「でも不思議よねー。ファインはブライト様とは気軽におしゃべりできるのに、シェイドの方が意識しちゃうなんて。私はシェイドの方が、自分のいいたいことをいいやすいのに」
「そういえば、そうだね。レインってよくシェイドとしゃべってるよね」

口喧嘩みたいなこともしてるけど、とファインは心の中で付け加える。

「だって、シェイドってなにいっても、あんまり動じないでしょ? だからいいやすいのよ。嫌だったら、あの人ちっとも動かないし。こっちの意見がいいなって思ったら、素直に賛成してくれるし。わかりやすいのよね」
「そうなんだ。私、シェイドはこんなふうに感じてるんじゃないかなってことはわかるんだけど、どんなふうに考えてるのかってことは、あんまりわからないんだ」

そういうと、ファインはレインが自分のことを微笑んでいるのを感じた。

「どうしたの、レイン?」

すると、ますますレインが笑みを深くする。

「ねえ、どうしたの?」

ファインが困って声をだすと、レインがこたえた。

「ううん、ただシェイドの顔を思い出したの。あの人もよく、そんな顔をしてるから。ファインの考えていることはよくわからないっていいながら、あなたのことみてるから」
「シェイドが…?」
「ええ。そうして、困ったような顔をしながらも、結局、追いかけて行くんだか、不思議よね」