スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

その男真性につき

※アラGスペな気持ちで見ていただけると有難いですが、先に注意しておきます。
Gがガチホモです。もう一度いいますがGがガチホモです。
この時点でダメだと思われた方は、このまま静かになにもなかったかのように戻ってください。

※降ろしてましたが再掲しました








豊かな胸より、硬く平らな胸筋。
小柄で柔らかな肉体より、大柄な身長に引き締まった筋肉。
女の香水より、男の汗の匂い。
甘い誘惑より、獣のような欲望。



「――――え、G、ちょっと待ってください、すみません、………一体なんの話ですか?」
「あ?お前が俺の好み聞いてきたんだろ?」
「いや、そうですけど……」
「何だよ。ここまで言やぁわかんだろ。」


 


ここまで言えば…って、いや何が言いたいのかは分かりましたよ。
正直、分かりたくなかったですけど。


 


っでもでも、
「いや、ちょっと待ってください!街に行くと、いろんな女性から声を掛けられ、愛想良く笑ってお茶したり、恭しく手を戸ってエスコートしてるアナタはどこへ!!?」
「はっ、あれは仕事用のオレだ。」
「で、では部屋に連れ込んだ相手とかはどうしてるんです!?夜に何度か現場に居合わせてますけど!」


 


そうだ、アジトの廊下を歩いているとき、Gと腕に絡みつく女が共に自室に入っていくのを何度も目撃している。しかも不特定多数の女と。


 


「酒に酔わせてるか、クスリ盛って寝かしつけてる。女相手じゃ勃つもんも勃たねぇからな、当然だろ?」
「ッ、じゃぁ連れ込まなきゃいいじゃないですか!!!!」
「なぁに、怒ってんだよ。カモフラージュだよ。ボンゴレの右腕が男色家なんて部下に言えねぇだろ。」


 


だってアナタ、生粋の女好きとか、百戦錬磨の女喰いとか、目が合うだけで妊娠させるとか、
影で散々言われてるのに、……あの噂は全部ウソですか??!!



「あ、何、お前もしかして俺がゲイだって本当に知らなかったワケ?」
「……えぇ、っていうか誰も気付きませんよそんなこと。」


 


なんだよ、知ってて聞いてきたわけじゃワケじゃなかったのか。じゃぁ黙っとけば良かったなぁ〜ハハっ………て!ゲイとかストレートに言わないでください。まだ僕は現実を受け入れ切れてないんです!!!!




「オレが町で、長身の男と歩いてるの、お前何度も見てるだろ?」
「……ええ、何度か遭遇してますが。いつも別の男ですよね。………え?それは、まさか…」
「そう、そのまさか。アイツ等、オレの相手。」
「〜〜〜っ、」


固定の相手じゃないんか!!!!いつも雰囲気似てる男性と連れ立ってるな、とは思っていましたけれども!一体何人相手いるんですか!!!



「つーか、お前オレに興味あって、好きなタイプなんて聞いてきたんじゃねーの?」
「…ストレートに言わないでください。そうですけど。」
「じゃぁオレがゲイで願ったり叶ったりじゃねーか。」
「………いえ、」



違います。願ったり叶ったりじゃないです。
僕は単純にアナタとシたかったワケじゃなくて、少し抵抗されながら未知の快感にグズグズになるGを見たかったんです。ぐちゃぐちゃに溶かして差し上げようと思っていたんです。なのに……とんだ計算違いです。



「それにオレ、長身で整った顔の奴なら誰でもいいし。お前合格。さっさとヤろうぜ。」
「っちょっと待ってください!!節操ないですね本当に!!」


節操なしの淫売と来た!
マフィアですし、綺麗なイメージをGに抱いていたわけでもないですけど、それにしてもこれは想像とのギャップがあり過ぎます!
って、ちょ、僕を奥の寝室に連れ込もうとしないでください。
確かに、前から狙っていたアナタを、どんな形といえモノに出来るとあればこんな嬉しいことはない……ハズでしたけど、予想外過ぎて、今日は是非ご遠慮願いたい!僕のライフはほぼない!余裕ない!きっと勃たない!!!!



