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ツンデレな男


「なぁなぁ獄寺ぁ〜、」

「……」

「良いじゃん別に、雲雀にだってそうしてるじゃねぇか。」

「……」

「なぁ〜、」

「……」

「ほら、減るもんじゃねぇんだし……なっ、一回だけ!」

「……」

「なぁ〜獄寺ぁぁぁ」

「……うるせぇ。」

「冷たいのな〜!……俺、泣いちゃうよ?ほら、ほらってば獄寺、」

「……」

「あ〜!もう埒あかねぇ!
雲雀からも言ってやってくれよ!」



「………帰れよ変態。」

お兄ちゃんと僕


「聞いた!?獄寺今の聞いた?!」

「だぁぁぁもう、うっせぇなぁ!」

駄々を捏ねる子供のように、僕の兄に縋りつき、
人様の家だというのに、不躾にも寛ぎまくっている山本武。

馬鹿のぎゃんぎゃん喚く声が反響するリビングで、兄の煎れた紅茶を啜る。
せっかく優雅な休日の午後だったはずなのに、コイツのせいで予定が狂った。邪魔、本当に帰れ。


「雲雀、超冷たい!俺には!」

「うっさい。恭弥はだいたいそんなモンだ。」

「嘘だ!獄寺には甘々じゃん!」

「うるさいよ。隼人とキミを一緒にするな。」

兄と同等に扱うわけが無いだろう。
何せアイツは恋敵。冷たくする理由はあっても、優しくする義理はない。


「だいたい、恭弥は今勉強してるんだ!邪魔になるから騒ぐんじゃねぇ!」

「ぅええ〜?」

「恭弥、コイツ邪魔なら自分の部屋で…
「いい。ココにいる。」

そんな奴と、2人っきりなんてしておけない。
隼人の貞操が危ぶまれるくらいなら、明日からのテストなんて全部赤点でも構わない。

「ふ〜ん……獄寺、雲雀に『部屋に行け』って言っても、俺に帰れって言わないのな〜ww」

「帰れ。」

「うっわ!超傷つく!!!」

……ニヤニヤした顔しやがって…本当、ムカつく…!

「……隼人、僕が邪魔なら部屋行くけど。」

「っお前が邪魔な訳ないだろ!行くな!!」

「「っっ!!」」


ツンデレ…!!!これが最強のツンデレ…!!!
駄目だよ僕もうときめき過ぎて死ぬかと思った!!

「ああああ獄寺、それ俺にも言って〜!」

「帰れ。」

「あー!そんなところも好きなのなー!!」



(こんのドM野郎が!!)

「……恭弥、ソレもう冷めてるだろ。替えの紅茶持ってくる。」


兄が台所に引っ込んだのを確認して、キッと下から睨みあげてやる。

「……おー、怖。何、そんなに『お兄ちゃん』が大事?」

「そうだよ。」

「ふーん、俺も『獄寺』が大事。」

「……喧嘩売ってる?」

「嫌?……別に。」

ムカつく。何でも知ってますみたいな顔して上から見下ろしてくるその目とか、僕と同じ黒い髪とか、大っ嫌い。
兄といるときの猫被ってるような態度も気に食わないし、兄の見ていない時の俺様的な態度も本当ムカつく。

「くくっ、そんな睨むなって。あ、でもこの性格は獄寺にはチクるなよ?一応隠してんだよな。」

「……うるさい、僕の勝手だろ。」

「……まっ、それもそうだな!
……そういや、俺、Mじゃねぇよ?ヤるときはどっちかって言うとS、みたいなー」

「……」

こういう下品なところも含めて嫌いだ。


「……本当、キミのこと大嫌い。」

「マジで?……俺もだよ。」


一発触発。緊張する空気が漂っている。
この僕がこういう睨み合いで緊張するなんて今までなかった。

……この男が喧嘩に自信がありそうだとか、兄の同僚だからとか、そんな理由の緊張じゃない。
なんていうか…絶対に負けられないっていう、ここ一番の緊張。


(目を、逸らしたら、負ける。)





