*現パロ
今日の当番はあいつだ、正直俺が作った方が美味いんだけど決めたことだから仕方がない。何が出て来るのだろうかと思いながら扉を開ければ、あいつがすっ飛んできた。「おかえりなさい」「ああ」「おかえりなさい」「うん?」「おかえり!なさい!」「‥はいはい、ただいま」“ただいま”というたったこれだけの言葉をあいつは欲しがる、エプロンなんて着けてあいつだって仕事だっただろうに‥と思いながらも夕飯を聞く。「今日は、シチュー!」「好きだなぁ」「煮物が得意!」「‥飽きそう」ポソリと呟いたら頬を膨らませてツンッとそっぽを向いた、どうやらご機嫌を損ねてしまったようだ。「セッツァーの方が上手だもんねー」「悪かったよ、俺はお前の料理好きだぜ」「ふんっ」「嫁さんにしたいぐらい、好きだっつてんだろ」「なっ‥べつにそんな、セッちゃんのお嫁さんなんて‥ちがっ」「嫌なのかよ」「ちがっ‥違う」顔を真っ赤にして焼いたパンを皿に盛る、こういうところ可愛いなと背中から抱き締めてやった。
*現パロ(主夫)
そろそろ彼女が帰ってくる時間だろう、今日は定時で帰るとメールがあったから久々にオムライスとサラダと彼女の好きなお酒を用意することができた。あとは帰ってくるのを待つだけだ。「ただいまー」「おかえり」「今日も頑張ってきたよ、運悪く話の通じない取引先でさ」そう言いながら寝室に向かう、いつものやりとりだ。「今日はオムライス」「えっ?‥あ、うん」一瞬、驚いたような表情が俺には“しまったランチで食べた”と聞こえた。「マッシュの作るオムライスがイチバン好き!とろふわ過ぎず固すぎず」「昼もオムライス食べたんだ?」「まぁね、でもマッシュのは毎食食べてもいい!」「大袈裟だなぁ」そう言って彼女はテーブルをセッティングして俺は盛り付けた夕飯をテーブルに置いていく、グラスに注がれたお酒で乾杯をして美味しそうに食べる彼女を見て満足してしまうんだ。