っていうか、もし今コトに及んだとしても、
「男慣れしてるアナタを、満足させられるとはとても思えません!!」
「はッ、安心しろ。オレが天国見せてやるよ。」


Gめ、このイケメンが!
ちょ、こんな狭いソファで押し倒されたら身動きとれない、……って力強ッ!!
押さえられた腕がビクともしないって、この細い身体のどこにそんな筋力があるっていうんですか!
待って待って、ボタン外すの慣れすぎ…!!!



「あー、やっぱお前いい身体してんなぁ。常々お前とはヤってみてぇと思ってたんだよ。」



な、なんてハシタナイことを…!
いつもクールにボンゴレに仕事をやらせてると思ったら、その冷たい仮面の内側で、いやらしいことをずっと考えていたワケですね!



「っ」
く、首を舐めないでくださいっ、そんな体中手を這わされてもっ、



「そんな緊張するなよ。どうせコッチは初めてなんだろ?痛くはしねぇから。」
……………………ん?



「………G、ちょっと待ってください、G!」
「あんだよ。」
「ちょ、まさかと思いますけど、まさかと思いますけど!」
「ははっ、動揺しすぎだろ。ゆっくりヤるから大丈夫。」
「違います!まさかアナタ、僕に突っ込むつもりじゃないでしょうね!」
「そうだけど。オレ、バリタチだし。」
「っ!?」
「あれ?さっき言わなかった?長身で細身の男を組み敷くのが好きだって。背の小さい可愛い顔した男とか、組み敷いても全然つまんねー。お前みたいな、『自分が掘る側だ』と思ってる奴を舐め回してガンガン突いてアンアン言わせるのがいいんじゃねーか。」
「っっ!!ちょ、本当、やめてください!」
「ま、いーじゃん。新しい扉が開けるかもしんねーよ?お前ケツの才能ありそうな顔してるし。」
「そんな扉は開く必要ありません!っていうか、そんな才能ないです!」
「ははっ、抵抗すんなよ。余計燃えるだろ。それに、最近忙しくて溜まってたんだ。」
「っ」



最っ低ですねG!!見損ないました!
っていうか、そんな綺麗な顔して、細腰なのに、あなたタチなんですか!え、じゃぁいままで連れ立って歩いていた男達も啼かせてきたんですか?!普通、逆ですよ!
それに、僕が喘ぐ姿なんて誰も見たくないです!今すぐやめましょう!っていうか完全に真性ですね!見くびってました!



「ちょ、本当に…!!」




もう誰でもいいから助けてください…!!!




「ちょっとG、そんな男相手にするのやめなよ。病気うつされるよ。」



ふっと、自分の身体に乗るGの体重が軽くなったかと思えば、
憎き金髪のアラウディがGの身体を両腕で引き剥がしていた。た、助かった…アナタに助けられるのは正直癪ですが。



「あ、あらうでぃ」
「なんだよー、いいとこだったのに」



大嫌いな相手に助けられ、最悪の現場を目撃されてしまったワケですが……正直、今はお礼を言いたい。
僕の処女を守ってくれてありがとう…!!
喪失する予定の無いものを、失うところでした…



邪魔されて頬を膨らませるGはやはり可愛いですが、もう僕はこの男に手を出したりしません。喰われる。
手を出すなら、それ相応の準備をして縛り付けてから致します。



「ねぇG。そんな男のどこがいいの。」



くっ、なんですかその汚い物を見るかのような目は。今日は何も言い返せませんけど。
青い瞳だからか、余計に冷たく見えるんです。綺麗な顔した方の無表情は気持ち悪い。



「長身で細身なとこ。」
「……僕じゃダメだね。」
「だ、だめじゃねぇよ。そんな顔すんな。」



出ました!Gのアラウディには甘い癖!!
さっき好みの話してた時と、全然違うこと言ってますね!



