ろくごまるに御大の作品再読中です。

封仙娘娘降臨。


前巻ラストから数刻後?の時系列です。梨乱と夜主が合流してから豹絶らの村に戻って、それからのお話。


動き始めた鏡閃の復讐劇。和穂は鏡閃に体を乗っ取られてしまいます。
龍華は仙界からの勅命を受け、邪仙と化した和穂の討伐任務に赴きます。
かくて始まる、師弟対決。
仙術と仙術が乱れ飛び交い、多くの命が消え、人間界は「想定された最悪の事態よりも更に最悪の事態」に陥って行きます。


…どう終わるのこれ。
というのが、最初に読んだ時の感想でした。
しかしタイトルに「大団円」って書いてあるのですから、不安はありませんでした。下巻もすぐ(一年以内)に出ましたしねー。

数年ぶりに改めて読み返してみると、相変わらず密度が凄いと言いますか、風呂敷を畳む局面のはずなのに謎が解決するどころか増えていっているのですから凄まじいです。

この後に及んで静嵐刀に謎のフラグとか立てないと思うんですよ、個人的には。
あと、流麗さんの台詞から、どうやら彼は四本刀の中で最後に作成されたらしいことが判明しましたね。

序盤〜中盤は豹絶の村の集会所でああでもないこうでもないと話し合っているだけで、中盤は鏡閃過去編で、終盤は師弟対決で、考えてみれば主人公組の出番が少ないですね。殷雷なんて今回、台詞もなかった(状況的に当たり前)ですよ。


龍華に勅命を下しに来た有巣様がなんだかツボりました。この人言動は凄く悪役っぽいのに、外見が五歳児ってギャップがいいですね。今気付いたのですが「ゆうそう」って「ありす」とも読めますねー、だからなんだって話ですけれども。

燕寿や孫歳が登場したり、流麗が護玄に悪態を吐いたりと、奮闘編五巻を先に読んでいるとニヤリとするかもしれません。
しかし童子時代の燕寿に何か感じると思ったらあれです、『桐咲キセキのキセキ』の藤堂夢月に似ているんです。刊行順はこっちが先なので、本当は逆なのですが。
観測局の描写は、それだけで小説一本読みたかったです。アイデアの消費が早くて贅沢で、ちょっとだけもったいないと思います。