雨がようやくあがって、お日さまが顔を覗かせたのにまた寒くなってきた。雪はもういいぞ!(笑)

 同居している次兄ボブが、従兄弟と連れだって神奈川の母方の伯父のお見舞いに行った。新幹線や電車での旅をしたことがないボブは行くまでずっと不安でいっぱいだったので、私が乗り換えの仕方をメモしたものを渡して、従兄弟と絶対はぐれないようにと念を押したおかげか何とか無事帰ってきた。
 伯父は今、危篤状態で意識がないらしい。ガンが転移して手の施しようもないとのこと。ボブから様子を聞かされ、ものすごいショックで言葉もでない。もし、奇跡が起こせるならもう一度元気な伯父に会いたい。


昨夜観た作品は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2009年)
 第1次世界大戦の終わりを迎えたその夜、ニューオーリンズで男の子の赤ちゃんが産まれた。出産直後に母親は死亡。父親は我が子の姿を一目見て驚愕した。その子を抱いて、終戦を祝う街に飛び出し、ある家の玄関先に、その子を置いて立ち去る。その家から出てきたクイニー(タラジ・P・ヘンソン)は赤ちゃんに気付き、覗き込むとまるで老人のような姿の、赤ちゃんがいた。医師からこの子は、長くは生きられないと告げられた彼女は、子供の出来ない自分へ神の思し召しと、その子を“ベンジャミン”と名付け、夫婦で営む老人福祉施設で育てることにした。ベンジャミン(ブラッド・ピット)は老人の身体のまま成長し、七歳になる頃にはやっと歩けるようになった。様々な人との出会いと別れを繰り返しながら成長していくベンジャミンは、身体が徐々に若返っていることに気づく…。
 原作はF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説です。以前紹介した通り私は読んでいたのですが、映画で観るとこの不思議な話がリアリティーを醸し出し、ぐいぐい引き込まれました。2時間47分もの長い尺を、あっという間に感じさせるデビッド・フィンチャーってスゴイ(笑)。ベンジャミン・バトンは不幸な人生の始まりでしたが、激動の時代とともに人との出会いで成長していきます。愛するデイジー(ケイト・ブランシェット)と運命としか思えない縁で結ばれ、人生に欠かせない存在になります。もし彼女がいなかったら?クイニーがあのとき見つけてくれなかったら?…ベンジャミンの数奇な人生はそんな奇跡で繋がっていくのです。さてもう一度、観ようっと!(笑)