6/23・司様、拍手コメントよりリクエスト
フレ♀ユリで裏ですので、閲覧にはご注意下さい!










「う…んッ、あっ…!!」

「ん…、凄い、濡れ方、だね…」

「ちょっ……!ダメ、だっ…ぅうんッ!!」

「ダメ…?嘘だろう?…こんな、熱くなってるのに…」


やっと、愛する人と共に旅が出来る。

我慢も限界に来ていた。





オルニオンでフレンが一行の旅の仲間に加わる事となった時、ユーリは複雑な表情を見せた。
嬉しいような困ったような、そんな様子を仲間達は「照れ」だと解釈した。

幾度か一時的に共闘した事もある。想いがすれ違い、対立した事もあった。
だがユーリにとってフレンがかけがえのない友人であるのは分かっていたから、皮肉屋で素直でない彼のために、暫くは親友と二人、水入らずで語る事の出来る場所をプレゼントする事にした。

分かり易く言えば、宿の部屋も野営の夜の見張りも、ユーリとフレンを常にセットにしてあげよう、というものだった。
ユーリはこれに激しく反対し、特に見張りは別にしないと戦力差がどうとか尤もらしい事を言ったのだが、仲間達とて大層な実力者揃いだ。
その上、フレンは仲間達の「好意」を彼にしては珍しく、驚くほど素直に受け取ったため、早速二人で見張りにつく事になってしまったのだった。





「あ……ン、やあッッ…!!」

フレンは樹木を背にして座り、ユーリを背後から抱きかかえている。
はだけさせた上着が腕に絡まって上手く動けずに身を捩るユーリの下半身に手を差し入れ、胸を激しく揉みしだくと、喉を反らしてユーリが声を上げる。

闇夜に浮かび上がる、白い肌。その円やかな輪郭と括れた細腰、二つの豊かな膨らみ。

それは紛れも無く、女性の身体であった。


「っちょ……ッ、あ、あァ…ッッ、く…ぅ、やめ…っ、てっっ!!」

「…止める…?無理に決まってるだろ?よく…今まで無事で…」

「フレ…んンっ!!」

ユーリの顎を掴んで後ろ向かせ、唇を合わせる。
塞ぎきれない口端から溢れた唾液が流れ、離れる時には糸を引いた。



皆の前でのユーリの姿は偽りだった。では何を偽っていたのか。
言うまでもない、性別だ。
幼い頃から男勝りであったユーリは、その奔放で明け透けな振る舞いを不安に思うフレンから、女性である事を隠すよう言われていた。元より、女性らしくしろと言われるのが不満であり、外ならぬ恋人の頼みでもある。男として生活する事に異論はなかった。
旅の最中には面倒と不便も多かったが、幸いにして今に至るまで、仲間に秘密がばれた様子はない。

唯一、フレンだけが真実を知っている。
そのフレンは漸く触れる事が出来た愛しい人を前に、自らを抑えることなど不可能だった。
仲間に見られたらどうするのか、と抵抗するユーリを掻き抱き、激しく愛撫を続けるうち、快楽に支配され始めたユーリの反応に変化が現れていた。
フレンの胸に身体を預け、翻弄され、素直に嬌声を上げる。慌てて口を押さえて耐える様子がまた、堪らなく煽情的だ。
ズボンを脱がし、充分すぎるほどに潤った秘所を曝け出す。柔らかな双丘を持ち上げて、既にはち切れんばかりに天を衝いていた誇張を押し当てると、ユーリの身体が僅かに震えた。


それはこれから与えられるであろう、更なる快楽への期待か。

それとも抗えず乱れてしまう事への恐怖か。

ほんの僅かな逡巡の後、フレンはユーリの熱く蠢く内側へと、自分自身を全て埋め込んだ。

大きく反らされた背中に口づけ、腰を押さえ付けて突き上げると、堪らずユーリが声を上げる。その口中に指を差し入れると、苦しげな吐息と舌の絡み合う淫らで粘着質な水音が、二人の繋がる部分から溢れ出す卑猥な音とシンクロした。

鼻に掛かる、切迫感のある小さな喘ぎ声と、恐らくは無意識なのだろう、より深い場所へと誘うように揺らめく腰に、高められた性感が吐き出し口を求めて激しい衝動となり、目眩がする。


「ユー、リ…っ!!も、出る……ッ!!」

「ぅンっ、む……ッふぁ、やっっ、ちょっ…!!ッあア!ダメだっ…て、ば……ッッ!!」

ユーリの口から指を引き抜き、両手でしっかりと腰を抱えて何度も打ち付ける。

「あぁッッ、アんッ!!あ、あッ!やァ……ッああぁぁ!!!」


絶頂の瞬間にユーリが腰を引こうとするのを許さず、腕を回してきつく抱き締め、奥深い場所へと精を放つと、二人は縺れ合うようにその場へと倒れ込み、暫く動く事もできなかった。












「あの……、ユーリの事なんですけど」

ある晩のことである。
宿で遅めの食事を済ませた一行は神妙な面持ちで、女性陣の部屋に集まっていた。
ユーリはこの場にいない。食事を終えると早々に、フレンが部屋へと連れて行ってしまったからだ。勿論、フレンもこの場にはいない。