しかもアラウディ、アナタがそんな悲しそうな表情してるの初めて見ましたよ!
Gの前でだけ猫を被るとジョットから聞いてましたが、ここまでとは。



「じゃぁ、僕の相手して。」
「は?お前マジで?」
「うん。」
「いや、……いやぁお前には手出せねぇよ。」
「何で」
「今まで可愛がってきた奴に、そんな酷いコトできるわけ無いだろ。」
「…………」
「あー!もう分かったよ!泣きそうな顔するな!奥の部屋行け、明日動けねぇぞ。」
「うん。」
「悪いなスペード、今度相手してやるから、今日は帰ってくれ。」



Gは若干名残惜しそうにしながら奥の寝室へ行きましたけど、今度とかありませんから。
今度があるなら掘る準備万端で来ますから。

そもそもあのアラウディが黙って下をやるとは思えないんですけど。
第一既に、手錠のボックス構えてましたよね…?


僕、どうしましょう。一応、助けられるようにここに残っていた方がいいんでしょうか。……Gを。
まぁいいか、Gの初めてはアラウディに譲ります。Gに後ろの快感でも覚え込ませてやってください。


その男真性につき



「あ?おい、何でお前オレの手拘束して…、こんなんされたら優しくしてやれねーじゃん。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫って……え、お前、何して……っ嘘だろ!!?」
「嘘じゃないよ。大丈夫、優しくするから。頂きます。」
「ちょっ、待っ、違う、それはオレがっ……!!やめっっ…!!!」


 





end






あとがき





お、おかしいな……
アラウディ×ガチホモバリタチG様を書く予定だったのに、気付いたら殆どスペードしか出てきてない…www
ちくしょう、ギャグに使いやすい奴めwww
せっかく、twitterで「こっち!」って選択してもらったのに情けない。
アラウディがクールなイメージが強すぎて出せなかった…!!!
またリベンジしたいなぁ〜、というか、書かなかった拘束からエロまでを書きたいです。というか、嫌がるG様が書きたいだけです。


もう何言っても言い訳にしかならないので、この辺でノシ




2013/03/20
夕菜


 

more...!

梅雨と1859(過去拍手文)

梅雨。
ほとんど毎日雨が降り、愚かな草食動物達が建物の中に引き篭もる季節。
馬鹿を叩きのめすのは好きだけど、標的をいちいち探し回るののは面倒だ。

しかし並盛中校内には、風紀を乱す輩が一人いる。
「獄寺隼人、」
退屈しのぎには丁度いい相手だ。

この男と暴れるとなると、当然彼の獲物であるダイナマイトが飛んでくる。
校舎を壊されるのは腹立たしいので、屋上にくるよう言うと、案の定渋ったが、沢田の名前を出したとたん黙って後をついて来た。 実に扱いやすいが、全くもって面白くない。

屋上の扉を開けると、思った以上の雨が降っていた。 肩に掛けていた学ランは水に濡れると重たくなるので床に投げ捨てた。 外に出ると、雨が容赦なく身体を叩く。 梅雨というよりか、むしろ嵐のような雨足だ。

「キミ、嵐の守護者だからって台風でも呼び寄せたのかい?」
「…たしかに俺は嵐だが、お天気の守護者じゃねぇ。」
「それもそうだね。」

怒らせたかな?と思って顔を見ると、眉間に皺は寄っているが怒っているわけではなさそうだ。
彼は短気ですぐキレるが、頭に血が上っている時よりも冷静な判断ができる状態のほうが格段に強い。 頭が回らない彼と対峙したところで何の面白みもなくなってしまうのだ。

「すげー雨だな…。」
「怖気づいた?」
「うるせぇよ」


なかなか外に出ようとしない彼に声を掛ければ、挑発に乗ったというよりも、しぶしぶ自分から出てきた。 豪雨に近い雨はシャツを瞬く間に濡らし、素肌に貼り付ける。 動き難くはあるが、お互い特に問題もないだろう。 

獄寺が屋上の扉を閉めたところで、己の獲物を懐から取り出した雲雀に、咄嗟に獄寺も身構える。

「ずっと暴れてなくてイライラしてたんだ。ここで発散させてもらうよ。」
「っ、八つ当たりかよ…!!」

右、左と順番に繰り出される容赦も迷いもないトンファーに、素早く反応し間一髪のところで全て綺麗に避ける。 どれだけ無理な体勢で避けたとしても、軸のブレない獄寺のボディーバランスも見事だが、反撃する隙のない獄寺の間合いを詰めてくる雲雀に、一歩ずつじりじりと後ろに追い詰められていく。

