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無題

寒さに凍える、仔犬はそんなことを思いながら震えていた。
「さあむうひいいぃ」「だからほら!着込めって言っただろ」「まあひゅうぅ!」
ブランケットと一緒に抱き込んでやれば仔犬は必死に暖を取ろうと抱き着いてくる。冷えた身体を抱き止めて白い息に震える彼女はいつの間にか獣化していた。
「ほら、」「くうん」
まるでモーグリをもふもふしているティナの気分だよとマッシュは溜め息混じりに仔犬の背中を撫でた。

無題

「笑ってみ?」「は?」
いつも眉間にシワを寄せている軍師に賭博師はそう言った。突然なんなんだと訝しげに見上げると、また「笑えよ」と言われた。
「‥笑った顔、見たい」「セッツァー殿は変なことをいうのですね」「変じゃねぇよ、見てみたいと思うのは普通だろ」「そういうものですか?」「そうそう、だから笑えよ」「そんな急に言われましても」

ヒトを困らせる天才(笑)

無題

記憶は消した筈だった。フィガロに飲ませた忘却薬、彼らの子を出産して三年、賭博師の子を生んでからはモブリズに預けて自分はあの小屋で静かに暮らしていた。お節介な賭博師はフィガロの子(どうやらエドガーの子とマッシュの子を同時に身籠り一度に出産出来たようで魔女は喜んでいた)と賭博師の子(セツリアとは腹違いの妹になったが溺愛しているらしい)を連れて小屋に来る回数が多かった。魔女は子に優しく、しかし泣いてしまいそうになる。父親を知らない双子を見ているとなんと浅はかだったかと後悔もした。会いたくないと言えば嘘になるがなにも知らないまま、フィガロの繁栄をと祈る毎日には変わりがなかったのだ。
「まぁったくお前さんは不器用だな」「フィガロの繁栄のためだ」「子供まで産んどいてそれかよ」「‥私は、死ぬまで魔女だ。フィガロには必要ない」「そういう問題じゃねぇだろ」「そういう問題だよ」

いつかフィガロの魔女はこういう終わり方をしたい。チョコボに乗った陛下が迎えに来て歴史は繰り返される的な終わり方。その時は腹をくくるしかない魔女は幸せになれるかな

無題

小さな小屋でお茶を差し出す。瓦礫の塔から身を呈して仲間を助け行方が分からなくなったシャドウを偶然に見つけて魔女は招いたのだ。
「みな、心配しておりました」「‥つくづく悪運が強い」「そう仰らないで下さい。わたくしはまた会えて嬉しいのですから」「あいつらの元にいなくていいのか?」「‥わたくしのことは忘れて貰いましたから」
何があったのか--魔女が何をしたのかはなんとなく理解ができた。シャドウはいつもの漆黒の防具を外していて、伸ばしっぱなしだった淡色の髪を魔女に切り落としてもらったばかりだった。
「後悔はないのか?」「繁栄のためにわたくしは足枷となってしまいます」「あの賭博師は?」「時々、顔を見せに来ます」「俺が居ては‥」「大丈夫です、シャド‥クライド殿は傷が癒えるまでいてください」
ひとりが寂しい性格ではないのは理解している。何故自分を引き留めるのかは分からないがシャドウは魔女の側を離れようとは思わなかった。
「クライド殿、傷が癒えたらサマサに行きませんか?」「いまさら会えと?」「それでも、たった一人の肉親の傍にいてあげてもいいと思います。顔を見せる程度でも」「‥しかし俺は」「行くところがなければ、此処にいてください。わたくしは貴方と共に在りたい」
自分が選ばれると思わない、いつか思い出した王族が迎えにくるだろう、それまでぐらいなら居てもいいかとシャドウは思う。あれほどまでに深い愛情を持っているのだ、いくら魔女の策略でも長くは続かないとシャドウは告げることをせずに首を縦に振る。
「いまは安静になさってください。傷が深いのですから」「世話になる」

魔女は誰ともくっ付けたくないという管理人の策略。しかしフィガロ落ち率が高いのです。

無題

「あ!」「ガウ殿?」
成長した彼は服をきちんと着てフィガロを訪れていた。ゆくゆくは何か仕事をするのであろう彼は今は勉強中だとマッシュが言っていた。
「見つけたガウ」「探していたのですか?」「会いたかった〜」「!」
抱き付かれよろめく、すっかり身長を追い越され美男子となったがどうやら中身はまだまだ変わらないらしい。三つ子の魂百までというがまさにソレだった。
「終わったから遊ぶガウ」「はい、わたくしでよければ」「もう勉強は疲れたガウ〜」「いまお茶をいれますね、今日はリルムも来ると‥ガウ殿?」
端から見たら押し倒しているようにも見えて、しかし幼い頃を知るから許してしまう。そんな魔女にフィガロがヤキモキしてるなんて知らず、ガウの頭を撫でて首を傾げた。
「やっぱりいいにおい〜」「ふふっくすぐったいですよ」「早くもっと大きくなりたいガウ」「焦らなくていいと思いますよ」
そうじゃないんだけどなとガウは魔女を見上げた。早く見合うようになってその時こそ、魔女を迎えに来たいと内心考えているのだ。ほしにく以上に魔女を欲するこの厄介な感情を未だ理解しきれてはいないが、何よりも彼女が大切だった。
「だあいすきガウ!」「ふふ‥変わりませんねガウ殿は」「あー!ガウなにしてんだよ!」
現れたマッシュに引き剥がされてガウは頬を膨らませた。

彼は大人になれば美形になると信じてやみません。きっとリルムも美人になる!
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