「あたしも気になってたわ。なんかあいつ、様子が変だったわね」

エステルの言葉を受けて、リタが同意する。

「なんかさ、疲れてるっぽくない?ボクの気のせい、じゃ…ないよね」

「はい、わたしもそう思ったので、みんなにお話を聞こうと…」


ここ何日か、ユーリは酷く疲れているようだった。普段はあまり態度に出さないが、夜になると物憂げに息を吐いたりしている。

「…フレンちゃんと何かあったんかねえ」

「何か知っているの?おじさま」

「いやね、宿で隣の部屋になった時に、たまに怒鳴り声みたいなのが聞こえるのよ」

「ええっ!?それってまさか…ケンカしてるん、です?」

レイヴンが肩を竦める。

「そりゃわかんないけど」

「あ、でもボクも聞いたことある、かも…。なんか、壁にぶつかるような音がしたこともあったよ」

「…どういうことなのかしら」

「確かめたほうがいいんじゃない?」

皆の視線がリタへと向けられる。

「あたしらは良かれと思ってやってたけど、あいつ…ユーリにとってはそうでもなかったのかも知れないわ」

「そうなのかのう…。フレンは嬉しそうじゃったが」

「でもユーリとフレンは大切なお友達同士ですよ?やっぱり、ケンカなんて…」

「しょっ中してるわよね」

「じゃの」

「…そ、そう…で、しょうか」

「そうね。それに、私達がいれば誰かが止めるかもしれないけれど、二人きりではエスカレートしてしまうのかもね。原因は些細な事なのでしょうけど」

重苦しい空気が流れる。
その流れを断ち切るようにして立ち上がったのはエステルだった。

「…リタの言う通り、確かめたほうがいいと思います」

「でもさー嬢ちゃん、二人共いい大人なんだし、あんまり口挟まないほうがいいかもよ?」

「もしケンカをしているなら、一時的に別々のお部屋にするとかでもいいと思うんです」

「そうだね…。ボクらに気を使って、言えないのかもしれないし」

「お友達のほうはそうでもなさそうだから、やはりユーリが何か言われたりしているのかしらね」

「…ここでごちゃごちゃと話してても仕方ないわ。確かめに行くならとっとと行くわよ!いつまでもあんな顔されてちゃ、鬱陶しくて敵わないのよ」

「うむ。うちもリタ姐の意見に賛成じゃ!」

「しゃあないねえ…。んじゃちょっと、様子見に行くとしますか」


一同は席を立ち、二人の部屋へと向かうことにしたのだった。










扉の前へとやって来た一同は、すぐに異変に気付いた。
部屋の中が何やら騒がしい。


『…………が、……!』

『もう………て、言……!!』


「…なんか…やっぱりケンカみたいだよ!?」

「うーん、よく聞こえっ、どわ!?」

何かが扉の内側にぶつかるような音がして、慌ててレイヴンが後ろへ飛び退く。

「…どうしたのかしら」

「何か投げたりしとるのかの…」

「ど、どうしましょう?ケンカならやっぱり、止めたほうが」

その時、部屋の中から聞こえる声が大きくなった。やはり、何事か言い争っているのは確かなようだ。


『いい加減にしろってんだよ!!』

『どうして…僕はユーリが』

『うるせえ!……っ、離せって言ってんだろ…!!』

取っ組み合いの喧嘩でもしているのだろうか。
ユーリの必死な様子が伝わると同時に、何かが派手に倒れる音がした。


「…どうするの?今すぐ扉を開けて踏み込むのかしら?」

「で、でも…!」


『嫌だって……!!離せ!!……っあァッッ!!』


ユーリの悲鳴らしき声に、一同の間に緊張が走る。

「ちょっ…何よ今の!?」

「ま、まさか殴られ…」

「あ、開けますよ?ユーリ!?ユーリ、大丈夫……」

エステルが扉に手をかけた瞬間、ユーリの叫び声が響き渡った。




「いい加減にしやがれ!!ガキが出来たらどうすんだっつってんだよ!!!」




同時に部屋へ踏み込んだ一同が、ユーリの姿を捉えた。と、ある部分に視線が集中する。

ベッドの上、フレンに腰を掴まれ、逃れようとして入口を向いたまま固まっているその姿は、しかし何かが違っている。

完全にはだけられた上着の合わせから覗く、女性の象徴。ズボンを穿いていない下着姿だが、男性ならそこにあるべき膨らみは全くない。


「え……あ、あれ……?…ユーリ、です……?」

「…今…ガキがどうの、って…」


「おま…なん、で……!!?」



フレンが慌ててユーリをシーツで覆い隠すが、時既に遅し。


ジュディスを除くメンバーと、ユーリの悲鳴が真夜中の宿中に響き渡った。












ユーリの事情と二人の関係を説明された一同によって、二人はさんざん責められることとなった。
人騒がせにも程がある、と言われ、反論の余地もない。

ただ、女性陣の怒りの矛先は主にフレンへと向けられた。
『危険日』であるにも関わらず、毎晩身体を求められて困っていた、と馬鹿正直にもユーリが暴露したからだ。おかげでフレンは正座をさせられ、いつ終わるとも知れぬ嫌味と皮肉に耐えなければならなかった。

レイヴンとカロルは途中で部屋を出てしまった。同じ男として、聞くに耐えない何かがあったのかもしれない。

漸く解放された時には既に明け方近くで、とりあえず今日のところはこの部屋割のまま、ということで女性陣が部屋を出て行った後、二人は揃ってぐったりとベッドに倒れ込んだのだった。




「これから先、部屋は別々にされてしまうな…」

「おまえのせいだろ!?だから嫌だって言ったのに…!」

「……どうやって二人きりの時間を作ればいいのかな…」


相も変わらずな心配をするフレンの頭を軽く叩いて、ユーリはそのままベッドに潜り込んだ。すぐに後ろから腕を回してフレンが抱き締めてくるが、さすがにそれ以上は何もしようとはしなかった。


「…自業自得だろ」



そんなあ、という情けない声を背中に受けながら、今後のことを色々と考えて憂鬱になるユーリだった。




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終わり
▼追記