「っ、」

左頬を掠めたトンファーの、風を切る音に思わず背筋が凍りつく。

(コイツ、本気じゃねぇか…!!)
今日の雲雀はいつにも増して殺気が凄ぇ。 相当ストレス溜まってやがんなコイツ……。 ま、余計なこと考えても埒あかねぇ。 背がフェンスに当たるのも時間の問題だ。 どうにかしないと……だが、雲雀の背後を取るのは、今の俺には難しい。 横、頭上…どこを通っても確実に一発は受けることになる。 となると……アイツに一撃入れる為には懐に入るしかねぇ。 だが、アイツの懐に入るまえに必ずトンファーが頭の上に振り下ろされる。 そうなると…、まぁ避けきれねえから腕で受け止めるとして、その後鳩尾に一発……、だが待てよ。 アイツは急所を突くときは必ず利き手で振り下ろしてくる。 となると、俺は左手でアイツの一撃を受け止めることになるな。 つまり俺の利き手は使えねぇってことだ。 いきなりの俺の攻撃に雲雀がたじろいで、うまく鳩尾に入ったとしても、トンファーを受け止める俺の方がどう考えてもダメージがでかい。 ……分が悪ぃ。

「うおっ、」

そうこう考えているうちに、背が思いっきりフェンスにぶつかった。

「っ、」

右腕から振り下ろされるトンファーに、ヤバイと思い咄嗟に身構える。 しかし、なかなか訪れない衝撃に目を開けると、首もとに金属独特の冷たさがあたる。

「……どうして武器出さないの。」

ぐっと、咽元に金属を押し付けられて、独特の強い瞳で問われる。 その瞳には先程まではなかった、明らかな嫌悪が浮かんでいた。

「煙草も咥えないし。どういうつもり?」

どうも、獄寺自身が自分の獲物を使わないところが気に障ったのだろう。 おおかた、獄寺が本気を出しえ戦っていないという結論にでも至ったのだろうか。 ムッと拗ねたような顔は、その苛立ちの意味を、言葉にせずとも獄寺自身へと正確に伝えた。


「ばかかお前。」
そんなことで、拗ねた子供みてぇな顔すんじゃねぇ。
雲雀の様子に怒るわけでもなく、むしろ嬉しそうに目元を緩めた獄寺に、

「いてっ、」

無言で平手を頭に落とす。 「ばか」が気に入らなかったのだろう。

「雨で濡れて火なんかつかねぇよ。」
「そうか………それじゃ、つまんないね。 やめよう。」

そう言うと、興味を無くしたかのように自分の獲物を懐にしまう。 もう獄寺のことなど眼中にないかのように、屋上の出入り口に向かう。

「あ、おい待て!」

その雲雀を、咄嗟に獄寺が手を掴んでとめた。

「………なに、」
「お前、その格好で戻るつもりか? ……やめとけよ。 全部透けてるぞ。」
「……………、は?」

目線を下げれば、確かに使い物にならないくらい濡れてしまったシャツは用途をなさず、肌に張り付いていて、尚且つ透けている。 対して獄寺は、シャツの下にもう一枚着ているため、濡れてはいるものの、透けてはいない。 しかし、

「別に構わないでしょ。 見られて困るものないんだけど。」

雲雀の言うとおり、雨に濡れて男の上半身が全て見えていたって、なんの問題もないのだ。 第一、この格好で廊下を歩いたところで、恥ずかしがるような大和撫子のような女は、並盛中にはいない。

「いや、とにかくやめとけ。 もう少しで授業始まるんだから、せめてそれまで待て。」
「……なんなの、キミ。 気持ち悪いな。」

そういいつつもその場に座り込んだ雲雀に、どうやら折れてくれたのだと思い隣に座る。 もはやどこに座ろうが立っていようが、この衣類達は水を吸わないのだから、関係ない。 雲雀ですら「どこか行け」とすら言わない。 言われたとしても、重たくなったズボンのせいで、立ち上がるのも億劫なのだが。

じゃばじゃばと頭から水を被り、じっと床に座り込んでいるこの無様な状態に、捨て猫みたいだな。と頭を過ぎった。 そろそろ何か言葉を掛けないと、雲雀はこの惨めな状況に堪えられねぇかもしれねえ。 そう思い、気の利いた言葉でも掛けようと、獄寺は知恵を搾り出す。

