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(まさか……あの花の光を食べたからか?)
シェイドの胸にとめられない不安がよぎった。
自分が気づかなかっただけなのか?
ほかのプリンセス達が心配して席を外す程の異変が彼女に起きているというのか?
「……ごめん、オレ、ちょっと」
シェイドがふいに立ち上がった。
「どうしたの?」
ブライトが驚いて彼をみる。
だが、相手の表情は硬い。
「ファイン達はどこにいったか知っているか?」
シェイドの言葉に、ブライトとアウラーが目を合わせた。
「中庭にいくっていってたよ、確か。ソフィーがあそこならベンチがあってお昼もできるからって」
アウラーがこたえると、シェイドは「ありがとう」といって、食べ終わった自分のトレイを手で持つと席を離れようとする。
ところが、歩きだした瞬間、
「わあっ」
という声が聞こえて、足もとで誰かとぶつかった感じがした。
あわてて下をみると、そこにはミネラルウォーターのおかわりをして帰ってきたソロが、コップから水を床にこぼして彼自身もコロンと転がっている。
「すまない……!」
シェイドは素早くトレイをテーブルに戻すと、ソロを両手でもって抱き起こした。
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ソロくんがいないことに、あとから気づいて急遽登場してもらいました。
「どうしたの? シェイド」
いつも表情にそれほど変化のない彼が、明らかに不安な瞳をしたからだろう。
ブライトが心配そうに声をかけた。
「いや……でもアイツ、授業中もいつもと変わらない感じだったけど……」
シェイドの脳裏には、朝からのファインの姿が次々現れる。
いつも通り、クラスメイトと楽しそうにしていたし、授業もちゃんと聞いていたし、自分にも……目が合うと微笑んでいてくれた。
なにひとつ、変化なんか気づかなかったのに……。
「気になる?」
スッと顔を寄せてきたアウラーにシェイドはビクリとする。
「なにが?」
とっさにそうこたえたが、動揺は伝わったようだ。
すると、ほかの男子3人は顔を見合わせてからおもむろにうなづいた。
そしてブライトがシェイドの目をみる。
「この頃、ファインの様子がどうも心配だっていって、今日、プリンセス達だけで相談会をするんだって、アルテッサがいってたんだ」
「ファイン?」
シェイドの顔色が変わった。
「いや、べつに…」
そういいながらシェイドの目が泳ぐ。
けれどそんな彼をみてブライトがクスリと笑った。
「もしかして、プリンセス達がいつもの席にいないこと?」
ブライト達のテーブルのすぐ隣のテーブル、いつもならおなじみのプリンセス達でにぎわう場所が、今日は空っぽなのだ。
「そうだね…」
ブライトが手にしていたティーカップを置いてシェイドの方をみた。
「なにか心配ごと?」