恋愛被害届

携帯の画面にLINEの通知で彼の名前が表示される。


少しして彼からの着信があって、ほんの少しお話しした。


ただそれだけ。




なのにどうして、

名前をみただけ、

声を聞いただけ、




ただそれだけなのにこんなにも嬉しくて


ただそれだけなのにこんなにも泣きたくなる。




ねえ、なんで。


嬉しいはずなのに、こんなにも苦しい。

だいすきだった彼が1年間留学するそうです。


いまはもう、ゆうさんのことで頭がいっぱいなのですが。

でも彼に会うとやっぱり乙女になる部分もあったりして。




地元の子たちと会うときぐらいなので、年に2、3回会えればいい方なのですが。


1年なんてきっとあっという間なのに、すごくショックというか、衝撃を受けまして。




同い年で、自分の知っている人があたらしい未来に向かってひとりで挑戦しようとしている事実と


あたしは変わらずその場で足踏みをするばかりで進めていない事実に、どうしようもなくなってしまっていて。




来月には日本を発つそうなので、この間彼が日本にいる間に会うのは最後の飲み会だったのに

テンション上がって飲みすぎて、吐くわ、泣くわで散々でした、、、




あたし、お酒飲むと泣くんですよ。ほんとめんどくさい。


泣くつもりなんてなかったのに、途中の記憶も曖昧なんだけれど。




でも帰り道、泣きじゃくるあたしをあやしながら時折抱きしめてくださいまして。


あのときは散々拒否しまくりましたが、いま思い返せば胸きゅんでしかありません。


まさか！彼に！
抱きしめられる日がくるなんて！！！




最後の最後まで迷惑をかけましたが、、、


ほんとうに、だいすきだったのです。


久しぶりに会えて話せて名前呼んでもらって、泣いた日もありました。


振られて会うのが気まずかったりもしました。




「ともだち」という言葉に
これ以上はやっぱり無いんだなあなんて思い知らされましたが。


それでもこれからも「ともだち」でいられるように。




きっといろんなことが彼を待っている。

苦しいことも、辛いことも
楽しいことも、たっくさん。


そんな彼を応援しながら
あたしも止まってないで進みたい。




1年後、
また会えたときに笑って話せるように。





進むだけじゃない、

もっと可愛くなって綺麗になって
女性としても、ひとりの人間としても
成長していたいなあ。


彼に振ったことを後悔させるのが目標だったりするのです。






これからの彼の未来が
たくさんの笑顔で溢れていますように。


直接、笑顔で送ってあげられなかったけれど。




いってらっしゃい。


　

「お前のこと好きやねんもん、しゃーないやん」


ねえ、それはどう受け取ったらいいのですか。

それもまた酔ってたことのせいにするのですか。

無かったことにしてしまうのですか。




わたしには、ほんとうにわからないです。

どう受け取って、どう捉えたらいいのでしょうか。

　

「もっと頼ればいい」

「もっと甘えればいい」

「ひとりじゃないんだから」




泣いてるあたしを抱きしめて
彼は何度もそう言ったのです。


首を振って、彼の腕を振り解こうとするあたしを
何度も何度も彼は抱きしめたのです。






あたしは、そんな言葉も彼のその思いも受け止められないのです。


「そんなに頼りない？」ってそうじゃなくて、そんなんじゃなくて。


あたしの問題に、あたしの人生に、彼を深く巻き込みたくないのです。




その言葉も思いも、あたしに対する特別なものじゃなくて
アルバイトのあたしに対する言葉と思いだとわかっているから

余計に甘えることも頼ることもできないのです。




これ以上の関係を望んでしまったら、離れていくでしょう。終わってしまうでしょう。








「俺がいる間に、」なんてそんなこと言うから余計に涙が止まらなくなった。