自信がなくて、コンプレックスだらけで、怖くて不安で。
自信があるように振る舞っているのは本当は欠片も持ち合わせていないから。
愛想を振る舞って人に好かれようとするのは、自信のない自分を必要としてくれる誰かが欲しくて、愛されたくて愛されたくて仕方なかったから。
気付いていたけど気付かない振りをしてた。それが相手のプライドを傷付けない方法だと思った。
彼にとって、自信の欠片もない自分を見抜かれるのは、堪え難いことだと思っていたから。
本音を口にするのはどんなに辛くて苦しかったんだろう。
今まで一人で背負い込んできたものはどんなに重かったんだろう。
どうして誰も気付かなかったの?気付いていたとしても、触れようとはしなかったの?
求めるばかりで、支えてもらうばかりで、彼が抱えていた荷物を半分でも持とうとしなかった。そのことに憤りを感じてしまうし、ぶっ叩きたくなる。
あの人は完璧なんかじゃない。
むしろ、欠陥だらけの人間、だからこそ誰かが手を差し延べる必要があったのに。
人間として、すごく醜い感情を吐き出してくれた。本人が一番辛くて苦しかったはず。
でもその言葉は、ずっと外に出たくて仕方なかったの。見つけて欲しかったの。
それを私が見つけた。奇跡的なこと、すごいこと。
気付いてくれてありがとうと言われた時、この人は待っていたんだと思った。ずっと嘘をつかせていて、ごめんね。
大事にしたくて頭を撫でたくて、褒めてあげたかった。
恋愛感情で私のことを惜しいと思ってくれていたんだとしたら、手放したくないと思ってくれていたんだとしたら、それは本当に嬉しいこと。
頭で考えて人を好きになることはできない。
一番人間らしい部分で私の隣にいてくれたんだと思うと、それは誇らしいこと。
あの人に好きになってもらえたことが嬉しくて仕方ない。
もし隣にいられなくなったとして、それでも構わないと思う。恋愛感情だけが全てではないし、だから涙も出ない。
好きってだけじゃ叶わないことがあるのは分かってた。
今の私には自信も保証も何一つない。それで不安になってることも、分かっていたのに何も言えなかった。
支えたいと思える。例えば、彼氏じゃなくなっても、どうしようもなくなったら吐き出して欲しいって思う。
人間として惚れ込んでしまったんだろうなぁ。
私が掬いあげることができたらどんなにいいだろうって思うけど、簡単なことじゃないしね。
力もお金も、私には足りない部分がありすぎる。
ただ、ほんのちょっとでもプラスの力を分けてあげたかった。前向きに考えられる力を。
もっと、私みたいに、自分勝手に生きていいのにな。
いっぱい、幸せにしてもらったなぁ。何を聞いても、嫌いにはなれないし、でも縋ることもしない。あの人の『今』にいられて本当に良かった。
ひとつのごめんなさいと、
沢山のありがとうを。