「トリックオアトリート!」
学園中でこの言葉が響き渡っている。
今日はハロウィン。学園の生徒達はいろいろな仮装をして歩き回っているところだ。
もちろん、ルキアとユリも仮装をして歩き回っている最中だ。
「トリックオアトリート!」
当然、二人が最初に向かう所はクララの部屋だ。
「はい、どうぞ」
毎年、クララは新作のクッキーをたくさん用意して待ってくれている。
「ありがと〜。クララ」
「どういたしまして。二人ともちゃんと似合ってますよ」
ルキアは狼の着ぐるみを、ユリは吸血鬼の格好をしている。
「ありがと、クララ。それじゃ、わたし達は行くね」
「はい、それじゃ気をつけて」
あの後、二人はたくさん歩き回ってお菓子を受け取っていた。
途中でフランケンやミイラの格好をしたアロエやヤンヤンとすれ違ったりして、けっこう見て回るのも楽しみだ。
「トリックオアトリート!」
マラリヤの部屋の前でもこう叫ぶと、中から魔女……ではなく、魔女の格好をしたマラリヤが姿を現す。
…すごく似合っている。ものすごく雰囲気が出ている。
「…どうしたの?二人とも鼻を押さえて?」
マラリヤの一言で、思わず見とれていたルキアとユリがはっと我にかえる。
「あのさ、お菓子いらないから首筋にかぶりついていい?」
そう言うと、ユリはサッとマラリヤの後ろに回り込んだ。
「あっ、ユリばかりずるい!あたしも食べちゃってもいいよね?」
ルキアもまた真正面から迫ってくる。
二人がいよいよマラリヤの肌に触れようとした時、急に割り込んでくる人影がひとつ。
「マラリヤさんから離れてくださるかしら?」
かぼちゃの帽子をかぶったシャロンがマラリヤから二人を引き離す。
「マラリヤさん、あの二人に変なことされてないですわね?」
マラリヤはこくんとうなずくと二人を見やり、次の言葉を紡ぎだした。
「…ええ、大丈夫よ。…まだ」
シャロンは「まだ」という言葉を聞いて二人を警戒する。
「ねえ、ルキア」
「なに、ユリ?」
「魔女もいいけど、かぼちゃもおいしそうだよね…」
「奇遇だよね、あたしもそう思ってた」
それを聞いたシャロンは思わず後退りしてしまう。
「あの、二人とも落ち着いてくださると嬉しいのですけど…」
しかし、ユリもルキアも聞く耳を持つつもりはないらしい。
「…逃げられそうにないわね。…おとなしくあきらめましょう、シャロン」
「そんな…」
そうこうしているうちにユリとルキアは近寄ってきている。
「それじゃ」
「さっそく」
『いただきまーすv』
その日、学園でとてつもなく大きな悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか。
え…と、ごめんなさい
orz
たまにはかなり壊れたものを書きたかったんです
勢いでやりました。反省はしてません(マテ
ちなみにシャロンにチェーンソーを持たせたらとか考えてましたけど、多分気づかないんじゃと思って自重しましたw