「……お前、結構いい身体してるよな。」


別に何か答えを返してほしかった訳でもなく、意味のある言葉でもなかったが、何も反応のない雲雀に、(聞こえなかったのか?)と隣を見ると、唖然とした目で獄寺を見ている雲雀と目が合った。 

その雲雀の表情を見て、今、自分が言った言葉をどういう意味で雲雀が受け取ったのかを瞬時に理解した。

「いや、別にとって食おうってわけじゃねぇ。」
「……あたりまえだ」

弱々しく返答する雲雀に、(お前、信じてねぇだろ)と思ったが、何を言っても逆効果な気すらするので、黙っておく。
とりあえず、自分の当初の発言がいけなかったのだ。 やっちまった。 別に雲雀にダメージを与えたかったわけでもなんでもないのに。 

あーぁ、と膝に顔を埋めた獄寺の態度に、 
過剰反応し過ぎたな、と今更ながら少し恥ずかしくなった雲雀は、獄寺の腕を掴んで自分の方に顔を向けさせ、
「僕は…強いからいいけど、キミは弱いし外見は綺麗なんだから、とって食われないように注意しなよ。」
恐らく、気まずくなってしまった雰囲気への、雲雀にとっては滅多にないようなフォローの言葉だったのだろう。

「…………ぉぅ、」

綺麗と言われたその言葉に目をまるくし、赤面した獄寺に、雲雀が言葉と行動を間違えたと気付くころには、もう取り返せないような、とんでもなく気まずい空気が流れていた。


「………」
「………」
「予鈴なったな……。」

小さくなって顔を埋めて座っている獄寺と、
手足を投げ出し空に顔を向け、雨を一身に受ける雲雀。

「……お前、先帰れよ。」
「キミこそ、」

この気まずい空気の底にある意味をそれぞれが曖昧に気付いてしまった今となっては、
ズボンが重たいだなんていう理由では、もうここには残れない。


END






《あとがき》

微妙な終わり方ですが、
お互いが自分の気持ちに気付いたっていう終わりでも、相手の(自分に対する)気持ちに気付いたっていう終わりでも、
好きに感じていただければなぁと思った次第です^^
あとがきは6/17の日記にて(((逃

 

Treat×3(雲獄)

「Trick or Treat 」

放課後、一文前の台詞を雲雀に言われても問題ないように、いつもはボムが入っている場所にもありとあらゆるお菓子を詰め込んできた獄寺が、
応接室に普段どおり乗り込んで逆光を浴びる雲雀に先程の台詞を投げつけた。


「僕が何か用意してると思う?」

突然の獄寺の訪問にも余裕且つ自信満々に答える雲雀に、「いいや、絶対に用意してねぇだろ。」と確信を持った笑みを貼り付けて近付く。ハロウィンという一年に一度の行事に託つけて、堂々と雲雀に悪戯できるチャンスに胸を踊らせ、どういたぶってやろうかと思考を巡らせる。

いつも自分に無体を強いる雲雀を同じ目に合わせてやろう、よし、決まりだ。と雲雀を正面から見れば、腕を組んだ体制のまま、偉そうに冷蔵庫を顎で杓られた。


はぁ?何だその態度。俺に冷蔵庫開けろってか?自分で開けやがれ!と長くはない獄寺の気がキレそうになったが、普段使われている様子のない冷蔵庫の中身が気になったのが半分、もう半分はまさか何か用意してたのか?という薄い期待で、怒りを押し込める。

恐らく後者はないだろうと高を括り、まぁいいか。強がってられんのも今のうちだぜ。と、豪快に扉を開ければ、案の定ほぼ何も入っておらず、普段から使われた形跡のない閑散とした冷蔵庫の中央に、皿の上に乗っかっているタルトらしき不恰好なモノが、一切れ置かれていた。


いやいやまさか、クリスマスや自分の誕生日でさえ忘れる雲雀がハロウィンなんか覚えてるハズがない。万が一、この異常気象によって頭が多少沸騰して覚えていたとしても、態々お菓子を用意しておくとは思えない。それにまさか自分用に冷蔵庫に入れておいたなど……いやいや、ないない。

