「ねえ、シャロン。聞いて聞いて!」
ユリとルキアがとても楽しそうに話しかけてきた。
「一体どうしましたの?ニヤニヤして?」
すると、しゃべることを我慢していたのか、二人は一気にまくしたててくる。
「実はね、このあいだの休みにリディア先生に教えてもらった穴場の温泉に行ったんだ♪」
「もうとってもいいとこなんだよ。景色はいいし、空はきれいだったし♪」
かなりの穴場だったのだろう、二人の興奮が収まる様子がない。
「面白そうですわね」
すると、ルキアがシャロンの手を握ってくる。
「でしょう!?今度、一緒に行ってみようよ!」
…そして迎えた当日のこと。
「本当にいいところですわね」
ほうきで飛んで行った岩山の中腹に、手頃な大きさの温泉が湧いていた。
「そうでしょ、そうでしょ♪見晴らしもいいし、最高だよ!」
ルキアはそれはもうご機嫌である。
「早速入ってもいいよね!?」
持ってきたシートの上に服を脱ぎすて、ユリは温泉に飛び込んだ。
「………ちょっと!男性がいらしたらどうしますの?」
シャロンの心配をよそにルキアも温泉につかり始めていく。
「大丈夫だよ。先生達が男性用のトラップをふんだんに仕掛けてあるから」
ルキアの言葉を信じて、シャロンも服を脱ぎ始める。
「なら、いいのですけれど…」
一応、警戒はしながらもゆっくりと温泉につかっていった。
「いい湯だね〜」
「まったくですわ」
「んー、天国だよ」
のほほんと景色を眺めつつ、三人は日々の疲れを癒していく。ルキアはふと上に束ねたシャロンの髪をじっと見つめていた。
「それにしても、シャロンって髪キレイだよね」
そう言うと、ルキアはシャロンの髪をいじりだしていく。
「べ、別にそんなたいそうなものではありませんわ」
シャロンは謙遜するが、今度はユリがシャロンの髪をさわってきた。
「えー、そんなことないよ。あたしもシャロンの髪キレイだと思うよ」
二人の少女から髪をいじられながら、シャロンは顔が赤くなるのを自覚した。
「あれ、シャロン?顔が赤いよ。大丈夫?」
ルキアは心配そうにシャロンの顔を覗き込む。
「き、きっとのぼせたのですわ。今日はこのくらいにしません?」
シャロンのごまかしに納得したのか、ユリが温泉からあがっていった。
「そうだね、疲れも取れたしそろそろ帰ろっか?」
そして、着替えた三人はほうきに乗って帰っていく。
「楽しかったね」
「そうですわね」
「また来ようね」
三人は笑顔で向かい合い、次に来ることを楽しみにしながら帰路についていた。
百合姫を読んでたら、温泉ネタが書きたくなりました
それで気がついたんですけど、温泉ネタって文章だけならいろいろと書けるわけで(マテ
そして、温泉ネタといえば、髪とうなじが萌えポイントだと主張したいわけですが(オイ
髪とうなじということで、本当はマラ様も入れたかったんですけど、そうしたら小ネタでは収まらなさそうで(汗)
結構難しいなと