「なな、なんで!?」
「だってずっと変だったじゃない」
「ち、ちがっ」
「女の子たちだけで、お昼に集まったことあったじゃない? あのときも、結局、ファイン、ごまかしてたけど……」
「ごまかしてなんか」
「こめん。言い方が悪かったわ。でも、聞かれたくないんだろうなって思って、みんなでやめたけど、あの頃、ファイン、いっつもため息ついたり、困ったように眉をしかめてた。でも、シェイドの姿がみえると、とたんに無理して明るくなるから、なんか変だなって思ってたの」
「そんなだった?」
「うん。そしたら、なんだかシェイドの方も心配になってきたのか、このあいだ彼の方からファインのこと心配して私に聞きにきたのよ」
「……そんなことあったの?」
「ええ。でも、ちょっと待っててあげてっていったの。きっとファインは、あせらないでゆっくり自分の考えをまとめたら、なにか行動しだすと思ったから」

知らないところで、いろんな人に、いろんなことを思われていたんだな、とファインは感じた。

「ありがとう」
「ううん。私はファインならきっと大丈夫って、そう思い込んでいるからだけどね」

レインはニッコリと笑い、それから付け加えるようにいった。

「でも、本当に困ったときは、ちゃんと相談してね。一人で抱え込んじゃダメよ」
「うん、わかった」
「約束ね!」

レインは微笑むと、今度は少しからかうような瞳になる。