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きみとぼくの最後の日



枕に顔を埋めるとと、彼の匂いがする。




彼のいなくなったこの部屋にひとりでいると

彼がいたことも、
彼がいたことも、

夢のように思えて。




それでも、彼はいたんだと。

この部屋に一緒にいたんだと。








会いにきてくれたのです。


きっと、疲れていただろうし
眠かっただろうし
しんどかったとおもう。




けれどわざわざ会いにきてくれて

荷物なんてほっぽって


一番に抱きしめてくれたのです。




「よかった。」

そう言って、抱きしめてくれたのです。






彼も、きっと
あの日のわたしと同じ気持ちだったのだろうか、と。


あの日のわたしのように
不安でこわくてたまらなかったのかなあ、と。




また自惚れているわたしがいた。








何度も確かめるように抱きしめて


何度も確かめるようにかみをなでて


何度も確かめるように、キスをした。










しあわせ、だとおもった。


彼がいて、わたしがいて

笑って一緒にいられるということが。




わたしと彼の関係が
曖昧で、あやふやで、脆くて、どうしようもないものだとしても


とても、しあわせだとおもった。








しあわせなのに、

足りないとおもってしまう。


もっと、もっともっと欲しいとおもってしまう。




彼もわたしでいっぱいになってしまえばいいのに、と


他の子なんて見えないくらい思ってくれていたならいいのに、と




わたしのこと、
すきになって、
あいしてくれたならいいのに、と。








曖昧で、あやふやで、脆くて、どうしようもない関係を望んで続けているのはわたしなのに。


なのに、彼がほしいとおもってしまう





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わらって、もっと



いろいろあって、バイトお休みもらってます。


会いたいのに、働きたいのに

会えないし、働けないのです。





いつ、会えるのだろう。


そればかり考えてる。




会って、笑って抱きしめてほしいのです。


名前を呼んで、頭を撫でてほしいのです。





はやく会いたい。

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さよなら、さよなら


迷っている自分がいる。


揺らいでいる自分がいる。





あんなにも悩んで、考えて、決めたのに。




いまのわたしの接客を

いまのわたしを、認めてくれて評価してくれて


わたしが欲しいと言ってくれる人がいる。




わたしじゃなくても、
わたしがいなくなっても、

変わることはわたしがいないということだけで


またいまいる子達や、新しい子達で
お店は成り立っていくだろうし


わたしである必要なんてないと思うから。




いまのお店がすき。

それは変わらない。


いまのわたしがあるのは
店長であるゆうさんがいて
この3年間であたたかく見守ってくれたお客さんがいて
どうしようもなかったわたしを見捨てなかったオーナーがいるからで


