「先輩と、キスしたい、です」「リエーフくん、邪過ぎる」「だって」手を掴まれて距離を詰められる、少しだけ怖いと感じてそっぽを向けば彼は「駄目ですか」と子犬のような声で鳴いた。ほだされてはいけないと思いながらも見上げた彼は泣いてしまいそうだった。「今度はいつ会えるか分からないのに」「だ、だからって」「ほっぺでいいですから、俺からさせてください」「っ、し、かたないなぁ」チュッと頬に柔らかな感触、早い。もう少し躊躇うという言葉を覚えて欲しいものだ。「せんぱいからは?」「そんなこと言ってません」「えー」