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無題

ナルシェの永久凍土に魔女はいた。目の前には氷漬けの幻獣がいてなにかを話しているようだった。
「そうか、それならば、構わぬのだが‥」
難しそうな表情で対峙する二人、それを見るのは王族でもなく賭博師でもなく--意外にもアサシンだった。
「終わったか」「はい、すみません」「‥‥」「戻りましょう、皆が待って‥シャドウ殿?」
腕を掴む、なんと細いことか、少しでも力を入れたら折れてしまいそうで、シャドウは不思議そうに自分を見上げる魔女から手を離す。
「名を」「はい?」「名を呼んで欲しい」「‥クライド、殿?」
そう、いつか目の前の娘は王族の元に行ってしまう。そんなのは分かりきっているのに、欲しいと思うのは年甲斐もなく、無様だとシャドウは自嘲する。
「大丈夫、皆、クライド殿を頼りにしています」「‥‥」
魔女は表情を隠したシャドウにニッコリ微笑んで見せた。
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