエドガーに抱きついたまま「エドガーのおよめさんになるっ」と離れなかった。困り果てたエドガーは携帯を取り出して奥手すぎて困る双子の弟に発信した。
「ああ、事情は目に見えて把握しているよ‥はやく迎えに来ないと本気で私のモノにしてしまうからね？」
一方的に話をしてプツリと切り懐に仕舞うとエドガーは仔犬を抱き締めて額にキスを落とした。
「えどがぁ？」「可哀想に‥マッシュと喧嘩ばかりして、今回だってキミは悪くないんだよ」「そう、なの？」「不甲斐ない弟よりも私にしないかい？」

危ない‥！昼メロでありそうな展開だわ

少し未来の話
「仔犬ちゃん仔犬ちゃん、免許取れたんだって？」「うん！セツは後部座席だからね」「え〜俺と仔犬ちゃんの仲じゃん」「だめだめ！助手席はマッシュだけなんです〜」「おまえほんと、旦那大好きだなぁ」「当たり前でしょ！」「あの頃の可愛い可愛い仔犬ちゃんはどこいったんだよぅ」「仔犬は成犬になったんです、いつまでも子供じゃないです〜だっ」「まあ今のままでも可愛いけどよ」「あ、マッシュ？はやく帰ってきて！わたしセツに誘惑されちゃう！」「ちょ、電話とか卑怯だろ！」

あとは学科のみ‥！免許センターいついこうかなぁ

「いらっしゃいませ〜」「あれとこれとふたつください」「かしこまりました！」
リルムと二人で何やら会話をしていた。不思議そうに見つめるガウに仔犬はクッキーをひとつ見せる。
「いらっしゃいませ〜お客様もいかがですか？」「がうがう！クッキー食べるがう〜」「かしこまりました〜」
(あれ、なにやってんだ？)(お店屋さんごっこらしいよ)(へぇ、変なこと考えるなぁ)(可愛いからいいじゃないか)
「お、俺にもくれよ」「いらっしゃいませ〜」「仔犬ちゃんをひとつ」「いけませんお客様！破廉恥はいけませんわ」

明日卒検だよぅ‥母上早く迎えにきてくだされ〜