夕べの激しい雨が上がってもなお、空はどんよりとしていた。今日は朝から父の畑の手入れのために、みんなが来てくれた。あれからずっと放置されたままの畑は、草が生えて伸びていたのである。父が私と買ってそのままだった野菜の種や苗も兄姉たちの手で植えられた。みんなは農作業をやったことがなく、手探り状態。一日たっぷりやってもまだやらなきゃならないことだらけ。父は長い間、この畑を一人で守っていたのだ。
午後になり、父の愛用していたベッドが三番目の兄のもとへいくことになり、悲しみが一気に込み上げてきた。姉たちも疲れが合間ってナーバスになって私に辛く当たっている。まだ父が家にいるのに、父のものが次々と移動したり、この家からなくなったりしているのだ。父の気持ちを考えるとまた涙が出るし、私は出来ることならそのままにしておきたいのに。死ぬということとはそういうことなのだと、思い知らせられた気分。毎日そんな場面に出くわす。こんなに心身疲れきったのは初めてかもしれない。ものすごいストレスである。
出来ることなら、今すぐこの家から飛び出してどこか遠くへ行ってしまいたい。もう本当につらくてどうしようもない。父がいない淋しさも日に日に強くなるばかり。生活が何から何まで変わり始め、受け入れることに抵抗がある。悩んでもどうにもならないのに…。時はあまりにも無慈悲だ。
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