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これがふたりのはじまり(銀魂:銀時)

鼻をくすぐる匂いが甘くて、とろけそうで、どうにかなっちゃいそうだった。

ふわふわと、波にのまれているような感覚
自分の息遣いが、ひどく他人事のように思えて
頭の中が真っ白、だけど
心地好かった。

なにか、暖かいものが頬に触れた。
それは父親のようなぬくもりで
すっかり安心しきってしまったわたしは
意識を遠い所に飛ばしてしまった。




「…ぅーん……」


目が覚める。

頭全体が痛い。
そして気持ち悪い。

ゆっくりと身体を起こし、眉間を押さえる。


「……頭痛い…」


ガンガンと痛むそれは、二日酔いの症状の他になかった。
飲み過ぎたのだろうか?
昨日の出来事を思い出そうとする。


「(店に出勤して…ええと…)」

「(いつものように常連さんを数人相手した後に、新規のお客さんが入って…)」

「(その、新規のお客さんがなかなか飲める人で
つい楽しくなっちゃって
閉店ギリギリまで一緒に飲んで…)」

「…あれ?」


ふと、気付いた。


「…なに、この布団」


あたしの身体を覆っていた掛け布団は、
いつもの掛け布団ではなく、グレーのカバーがかかっていた。


「…えっ?」


よく考えたらベッドもいつもと違う!
いつも寝てるベッドよりも大きい!


「ええっ!?」


よく見渡せばここ、わたしの部屋じゃない!
オシャレな間接証明がぼんやり光ってて、オシャレなソファーがあって、大きなテレビがあって、


「なになにここどこ!?!?」


混乱。
再び記憶を辿る。


「(新規のお客さんとたらふく飲んで…その後…あたし、家に帰ったっけ?)」


…。


「…思い出せない……!」


血の気が引いていくのが分かる。
あたしは今どこにいるの!?
鼓動は早まるのに、脳みそは覚醒する気配がない。


「…銀、」


不意に口から色の名前が出てきたのは、
脳裏によぎった、あのお客さんの髪の毛の色。


「銀、色…」


と、その時だった。




あたしの隣で
なにかが、動いた。


「……ん、」


白色のシーツに同化しそうな、銀色の髪の毛。
もそりとゆっくり動いて、



目が、合った。


「…」

「…」

「…ども」


男の人はそういうと大きな欠伸をひとつして
上半身を起こした。
そして、驚愕。


「…はっ!」


彼は、上半身、裸だった。


「つかよー、起きて早々アレなんだけど」

「なっ…えっ…」

「俺の服、どうしてくれんの?ぐっちゃぐちゃに汚してくれちゃって。俺は便器じゃねーよコンチクショー」


絶句。
何が起こってるのか、さっぱり分からない。

ただ、
とりあえず、


「…きゃあぁぁぁあああぁぁぁ!!!!!!!!!!」




これがふたりのはじまり




叫んどいた。



【お久しぶりです。
なんやかんやで生きてます。
そして続きます_(:9」∠)_】
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