「………おい、何見詰め合ってるんだ、お前ら……」

「うわっ、獄寺!?」

「っ隼人…!」

「??」


緊張の糸を切るかのように、兄が部屋に戻ってきた。

「いや、なんでもないのなー!」

慌てて元に戻るアイツに、やっぱりさっき殴っておけば良かったと後悔する。

「…ほら、恭弥。紅茶」

「ん、ありがと。」

良い奥さんになるよ。
今言いたいけど、馬鹿も居るし、二人きりの時に言おう。




「……ところでさー、話戻るんだけど、いい加減観念して、俺のお願い聞いて欲しいのなー!」

「……嫌だ。」

「いいじゃねぇか、一回だけだって。」

「…」

「俺の事“武”って呼ぶだけじゃん!」

ああ、そうだった。それで最初言い合いしてたんだった……。
なんでこんな馬鹿に兄は捕まっているんだろう。早く追い出せば良いのに…。

「嫌だっつってんだろ。」

「だから、何で嫌なんだよ〜!雲雀の事は『恭弥』って呼ぶじゃん!
なー、恭弥?」

「お前は呼ぶな。」

虫唾が走る。

「良いじゃん減るもんじゃないしー。なぁ〜獄寺ぁ〜。」

「やめろ。」

「っ、雲雀ばっかズルい!!」

「お前と一緒にすんな!恭弥は兄弟だろ!」

「っ、」

「……ですってよ弟君w」

っ、コイツ…!兄にこれが言わせたかったのか…!!!
御陰様で、今の一言だけで大ダメージだよ…!


「ねー、お兄さん。どうして弟君は『お兄ちゃん』って呼ばないの?」

「あ?知るか。」

「ねーねーどうしてかな、弟君?」

「……」

「ねぇ〜?」

「…っ、」

「おい、山本やめ…」



「っ、るさい…!!僕は、っ隼人のことお兄ちゃんだなんて認めてないんだからね!!」


もう居た堪れない…!!
何も間違ったことを言ってない兄に庇われるのも、アイツに馬鹿にされるのも…!!



「「………」」

――――バンッ!!!!!


兄のあんなポカーンとした顔を見ていられず、堪らず部屋を飛び出してしまった。



あーもう、畜生!負けた!完全に僕の負けだ…!!!
アイツの策略に初めから嵌っていただなんて…!!!

っていうか、
(一体僕は何を口走っているんだ…!!!!!)





「……あーぁ、」

「くくくっ、」

「お前苛めすぎ。…恭弥の奴、部屋に引き篭もっちまったじゃねーか。」



ツンデレな男
「雲雀のあーいうとこ、ホントお前にそっくりなのな!」

「は?……いや、お前等の方が似てるだろ。」

「え?」

「俺の前だとネコ被ってたり、俺様なところが。」

「………まじっすか。」



end

貴女の魅力と欲望が、



珍しく応接室で2人きりになった僕と隼人。

校内巡回中の雲雀恭弥。
そんな奴がの置いていったケーキをむしゃむしゃ食べながら、ニコニコ笑う隼人。
あー可愛い!すごく可愛い!食べてしまいたい!!

あの鳥頭はこの状況を放棄して、一体何を楽しみに日々を生きているんでしょう。勿体無い。

ちなみに僕はと言いますと、知的な本を読んでいるフリをしながら、横目で盗み見て満足しています。

ああ、癒される…


しかし、しかし今、僕には重大な問題が迫っている。



自分より小さい隼人を上から見下ろせば、惜しげもなく第二ボタンまでシャツは外され、この寒い中、シャツの中に何も着ていないので、
成長しかけの白くて柔らかそうな谷間がチラチラと僕を誘惑している。


………そう、隼人の胸が最近急成長を遂げているのです…!!!

貧乳フェチの僕としては由々しき事態。

どうにかして、彼女の成長を妨げなければ…!!
そう、例えばダイエットとか!……ダイエット?

「……隼人、……貴女最近太りましたか…?」

「………」


やはり思い当たる節があるのだろう。食べていた手をピタリととめて、綺麗な瞳が僕を見る。
そりゃあ、それだけ成長すれば体重だって増えるでしょう。僕は、そこを攻めさせて頂きます。

だって隼人、自分の体重も管理できない奴が10代目の右腕になれるはずがない!…って仰ってましたもんね。


…そう、成長を止めるにはダイエット!隼人にする気がないのなら、させてしまえばいいんです!!


―――――むにっ、
「…ほら、こんなにお腹に肉がt、」
「ぎゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!」

「ぐふっ!!」

しなるように綺麗に振り下ろされた左腕と、木霊した隼人の悲鳴、
頬に感じたとてつもない衝撃に、その時僕は気付いた。
(嗚呼、これはやり方間違えましたね…。)





************




――――――バン!!

