久しぶりにスッキリした目覚めだった。昨夜の救急車の騒動で階段を三往復したせいか、いつになくよく眠れた。

 しばらく両親が夢に出てくれなくて淋しいと思っていたら、父が出演してくれた。エキゾチックな南国の建物の廊下を私は父と歩いている。
 ふと父が沈黙を破り、こういうのである。
「生きてると、そこら中に神様がいるのを忘れてしまう。神様は自然界や寺や神社ばかりじゃなく、そこら中にいる。それを知ってれば幸せになれるのに…」

みたいな事を言っていた。実に父らしからぬ哲学者みたいな顔で。もっと感謝しながら生きろというメッセージかな。

 この頃の私は心の中で父に救いを求めていた。誰にも会わず、ほとんど誰とも喋らない。寝たきりの日々に絶望感すら過ぎっていた。とても体も心もしんどくて半ば投げやりだった。父はそんな私を見て、そんなメッセージをくれたのだ。すべてが有難く、すべてが無駄ではないんだって。そうなんだよね。つい忘れてしまっていた。日々感謝しなくちゃ!

お父さん、大事なことを思い出させてくれてありがとうございました。私はもう大丈夫です。









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