「それでファイン様」

ファインが紅茶を吹いて冷ましながら飲んでいると、キャメロットが静かに言った。

「話してくださるんですね、昨日、起こったことを」

ゴクン

思わず熱いままの紅茶を飲み込んでしまった。喉の奥に熱さが降りてゆくのがわかる。

ファインは縮こまってそれに耐えると、キャメロットの方をみた。

すると、老世話係長の眼鏡越しの目は、小さいが意外なほど強く、じっとこちらの言葉を待っている。