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きっと俺達がお互いを求めあうのは(進撃:リヴァハン♀/微妙に注意!)

初夏の夜の寝苦しさに目を覚ます。
何気なく見た窓の向こうには、おぼろげな輪郭の満月が闇に浮かんでいた。
月の位置からすると、真夜中は過ぎているのだろう。

申し訳程度にかかっている毛布をそっと払いのけ、上体を起こす。
汗ばんでいる身体に不快感を覚え、無意識にチッ と舌打ちが出る。
風呂に行きたいが、隣で寝てる女を起こしてしまいそうなので
我慢することにした。


「…」


隣で仰向けに寝ている女を見遣る。
女はぐーすかと寝息をたてていた。
…よくもまあ、こんな寝苦しい状態で寝れるもんだな
と、心の中で悪態をついた。


無防備な寝顔。
俺だけにしか見せない、表情。
どんな世界を見ているのだろう、
と、ぼんやり考えたその時だった。


「…痛っ」


左肩に鋭い痛みが走る。
目線を肩にやると、うっすらと歯形がついていた。
血も滲んでいる。

コイツか、と思った。

確かに、重なり合っている時にこの女に噛み付かれた記憶がある。
いつもそうだ。
痛いのか気持ちいいのかどっちだか知らんが(聞ける訳がねえし)
全く、可愛げがあるんだかねえんだか分かんねえな。


噛み付かれた仕返しに、薄く開いている唇の中へ、舌を強引にねじ込む。
んぐっ、と息が詰まる音が聞こえた。


「っ!?ん、」


ぎしり、と木製のベッドが軋み、女は目をカッと開いた。
暗闇の中で、確かに目線が合う。
両手で俺の肩を掴み、引きはがそうとするが、そうはいかねえ。
女の手を掴み、自分のと重ね、暴れないように布団に押し付けると、身体が密着した。


「──っ、ふ、」


女の顔が息苦しさで歪む。
唇を離すと、女の口角から唾液が漏れた。


「ぷはー!あービビった!なしたの、急に」


手の甲で唾液を拭い、目を見開いたまま女は言う。


「テメー、俺の肩噛んだろ」

「ん?噛んだっけ」

「…」


覚えてない、と何の悪びれた様子もなく言うので
噛み癖のあるその口を削いでやろうか、と返す。


「リヴァイ、口は削ぐものじゃなくて塞ぐものじゃないかな?」

「…どっちでもいいだろ」


女が着ている白いブラウスのボタンが中途半端に開いているから、
引き裂いてしまいたい衝動がふつふつと沸いて来る。


「しっかし、不思議だよね」

「何がだ」


絡まっていた指が音もなくほどけると、
女の腕が俺の背中に巻き付いた。

さっきよりも密着して、鼓動が重なって。


「生殖のため、あるいは性的欲求を解消するだけの行動に、快楽が発生するのがさ」


女の吐息が耳をくすぐり、身悶えする。
抱きしめられているのに、反射的に突き飛ばしたくなった。


「ね、なんでだろうね」

「知るか」


少しだけ女から離れ、顔を見下ろす。
女はニッコリと笑っていた。


「あのさ、繋がってる時、どんなカンジなの?」

「んなの知ってどうするんだよ」

「そりゃ女にはない感覚だからね、興味はあるさ」


言いながら舌先で俺の左肩を舐める。
チクリとした痛みに、顔をしかめた。


「…目茶苦茶にされてぇのか、お前」

「あ、それ、いいかも」

「おい、」


本気か、と言う前に
女が口を挟んだ。


「あっはは、冗談だよ。リヴァイが本気出したら再起不能になるまで切り刻まれそう」

「分かってんじゃねぇか。大人しくしとけ」


唇を女の肌に落とす。
額から瞼へ、そして唇、首筋、鎖骨。
触れる場所が変わる度に、女の身体が小さく跳ねた。
女の指先は俺の髪の毛を弄ったり、軽く掴んだり、もてあそんでいた。


「…あ、月が、綺麗」


ふと零れる、甘い声。


「満月、だな…」


掠れて、闇に融ける前。
掌で女の顔をそっと撫でて、


「ん…リヴァイ、」


混ざり合う体温。
ふたりきりの呼吸音。


「…何だ、」


尖る感覚器官に、
欲望を乱暴にぶつけて、それから。

女は、泣きそうな風貌で、薄く笑った。


「  。貴方とひとつの個体になれたら、しあわせなのに」



きっと俺達がお互いを求めあうのは、



不完全を完全にするため、
足りない何かを埋めるため、
お互いの存在を認め合うため、
なのかもしれない。

でも。


「…ひとつになっちまったら、つまんねーだろうが」

「、なぜ?」


だって、その世界には
お前がいないし、俺もいない。


そうだろ?




【song by: Mr.Children“掌”

リヴァハンのキス唾に影響されて書き殴りましたありがとうございます(^q^)←
しかし中途半端な終わり方だなあこんちくしょうっ
どうせなら最後までやればいいのに!笑】
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