半ば無理矢理結論付けるが、かといって、他に思い当たる節もないのだけれど。


「悪戯したかった?」


ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべながら、暗に自分の為に用意しておいたのだと告げる雲雀にカッと頬に熱が走る。

「ーーー馬鹿野郎、」

悪戯ならしたかった。したかったけど、こんなもの用意されて、菓子はいらねぇから悪戯させろなんて言えやしねぇ。だってコレ、どっからどう見たって雲雀の手作りじゃねぇか。

なんつーもん用意してんだバカ。という気持ちを込めて、悪戯が成功した子供のように優しい笑みを向けてくる雲雀の目を見つめたまま、気恥ずかしさと嬉しさを込めて、がぶりと一口齧りついた。


何故かボソボソしているクリームと、もはや原型が分からないペースト、とてもタルトだと思えない程固いクッキーに(もしかしたら、タルトじゃないのかもしれない。だって噛みきれない)前歯が持っていかれそうになるのを必死で堪える。とてもプロが作ったものには及ばないけど、ふわりと口に広がったパンプキン独特の甘さは、丁度いい。

「旨いよ」
「そう。」

もうあとは興味がない、といった様子で視線を反らした雲雀の横顔を見ながら、残りのタルトを口に放り込む。…………固ぇ。

容赦のないトンファーを繰り出す狂暴なその手で、案外細かいことが苦手なその性格で、一体どんな顔してコレを作ったのだろう。米ですら、研げないくせに。


でも、旨ぇよ。

成功してんだか失敗作なのかわかんねぇ物体ごときにときめいちまうなんて。ちくしょう、俺の馬鹿!


「ねぇ、ちなみに悪戯は何しようと思ってたの?」
「…襲ってやろうかと思ってた。勿論、お前が下で。」

「へぇ、」
一瞬驚いた顔をして、面白そうに頬を歪めた。


へぇ、じゃねぇよ。もっとビビれよ。お前の貞操の危機だったんだぞ。あ、まさかコイツ、俺がお前のこと抱きたいとか、欲求不満ですとか、そう勘違いしてないよな?第一俺に男を好んで抱く趣味はねぇぞ?!全然違う意味……はぁ、もう言わなきゃ良かった。


「ねぇ獄寺。」
「あ?」
「Trick yet Treat 」
「ーーー、」


驚いた。
いきなり言われたことにもだが、堅物の雲雀の口から英語が出てきたことに。それはもう、内容なんて頭に入ってこないほど。

「お菓子はいらないから悪戯させて」
「……よく知ってたな。」
「跳ね馬に聞いた。たまには使えるよね、あの人」

余計なこと教えやがって、使えねぇ野郎だな。
しかも、寄りによって何でそーゆうしょうもねぇヤツ教えるんだよ。

「……俺、お前に悪戯されないために菓子大量に持ってきたんだけど。」
「いつもの玩具の変わりに持ってきた安そうなモノなんて、興味ないよ。」

うわっ、ダイナマイトの変わりに持ってきたのバレてんのかよ。ってか玩具っていうな!

「お菓子はキミの大切な草食動物にでもあるだけやりなよ。だから僕には悪戯させて?」

なっ、誰が草食動物だ!10代目の偉大さをお前は一ミリも分かってねぇ!!よく聞け、10代目の素晴らしさを俺がお前に伝授してやる!と、憤慨した獄寺の口が、そう叫ぶ直前、

「話してると、口に詰まるよ。」

言うが早いか、動くが早いか。
獄寺の優秀な頭の処理速度を遥かに上回るスピードで、黄色いクリームをボウルごと投げ付けられた。

「っぶあ、いってぇ!!っなにすんだてめぇ!!」


顔面に掛けられたクリームと同時にガツンと頭に響くボウルの鈍痛。
クリームから香る甘い匂いは、先程の食べたパンプキンと同じやさしい匂い。ーーーーって、香りには騙されねぇぞ!!

全身クリームまみれじゃねーか気持ち悪ぃ!

「ワォ、思った以上にそそられるね。……んー、でも黄色いクリームにしたのは間違いだったな、白のが良かった。」
ーーーーーガシャン、

なに、考えてんだコイツ!
白のが良かったって……この変態野郎、許せねぇ!ちょっとでもときめいた、さっきまでの俺の心を返せ!