「はやっ……との悲鳴が聞こえたから、とうとう馬鹿が我慢できずに手を出したかと思って慌てて来たけど……すごい手形だね六道。」


扉をブチ破る勢いで応接室へ雪崩れ込み、獄寺を助けようとした雲雀の目の前には、ソファーから吹っ飛んで、床に尻をついている六道骸。


「…えぇ、おかげさまで…。」

手で押さえてはいるが、ジンジン傷む右頬。
セクハラを働いた六道へ、獄寺の左ビンタが綺麗に決まり、
くっきりな手形と真っ赤に腫れ上がる頬に、一切の手加減なしに殴られたことが見て取れる。


「…隼人に何したのさ。利き手でぶっ叩かれるなんて相当だよ。」

「……かくかくしかじか、です。」

「あぁ、それで。」
妙に納得したように獄寺と六道を交互に見て、あからさまにため息を吐く。

いつかこの男に襲われたときように教え込んだ攻撃。
あの時は左ストレートしか教えなかったはずだが、応用してビンタに替えたのは隼人なりの優しさか…。

「本来ならばグーで殴られるべきだったと思うよ。」

そんな雲雀の目の前に、半泣きの状態で床に正座させられている六道。
どんな事情があれ、女の子のお腹の肉を掴むだなんて…

「デリカシーの欠片も無いね。」

「…ですよね……。」
貴様になど言われたくないわ!!それに僕が本当に言いたかったのはお腹じゃなくて胸の話なんです!!という心の声は一切無視。
だって今日は僕が悪い。…そして、本当の話は尚悪い…。
実際自分でも何してるんだと言いたい。そして出来ることなら消えて無くなりたい……隼人の胸と共に…

「見てよ。可哀相に…隼人があんな隅っこで小さくなってる。」

そんな六道の心中を察してか、更なる追い込みをかける。

(こんの性悪…!)
ギッと下から睨みあげるが、そんな視線を横に流し、余裕の笑みを見せる雲雀。


「隼人、そんな隅っこに居ないでこっちおいで。」

獄寺限定スマイルを駆使し、ガチガチに固まっている獄寺を、自分の元へと誘き寄せる。


「……っひばりぃ〜、」

「はいはい、おいで。」

腕を伸ばし、雲雀を引き寄せた獄寺に、そのまま身を預けるようにして抱き込んでいく。
そして、見たか!といわんばかりの勝ち誇った顔で六道にニヒルに微笑む。


「…そのドヤ顔やめてください。」

「黙りな負け犬。」


くっ、……羨ましい…!!!
普段なら、不埒を働くのはどっちかっていうとあの男なはずなのに…!!!


「隼人は全然太ってないよ。あんな奴の言う事気にすること無い。」

「…本当か?」

「うん。むしろ痩せ過ぎて心配なくらいだ。」


優しく頭を撫でながら諭せば、そっか〜と安心したように笑う。

(可愛い…)

当然それを目の前にした雲雀の心は鷲掴み。
蚊帳の外な六道は嫉妬剥き出し。
だからいつまでたっても仲が悪いのだ。



「…でも確かに最近体重増えてきたんだよな…、」

冬だからかなぁ、と落ち込む隼人。

六道め…隼人をこんなに落ち込ませるなんて死刑に値する…!!あとで本物の左ストレートをぶちかましてやろう。うん、トンファー付で。


それにしても隼人…多分その体重の増加分は胸だ。教えてやりたい気は山々なのだがなんと言えばいいのか…
「それは胸が育ってきたからだよ。」
なんて言ってしまった日には、第二の餌食になるのは目に見えている。

……でも実際さっきから少し腕に当たっててなんかこう…ムラっとくる。


でもダメだ。下手は言えない。怖い。

「えーっと…うん、そうかな?あまり見た目じゃ分からないけど…、」

「は?お前そういうのには敏感に気が付くじゃん。」

しどろもどろで答えるが、あっさり逃げ場を奪われる。

だからと言って本音は言えない。言ったところでビンタは確実。更にダイエットまですると言われたら…勿体ない。

(なんか…殴られてもいないのに、頬が痛くなってきた)

自分で教えた左ストレートに恐怖する日がこようとは…、



「いや、本当、太ってないよ…ちょうどいい。うん、そう、ちょうどいい…。」

「目ぇ泳いでんぞ。」

くっ、…普段鈍感な癖にこういう時だけ…!!

「やっぱ…俺、太ったのかなぁ…、」


悲しそうに言う隼人に、何か声を掛けなくては…と、思ったところで思い出した。

(六道、アイツ…たしか貧乳フェチだ…!!)

昔、「女性のあのムニムニしたタプンタプンな触り心地がどうしても…」とかほざいてた気がする。

…そうだ、間違いない。その時に隼人に左ストレートを教えたんだった。(あまりにも隼人の胸の発育が悪かったから。)


隼人の胸が成長するのが嫌で、隼人にダイエットさせようだなんて…、

(なんとしても阻止せねば…!!)


