吸い込まれるように
その言葉そのまま、まさに吸い込まれるように口づけた。
卑怯だとは思う。
眠って意識のない相手にそんな事。
ただ、本当に綺麗だったんだ。
ソファで静かに寝息をたてるアレンは、綺麗で、儚げで、触れずにはいられなかった。
白い肌、シルバーグレーの瞳を隠すまぶたは長いまつげが微かに揺れて、柔らかい髪が光を吸収してキラキラ輝いく。
「アレン‥‥好きだよ‥‥」
眠っている相手には届かない言葉と共に、触れるだけのキスをしていた。
「‥‥ぅん、‥‥‥ラビ?」
「っ!? ‥‥アレン、いつから起きてたんさ!?」
「今ですけど‥‥どうかしたんですか?」
「えっ? あ、あー‥‥いやいや、何でもないんさぁ、ホントに」
「あっ! さてはまた僕の顔にラクガキしようとしたんでしょ!?」
どうやら本気で眠っていたらしいアレンの様子に、内心で胸を撫で下ろす。
「そう言えば変な夢見て目が覚めましたよ」
「ふーん、どんな?」
「誰かに口を塞がれる夢です」
「へ、へぇ‥‥」
いやまだ危ないようだ。
「後ろから急に口を塞がれるんですけどね、その手が異様に柔らかいんですよね」
そりゃあ塞いでるのは唇だからさ。
「ふーん‥‥。まぁ、変な夢なんてすぐ忘れるさ!」
話題を変える為、アレンを食堂に誘う。
みたらしだんごを目の前にしたら、くだらない夢の事なんか忘れるだろう。
「もうこの夢五回目ですよ」
「は!?」
いや、
もう少し詳しく話を聞く必要があるようだ。
end
暑いですねー。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
我が家は長男が結婚しました☆
リッセは相変わらず一人ですけどね!
‥‥しかし暑いですねー。