母の命日だった。毎年この日と五月の父の命日は複雑な気持ちになり、あの日がフラッシュバックしてくる。父が亡くなって初めての冬に、衰弱した母とクリスマスをどう過ごすか考えていたところにいきなりの急変で逝ってしまった。
無我夢中でお通夜の準備中に庭の池にふと目をやると、一羽の白鳥がいた。この白鳥は葬儀が終わるといなくなっていた。あとで母から聞いたが「お母さんはあの白鳥に乗って阿弥陀様のところに行ったんだよ」というのである。なんて素敵な旅立ちだったんだ!メルヘンみたい。
今日は自由に時間がある兄姉たちが来てくれて、母が好きなものばかりのお昼を両親とともに食べた。以後、母と父を交互に私の体に憑依させて直接兄姉たちと話してもらった。向こうでの暮らしや懐かしい人たちがどうしているかなど、奇妙であるが生きていた時とはまるで違う穏やかさで元気にしているという。
両親によると、来年と再来年もずっと日本も世界も地震が頻発し続けるらしい。「今日という日は二度と来ないから後悔しないようにね」と母。当たり前のように暮らせることにあぐらをかいてちゃバチが当たるよ、とも。オリンピックも大事かもしれないが、もっと災害から守ることに急いで取り掛からないと大変だそうだ。確かに私もそう思う。たぶん多くの人たちが同じように思っているよね。だんだんみんな気づき始めてる。だからこそ、日々は大切に生きなくちゃ。
母が私に「〇〇ちゃん、正月何(料理)作るの?」というので「お(義)姉さんが亡くなって一年に満たないから質素にするよ」と言ったら、そうだね、それがいいねと頭を撫でてくれた。42の末娘の私に(笑)。母みたいな優しいハートを受け継ぎたいと思った。
拍手ありがとうございました!!本当にありがとう。
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