……ってかガシャンなんだガシャンて、

「……っ、なんで手錠なんかかけてんだ!馬鹿かお前!!」
「そうしないとキミ暴れるじゃない。」
あたりまえ、みたいに言うな!そりゃ暴れるだろ!

「ちなみに抵抗したら手錠増やすから。……よし、じゃぁ、頂きます。」

よし、じゃねぇよボンゴレリングまで装着しやがって…
今日に限って用意良すぎだろ、バカっ!



Treat×3

「うわ、このクリーム思った以上に甘いね。」
「っ、」
(〜〜〜っ胸元で喋るな!!)


end



ーーーーーーーーーーーーーーー
遅刻しましたハロウィン遅刻しました。
携帯で書くと想像異常に時間かかりますわ……


2012/11/1 夕菜

8月16日ついった散文(R18)雲獄

獄受けえっちを真剣に考えてみたシリーズの雲獄編

夏の暑さにやられて頭が基本狂ってます。
ついった用に短くしたので描写がほぼない!
皆様の脳内妄想力に全力で期待……!!









「は、ぁっ……、」

荒立つ吐息を背後から受け、
その相手の熱い呼吸が耳を擽るだけで、波立つ己の肌に舌打ちをしたと同時に、硬度を失った相手のモノが、自分のナカで小さく反応した。

「あっ、」

たったそれだけで息を飲んでしまうように自分の身体を作り替えた、
今俺を後ろから抱き込む、憎き男を見ると、
何を勘違いしたのか、緩く腰を使い始めた。

「ん……っ、おいっ、いい加減に…」
「……もう一回。」
「っざけんな! てめぇ今日、何回目だとっ、んぁっ!」

全く聞き耳を持たないこの男にやめろと言ったところで無駄でしかないが、だからと言って黙ってヤらせてやるほどお人好しでもない。

最大の抗議を込めて、後ろ向きで頭突きをかます。

「おっと、」
「っ、んむぅ!」

間一髪で避けられて、その勢いを相殺する以上の強さで頭を枕に押し付けられた。

「んぅっ、」

その拍子に、雲雀のモノが一段と質量を増した。

「ってめ…」
「いいね。もっと抵抗して。」
「っ、この変態野郎……!」
「なんとでも。」

それを合図に、ベッドのスプリングが壊れるんじゃないかと言うほど無遠慮に、ガツガツ腰を打ち付け始めた奴との結合部からは、
自分の吐く荒い吐息に消え無いほどの水音がぐちゃぐちゃと音をたて、後ろの男の吐息と混ざり、聴覚すらも犯していく。

「はぁっ、…キミのナカぐちゃぐちゃだね。」
「んっ、…あぁっ、んぅ、 お、まえの…だろっ!」

分かっているのに、いちいち囁くこの男の顔は、絶対今、勝ち誇って笑っている。

「ぁっ、ぁあっ! 毎晩、毎晩っ、…しつこいんだよ……!」
「っ、女だったら、間違いなく孕んでるよね」
「んぅ、っあぁ!」
「責任、とらないとね。」
「っ、んあぁぁぁっ!はっ、はぁ、…っ!」


頭が一瞬で飛ぶほどのスパークを、最奥を抉ってくるこいつの逸物に叩き込まれ、反論する隙も貰えず枕へ突っ伏す。

「はっ、ぁぁっ……、」

ちくしょう、こんの変態野郎。やりかえしてやる……。
と、普段から鍛えりている筋肉で、自分でも分かるほど、きつく、憎しみを込めて締めあげてやる。

「んっ、ぁぁっ!」
「!ぅっ、…はぁっ、」

奴のモノがリアルに伝わる感覚に、仕掛けた自分も感じてしまうというリスクを負ったが、
それでも雲雀が苦しめばいいと、捨て身の攻撃だったのに、

「やってくれるじゃない。」

抵抗されて、大事な逸物を締め上げられて、より一層声を弾ませるなんて、
ド変態に加えて、マゾっ気まであったなんて、
つくづく最低な男だ。くそったれ。

「たっぷり、お返ししてあげるね。」

容赦のない突き上げと、時折最奥でグラインドする腰使いに翻弄され、それと同時に前も後ろも触られて、意識ごと持っていかれそうだ。

「んっ、あぁっ!はっ、ぅあっああ、
お、れがっ、…ぁっ、男で、よかったな……っ! っ責任と、らなくてすんで……!」
「……バカだね。」


ちくしょう、バカはお前だ。
そう言ってやりたいのに、快感と涙で震える声を、雲雀に聞かれたくなんてない。

でもお前の言うとおり、こんな最低男に惚れた俺は大馬鹿野郎だ。

大惨事(山+獄+綱)



