シダ植物のアーチを抜けると、そこには真っ白いテーブルと、その上に並べられた数々のごちそうが姿を現した。
当然、ミルキーとファインの瞳がダイヤモンドのように輝きだす。
「まあ、すばらしいですね」
キャメロットも思わず声を漏らした。
レインは、スイーツコーナーに置かれた色とりどりのフルーツが詰まったゼリーが、まるで宝石箱のように見えてうっとりとする。
「なかなか腕のいいシェフがそろってますわよね」
アルテッサはあらためて並んだ料理を吟味するように眺めた。でも、宝石の国の正統的な料理に比べると、少し独特かしら。これはこれで面白いですけど、と心の中でつぶやきながら。
そのとき、後ろの方から明るい少年の声が飛んできた。
「アルテッサ! おひさまの国の皆様がご到着したんだね?」
豊かな金髪を揺らしてアルテッサが振り返る。
ファイン、レインも声の方を見た。
そこに立っていたのは、綺麗な緑の髪をフサフサとさせた、かざぐるまの国のプリンス・アウラーが立っていた。
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会社行ってきます(汗)
おはようございます。停滞しててすみません(><) 出社前にほんの少しだけ更新(汗)
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「行っちゃったね…」
「ええ…」
二人のプリンスの背中を見送りながら、ファインとレインはつぶやく。プーモはなんとも言えず黙りこくっていた。
と、突然、後ろからキャメロットが悲鳴に近い声をあげる。
「あああああ、もおおおお!! なんということでしょう、まさか、まさかのルルがプリンス様方にご迷惑をおかけしてしまうだなんて!! ああ、付き人としての立場がありません。おお、このことをどうおひさまの国の国王と王妃にご報告したらよいのやら…!」
白いレースのついたハンカチを取り出して、キャメロットは涙まで拭き始めた。
「……べつに、お兄様のことなら気にしなくてもよくってよ」
そんなキャメロットを横目でみながら口を開いたのはアルテッサだった。
「うう…い、いま、なんと?」
キャメロットがハンカチを顔から取り外す。
「だから…こんなことしょっちゅうですから。私のお兄様があまりにも素敵なものだから、あっちでもこっちでも女の方が倒れるのよ。私達の城のメイドだってそうですの。その上、お兄様はとっても優しいから、人のことを放っておけなくて、毎回、ああやって介抱しているんですわ。……私としては、優しすぎるところがとても心配なんですけど、お兄様が大丈夫とおっしゃるから目をつぶっておりますの」
「では…つまり?」
「おひさまの国に報告なんてしなくてよろしいってことですわ」
パサリと金色の髪を振ってアルテッサが答えた。
それから、スッと彼女が歩き始める。
「お兄様からご案内を頼まれましたから。私たちがおりましたテーブルの方へ参りましょう。ねえ、ミルキー、行きましょう」
「ぱあぷ」
ミルキーもアルテッサの横について、おいでおいでと手を振る。
ファイン、レイン、キャメロット、そしてプーもはそれについて歩きだした。