宵闇に木々の薫りが漂っている。

シェイドは誰もいない中庭を歩いていた。

校則で、この時間の外出は許されていない。

けれど、いまはどうしても外にでたかった。

かつてのエクリプスのように、窓から屋根をつたって中庭に降り立った。