「くくく…、やっと出て行ったな、あのカス。」

「っ、ざけんなてめぇ!」

スクアーロが出て行ったとたん、今まで抑えていた怒りが爆発した。

「や、やめろって言ったじゃねぇか…!!」

「あぁ、言ってたな。途中までよく我慢してたと思うぞ……声、」

「〜〜っ!!」

からかうような口振りに、獄寺の怒りはますますヒートアップする。

「でも、善かっただろ?」

「だっ、誰が……!!」

「ふっ、……震えるほど感じてた癖にか?」

「っ!!!」

「服脱ぐ前でよかったなぁ。」

コイツには悪いと思う心はないのか…!?

あっけらかんと言い放つザンザスに獄寺の怒りも収まらない。

スクアーロは自分たちが何をしていたか、明らかに気が付いていた。
(次からどんな顔して会えばいいんだ…!!)


突きつけられた現実に、あまりのショックに言い返す気力すら奪われる。

そんな獄寺は、怒りと恥辱で顔は真っ赤、いまだに冷めぬ快楽に目には涙が溜まったままだ。


(なんでコイツ、こんな可愛いんだろうなぁ。)

もともと、可愛い系より綺麗系の方が好みで、ましてや男なんて興味の欠片もなかったのに。
全く、俺様の好みをどれだけ変えれば気が済むんだコイツは…。

「スクアーロに知られるなんて…いや、現場を見られるなんて…10代目になん…うー…」

「おら、ぶつぶつ言ってねぇで再開するぞ。」


その言葉と、ニヤリと笑った男にマズイと防衛本能が働くが、時既に遅し。

「あっ、ちょっ、やめ…!!」

もとよりザンザスの手は獄寺の男のシンボルを握ったままの状態だったので、止めようにも間に合わない。


「あ〜?何言ってんだ。さっきからガチガチに勃たせてるくせに。」

誰のせいだ!と叫んでやりたいが、そんなことしてもきっと無意味…いや、自分にいろいろ返ってくる。

必死に身体を押し返そうとするものの、快楽で力の入らない体では、ザンザスの力には敵わない。


「ひ、ぃ…っあ!」

「それに、アイツが居た方が感じてたじゃねーか。」

グチグチと先端から溢れ出る蜜を全体に塗りつけて、荒々しく扱かれる。

「ぅあっ、ザンザ…あああっ!!」

蜜の溢れ出る先端に爪を突き刺し、グチグチ水尾と鳴らしながらせば、甘く甲高い声が上がる。

「やっ、やぁぁっ!…っは、んあぁっ、」

痛いほどの快感に、ザンザスの手を掴んで止めようとするが、
力の入らなくなってしまった手では、ザンザスの逞しい腕に添えられるだけで用途をなさない。
飲み込めなかった唾液が口の端からだらしなく垂れているが、それを拭うこともできなあいまま、ザンザスの良い様に嬲られる。

「あっ、あぁぁ…!」

「はっ、お前先端弄られるの好きだよな。」

「だ、まれ…っ!あぁっ、ザンザス!!」

「っ、……なんだ。」

熱に浮かれ、自分の唾液で汚した顔を向けられれば、普段他人には無関心を突き通しているザンザスでも、息を飲むほどの色気が漏れている。


「あっ、あっ、もう…!!」

「…一回、先に出すか?」

「っ、いい、一緒に…!!」

「ふっ、…我慢できない癖によく言うぜ……、」

「えっ!あっ、ちょ、やぁぁっ!!」

突如強く扱かれ、気を抜いていたせいか一気に高みに連れて行かれてしまう。

「やめっ、ああっ、…ふああぁっ!!な、んで…!!」

「慣らさねぇと出来ねぇし、その間にどうせ出しちまうだろ。……ほら、出せよ。」

「あっ、だめ…!!い、くぅ…あああっ!!」


激しく扱きながら、親指の爪で獄寺自身の先端を抉れば呆気なく達し、
吐き出したものはザンザスの手に受け止められる。

「ぁ、…はっ、はぁっ…」

「…濃いな。溜まってたのか?」

「だ、まれ……」


獄寺の減らず口も、今この状況では大した威力もない。


「おい、今からが本番なんだ。へばるなよ。」


力の入らない獄寺を持ち上げると、スラックスと下着を股辺りまで下げ、
先ほど受け止めた白濁を指に塗りつけ、獄寺の後方へと指を進めた。







***************



「あぁっ、うあっ…ゃ、ああぁ!」

「くっ、相変わらず…良いモン持ってるなぁ。」


ザンザスによって入念に解された後部は、何の抵抗もなくザンザスの契りを受け入れ、
その男しか知らない獄寺のナカは、ザンザスのモノの形に合うよう吸縮する。


「あ、ああっ、…はっ、あぁぁ!」

「は、お前っ、最高だぜ…」

「ぅあっ!ひ、ぃああっ…!」

獄寺の腰を掴み上下させながら、
タイミング良く下から突き上げる。

ナカの一番深いところに届くよう、内壁に擦り付ければ跳ねるように飛び上がる体と、高く上がる声。


「ぅあああっ!は、げし…っああぁ!!」

「くっ、」

そして、その度に搾り取るよう吸い付いてくる獄寺のナカ。


「あっあっ、だめっ…!また、ぁあっ!」

「はっ、はぁ、…何回でもイケよ。」

その言葉をきっかけに、後ろだけに集中していた愛撫を、獄寺の前にも与えてやる。

「あっ、んぁぁっ!」

「はっ、はぁっ……服が邪魔だな、」


思ったことを口にすれば、驚いたように見開く獄寺の目とかち合った。


その様子に、コイツも同じこと思ってたのか。と、普段の意地悪い笑みではなく、普段見せないような笑みを作れば、


「え、なっ、おまっ…!?っぁぁあっ!」

「っ!!!……くっ、」

思い切り締めつけられた。
あまりに急な出来事に危なく出してしまうところだった。
奥歯を噛み締めてその快楽をやり過ごす。

……どうやら獄寺自身も無意識に締め付けたのだろう。自分でやっておきながら、ナカにある俺自身をリアルに感じてしまい、自分で自分を追いつめている。


「…はっ、獄寺てめぇやってくれるじゃねーか。」

「い、いや…今のは無意識……」

「終わったら服脱いでもう一回やるぞ。」

「え、ちょ…もう無理だって…!
あっあぁんっ、ザンザス…!!」


無理だと言いながら快楽に溺れていく瞳を見て、


また俺は満足げに微笑んだ。















お前はよく、
どうしてだとか、何故だとか、
俺たちの関係に理由を欲しがるけれど、


そんなの答えは決まってる。



(俺がお前を気に入って、お前がそれを受け入れた。)

ただ、それだけ―――――。



*強くも脆い、繋ぐ糸*
(俺がお前のボスを殺さないのは、
今のお前との関係を壊さない為だと知ったら、お前はどうするんだろうな…?)





end