しばらく中庭を歩き、彼はふり返ってみた。

そこには、木々の闇に沈んで、屋根ばかりが月に明るく照らされた学園の男子寮と女子寮がみえた。

それはあまりにひっそりとしていて、人の気配がない。

みんな行儀よく、規律を守って眠りについているのだろう。