「マラリヤ、いるー?」
ルキアは元気よくマラリヤの部屋に飛び込んでいき、辺りを見回してマラリヤの姿を探す。
マラリヤはベッドで気持ち良さそうに眠っており、ルキアはしばらくの間、マラリヤの寝顔をじっくりと堪能していた。
「いい加減起きないとマラリヤのこと食べちゃうよ?」
なかなか起きないので、冗談のつもりでこんなことを言ってみるが、マラリヤは静かに寝息を立てたままだ。
なんとなく悪戯心が湧いてきて、ルキアは軽くほっぺたをつつき始める。
「ホントにホントにマラリヤのこと食べちゃうよ?」
「…構わないわ」
いつの間に目を覚ましたのか、マラリヤは軽く身体を伸ばしてまじまじとルキアと視線を合わせてきた。
不意打ちを喰らってしまい、ルキアは爆発したように赤くなり、わたわたと慌てて両手を振っている。
「マ、マ、マラリヤ!?いつから起きていたの!?」
ルキアの慌てる姿がおかしくて、マラリヤはクスクスと悪戯っぽく微笑む。
「…ルキアが顔を覗き込んできた辺りからかしら?
…とても可愛いことをいうのね」
「………マラリヤの意地悪」
顔を赤くしたまま頬を膨らませて、ルキアはマラリヤを睨み付けている。
しかしながら、マラリヤはどこ吹く風と余裕の表情で受け流す。
「…それで、早く私を食べるんじゃないかしら?」
ずいっとマラリヤが迫ってきて、ルキアは思わず後ずさってしまう。
マラリヤの唇が触れてしまうんじゃないだろうかといったところで、ルキアはなんとか声を絞り出していた。
「そ、そ、そうだマラリヤ!
髪の毛がはねているから溶かしてあげるね」
ようやくマラリヤがピタリと止まり、表情が緩やかになっていく。
ルキアをベッドに上げて、身を委ねるように背を向けた。
「…ええ、お願い」
ルキアはホッと息を撫で下ろし、ブラシを手に取ると、マラリヤの髪を丁寧に溶かし始める。
さっきまでの胸の鼓動はなかなか治まらず、顔を紅く染めたままだったけど、なんとなく嬉しそうにしているマラリヤを見ていると、別に心が温かくなっていくのを感じる。
いつの間にか二人を纏っていた空気がガラリとかわり、優しく安らいだ空間に転じていた。
「…ルキア、さっきはからかい過ぎたわね。
…悪かったわ」
「ううん、その、ちょっとドキドキしてマラリヤのこと可愛いって思っちゃった」
ルキアの言葉に、今度はマラリヤが顔を赤らめる番になってしまった。
「…そう、ありがとう。
…それとルキアになら、その…別に嫌じゃないわよ」
「うん…」
静かに髪を溶かしていく音が響いている。
後は林檎のように顔を赤くした二人の少女がベッドの上に佇んでいた。
ゆきあさんからいただいた
こちらのイラストを見て今回の小ネタを書かせていただきました
…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめん(ry
あのほんわかした空気が欠片もありません
それどころか妙にえろい文になってしまいました
すみませんすみませんすみませんすみ(ry
一応、自分の文を元にイラストを書いてくださったこと嬉しくて書き始めたんですが、こんなのしかできませんでした
(ひたすら土下座)