晴れた微睡む昼下がりの、午後の授業。

カリカリと黒板をチョークが走る音や、緩やかに読まれる教科書の例文さえも、心地の良い子守歌。

半分以上の生徒は撃沈している、そんな静かな教室で

『死んでも死にきれねぇ!死んでも死にきれねぇ!!』

けたたましくなる携帯着信音。言わずもがな、このセリフは有名なアノ御方のアノ台詞。

(なんで俺ぇぇぇ!?これなんて恥辱プレイ!!?)

一人焦る沢田綱吉。
周りの生徒からの冷めた視線。
自分はまだ何もしてないのに罰ゲームに使われた気分だ。

そんな沢田を置いて、当の本人は余裕綽々。

もちろんこんな着信音を使うのは、このクラスでただ一人。


「うお、……俺か。」

さも、自分だと思っていなかったように携帯をチェックする獄寺に、
お前しかいねぇよ。
と、クラス全員(-山本)の心が一つになった。


「おいおい獄寺〜、授業中はマナーモードだろ〜?」

ニヤニヤと空気の読めないクラス1のお調子者、山本の発言。
「あぁ?!なめてんのかテメェ!!
お前がメール送ってきたんだろうが!」


「え?俺?送ってないのなー。」

「いや、間違いなくお前からだ。今、誰かに送ったの宛先間違えたんじゃね?」

「うわ……そうかも。」

どうやら心当たりがあるらしい。
先程までのニヤニヤはどこへやら。今や冷や汗すら出そうな勢いだ。

「ちょ、獄寺……頼むから今すぐメール消去して。」

「は?せっかくだから読み上げてやるよ。『件名:俺、コレ、まじツボ。』」

「いやぁぁぁぁあ!獄寺やめてぇぇぇぇぇ!!」


下手に出た山本に、S心に火がついた獄寺。
もうこうなったら止められるものは誰もいない。

しかしここは断固阻止したい山本。だが姫の爆走は止まらない。


「『ツナから借りたヤツ、マジやばい!確か次、六道の番だよな?この――――、』」


(ま、まさか…!!)←超直感
「あぁぁぁぁああああ!獄寺ぁぁぁぁあああ!」
「っ、獄寺君待っ!!」


山本うるせぇーなぁ、と今まで黙ってみていた沢田も、持ち前の能力で、自らの危機を察知。
ストップをかけるがもう遅く、

「『授業中なのに…もう我慢できないっ!〜淫乱教師の課外授業☆〜』――ってなんだコレ!!?」

「ああああぁぁぁぁ……だからやめてって言ったのな〜……」
(山本ぉぉぉぉぉ!!)

なぜ題名まで書いてしまったのか。
女子からは冷たい、男子からは憐れみの視線が山本に贈られる。

「お前、これ女子に送らなくて良かったな。」

「……どっちもどっちなのなー」

女子に送れば、間違いなく噂として広まるだろうが、
この場で読み上げた奴が何言ってるんだ。


そして、非難の目が山本に集中し、難を逃れたと思っていた沢田だが、

「ん?『淫乱』ってなんですか10代目?」

(やめてー!俺に振らないでー!!)

「あーでも先週の、『お兄ちゃんもうやめて…禁断の性生活』よりはマシかな……な、ツナっ♪」


「………山本っ、(怒)」


空気の読めないツンデレ天然ドSの女王様と
あえて空気を読まない天然腹黒王子が見逃すはずはなかった。







「………お前等授業聞けよ。」

end

山本の先制攻撃と獄寺のアシストにより、為すすべもなく撃沈したツナ様と骸。ドンマイ!\(^O^)/


prev next