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ベルマーク13

ファインが教室から出る時に手を振りあったレインは、自分も掃除道具入れから離れると教室の中を見渡した。

机に集まってビーズ作りをする子たち、おしゃべりを続ける子たち、夢中でマンガを描きだす子もいた。

レインは昨日の続きでビーズ作りに加わるはずだが、その前に後ろのロッカーにあるベルマーク箱をまたのぞいてみた。

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ベルマーク 12

「あ、待ってー」

のんびりと掃除道具を片付けていたファインがシェイドの方に行く。

教室の掃除が終わり、これから昼休み。
いつの間にかバスケットに夢中になっていたシェイドは、最近では掃除も手際よく済ませてファインを誘いだすほどだ。

2人が連れだってドアから姿を消すと、教室には、今日、室内遊びを選んだ子だけが残る。

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ベルマーク 11

そうして、レインは小箱にベルマークをいれる。

ふたごが自分たちの席に着くと、ほかの生徒もチラホラと箱のところに行っては何枚か入れていった。

そうして昼休み。

「ファイン、行くぞー」

教室の後ろのドアからシェイドの声が響く。彼は使い込んだクラスのバスケットボールを器用に指先の上で回転させながら、赤い髪の少女に呼びかけた。

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ベルマーク10

翌日の朝。

レインとファインは爽やかな笑顔で教室のドアを開けると、すでに来ていたアウラーのところへ近づく。

「アウラー、ベルマーク持ってきたの」
「ありがとう。そうしたらベルマーク箱に入れておいて」

ベルマーク箱とは、アウラーとアルテッサが作ったもので、教室の一番後ろのロッカーの上に置いてある。
図工の得意な彼がほとんど作ったのだが、アルテッサはそこに宝石の国のプリンセスらしく、煌びやかな宝石をちりばめたので、にわかに素晴らしい小箱に変身してしまったものだ。

なかに詰め込んであるのが、アクセサリーではなく、様々な形に切りとられたベルマークというのがなんだか面白い様子をしている。

レインとファインはロッカーまでいくと、ファインが箱を開け、レインが大事そうにスカートのポケットから昨日見つけたベルマークを取り出した。

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ベルマーク9

「あ、ベルマーク」

レインが新しいエンピツの詰まった箱を見て言った。

「ホントだ、やったね」

ファインがレインの手元をのぞき込む。

ここはおひさまの国のお城の二人の部屋。
レインは自分の机の引き出しからハサミを取りだすと、ベルマークを丁寧に切り抜き始めた。

「いま、何点くらい集まったのかな」

ファインがハサミの動きを目で追いながら楽しげにつぶやく。

「そうね、明日またアルテッサとアウラーに聞いてみましょう」

レインが大事そうにベルマークをペンケースに入れると、二人は顔を見合わせて微笑んだ。



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