このお店じゃなかったなら、
この人たちに出会えなかったなら、

いまのわたしはいなかったとおもう。






それでもわたしが離れることを決めたのは

そのあたたかい環境に甘え続けるのは違うとおもったから。

いまのまま、ゆうさんと一緒に働き続けるのは違うとおもったからから。





やりたい、とおもうことがあるのも事実。


新しい環境で、新しい人たちと
新しい自分で、挑戦してみたいとおもったから。




それでも、あんな風に引き止められると
どうしようもなく、なってしまう自分がいる。












いまのお店は1年半後には閉めるそうだ。


わたしが辞めると聞いていたオーナーが

「辞めないでほしい」
「そうなったとき、anに本店のホールを全て任せるつもりでいた」
「お前がほしい」
「正直、いまも社員になってほしいと思ってる」


そう言ってくれたのです。




去年の夏、
わたしはいろんなことが重なってどうしようもなくなっていた。

そのときも、いまのお店から離れて
知ってる人のいない遠いところへ行って
ひとりで頑張り直そうと考えていて。


そんなときに、オーナーと話す機会があって
「これからもいてくれるよね?」という言葉に頷けなかったわたしがいて

そのときもオーナーは

「いなくなってほしくない」
「お前がほしい」
「そんなに俺たちは頼りないか」
「俺が全部背負ってあげるから、力になるから」

そう言ってくれたのです。






だからわたしはもう少し頑張ろうと思った。


そんなときにいまのお店がなくなると聞いて
なくなってしまったときわたしに何が残るか考えて

いまのわたしが頑張れているのは
いまのお店があって、
ゆうさんがいて、
お客さんがいて、

だから居続けられたのに
なくなってしまったらわたしには何も残らない。


そう思ったから
いい歳になる前に

まだ若いと言ってもらえるうちに
やりたかったことに挑戦しようとおもって


いずれ、ゆうさんと離れてしまうことになるなら

いまの内にわたしの方から離れてしまおうと
消えてしまおうとおもったからで。




まさか、オーナーがわたしも一緒に本店に連れていくつもりでいたなんて考えてもいなかったから。






こんなにもわたし自身を評価してくれる人がいるだろうか

こんなにもわたしを欲しいと言ってくれる人がいるだろうか


いまのじぶんがいるのは、彼らのおかげなのに

一緒にいたいと、頑張りたいと思うじぶんもまだどこかにいるのに


それでも、わたしは離れられるのだろうか。






「背中を押したのも、きついことを言ったのも俺。

それでもしっかり考えてほしかったから。


でも俺はお前がほしい。


いてくれないと困る。




求められる方にいくのか、

やりたいことに挑戦するのか。




お前がやりたいことに挑戦するのは全力で応援したいし、背中を押してやりたい。

それでも本心はいかないでほしい。


このまま一緒に働いてほしい。


考え直してほしい。」



こんなわたしに、オーナーはそう言ってくれたのです。






そしてオーナーは、すべてを見透かしている。


わたしがゆうさんを特別に想ってるいることも

きっとそれも原因のひとつで
わたしがいなくなろうとしていることも


すべて、わかったうえで
この話しをわたしにしてくれている。




どうしようもなく、敵わない人なのです。


だからわたしは、どうしたら
なにをどう言えば彼に勝てるのか
ずっと考えていたのに

なにも言えなかった。





こんなにも、
こんなわたしを必要としてくれているひとがいるのだろうか。

こんなわたしを必要としてくれるお店があるのだろうか。


その人たちから離れて、わたしは後悔しないのだろうか。




そう考えるじぶんもいるなかで、


ほんとうにそんなことをおもってくれているのだろうか、と醜い汚い心で疑っているじぶんもいたりして。






強く、強く強く決心したはずなのに


2、3年後だとおもっていたいまのお店とのさよならが
遅くても1年半には、と聞かされたいま

最後までいまのお店を、いまのお客さんたちと接したいとおもうじぶんもいて。




いまのお店と、お客さんたちに
ありがとうございました、ときちんと伝えて
閉めの日までいたいとおもうじぶんもいて。




なんなら、いまのお店がなくなってほしくないとおもうじぶんもいる。





どうしたいのか、

どうしたらいいのか。


なにを選びたいのか、

なにを選ぶべきなのか。




わたしはまた、分からなくなってしまった。


 
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星が降る夜に



ただの気まぐれ。


いつもの気まぐれ。





いつだって彼は気まぐれで、
あたしのことなんてきっと関係ない、気にしてない。


わかってるのに。




あたしだけが彼の言葉に、意識して期待して。


ばかみたいだとおもうのに、おもうのに。







ただ一緒にいられたならそれでいいって、

それだけでいいっておもってたはずなのに。


どんどんよく深くなってこまる



 
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この世界に君はいないんだね



先日、ゆうさんが来てくれました。


といってもあたしが呼んだのだけれども。




そしたらまさかの生理になっちゃうし、

会いたいけど
やっぱりやめとこうかなあって

ゆうさんも次の日は朝からしごとだし


「今日はいいです」ってLINE送ったのに

「なんで?会いたくなくなったん?」って。




そんなこと言われたら
「んなことあるわけないじゃないですか」って言うしかなくて、結局来てくれたのだけれど。




その日はなんか甘々というかデレデレで
来てくれたときからよしよしはぐはぐしてくれて

たくさんちゅーしてくれて。




いつもなら寝たら起きることなく
ごーごーいびきかきながら寝てるくせに

なぜか何回も起きては
名前を呼んではあたしにくちづけるの。




「あーちゃん、あーちゃん」


「俺のあーちゃん」って。


「はあい」って言うと嬉しそうに笑って
「やった、あーちゃん俺の」ってまたふにゃふにゃ笑って寝るの。


可愛すぎて、どうにかなってしまいそうだった。






朝もぎりぎりまで寝ながらいちゃいちゃして


時間になって
「そろそろ行くわ」って帰る準備しだして。




ああ、さみしいなあって。

またひとりかって。


玄関まで見送ると

手を広げておいでってしてくれるの。


またちゅっとくちづけて
「ありがとう」って帰ってくの。




ありがとうを言わなきゃいけないのはあたしなのに
彼はいつも、ありがとうっていうの。


なんか、複雑なんだけれども、ね。






その日はゆうさんの昔の話しを聞いたりして

学生時代のこととか。


そしたらはじめての彼女さんの話しとかもでてきて。


聞きたくなんてないけれど
うん、うんって笑顔で聞くことしかなくて。




でも、考えてみれば
あたしも彼もひとつでも違う道を選んでいたなら
きっと一生出会うことなんてなかったんだなあって。


こうして、彼に出会えて一緒にいられるのは
いままで彼が選んできた道、彼が出会ってきたひとたちがいたからであって


出会えてよかったなあって、改めておもった。




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