別に自分は巨乳フェチでもなんでもないが、(どっちかっていうと足専門)六道好みの女に育つのだけは嫌だ。

だけど、今のままでは隼人がダイエットを始めてしまう…。
なんか、なんか言い言い回しはないのだろうか…


「…おや、雲雀君は僕の魂胆に気が付いてしまったようですねぇ。」

「黙れド変態が。」

くすくす笑うな畜生。
とにかく、隼人にダイエットをさせないように…何か、何か上手い言い回しは…


「なぁ〜雲雀ってばぁ。やっぱ俺、太ったのかよ?」

「違う、違う断じてソレは無い…!」


なぁなぁ〜、なんて言いながらどこで覚えてきたのやら、僕の袖をくいくい引っ張り答えを急かしてくる。


あぁ…やめて……そんな上目遣いで惜しげもなく晒してある谷間とか見せられたら、いくらストイックだと言われている僕でも襲っちゃうよ…


もうここは正直に…!

「ちなみに雲雀君、僕はいざとなったら股間を踏み潰すよう教えてあります。」

最低だ。


「なぁなぁ〜」

「いや、本当に変わってないというかなんというか、…」


「雲雀っ、いい加減はっきり言えよ!!!」

わぁぁぁぁ怒り出した…
っていうか、言える訳ないだろ!



「もういいっ!雲雀も骸も俺のことデブでだらしのないアバズレだと思ってるんだろ!!」

「あばず…!?」

「そんなこと思ってるわけないでしょ!」


「いーや、お前らは俺に甘いから本当のこと言わないだけで、本当はそう思ってるんだ!!」

白い頬を紅潮させて、ヒステリックに叫ぶ隼人。

あぁ、こんなに怒らせてしまったのは、雲雀恭弥のせいではなく、間違いなく僕のせいですよね…
僕のせいですよね完全に!

でも良いんです!僕だけが怒られるわけでなく雲雀恭弥も同罪であれば!

「隼人…怒らないで……デブとか阿婆擦れとか思ったことないから。」

「嘘つくな!!」

「本当だよ。上下違う下着つけてても、たまに涎垂らしながら寝てたり、足開いて座ったりするところはだらしないと思ってるけど、隼人はいつみても可愛くて抱きしめたくて、食べちゃいたいくらい大好きだよ!」


よし、今の発言は余裕でアウト。
逝ってしまいなさい雲雀恭弥!
男として大切な物を物理的に奪われてしまいなさい!

潰れろ!隼人に踏み潰されてしまえ!!


「…雲雀、……そうだよな。お前がそんなこと思う訳ないよな。俺、どうかしてたわ…」

「そうだよ。反省しな。」

「うん。俺も雲雀大好き。」

「隼人っ!」

ちょっと待てぇぇぇぇぇ!
なんですかこの展開!!!

今のは完全アウト発言だったでしょう!


「…俺、ダイエットなんてしない!雲雀がいいならいいや!」

「そうしなよ隼人。胸は小さいより大きい方が良……ぁ、」


あ……

「ひばり…?」

「あ…いや、えっと…今のは、あの…」

「クハハっ、」

「そーゆうことかよ、」


ざまぁないですね!
少しでも格好つけようなんてするから罰があたったんですよ!!

「雲雀のえっち。
……骸、てめぇ確か貧乳フェチだったよな…?」


「クハハハ………え?」


「そーゆうことかよっ!!!
てめぇらどこ見てんだバカ野郎!!!!」







*貴女の魅力と欲望が、*

「男の性ってやつですよね。」
「お前のはただの性癖だろ。」


「っ待てお前ら!!!!ぶっ潰してやる…!!!」


(欲は出すもんじゃないですね…)
(黙って走れ。殺されるよ。)


end



夕菜

意地張りな恋人2



「…ほら、どうした獄寺。………腰が下がってきてるぞ。」

「んっ、んんんっ!!…んっ、ん!」


「おら、しっかり支えろよ。」

「ふ、んんっ!…ん、ん…ぅぅっ!!」


両手をザンザスの首に絡めたまま縛られ、膝立ちの状態で固定されている。

そして獄寺の口には、喋るなと言わんばかりの猿轡。


既に獄寺の密孔には3本の指が入っており、それらを動かす度にグチュグチュと、愛液が溢れ出る。

「んっ、ふぅぅっ!!」

刺激を与えれば崩れ落ちてしまいそうな膝。
ザンザスの挑発的な物言いに、辛うじて態勢を保っている獄寺に、追い討ちをかけまいと容赦なく攻め立てる。


「ひ、ぅっ、!…んぅぅっ!ん、んんっ〜!!」


身体中を震わせながら、力なく頭を横に振る。


(…そろそろ限界か?)

飲み込みきれず口から流れる唾液や膣から溢れる愛液でシーツはぐちゃぐちゃ。
今までよく立っていたと思う……が、

「我慢できねぇなら、可愛く強請ってみろよ。
……できねぇならこのままだ。」

冷たく言い放って獄寺を見れば、『信じられない』というように目を見開いている。


「…ほら、どうする?」

「っ!ん、んんっ!!」

入れたままの指を動かせばピクリと跳ね上がる身体。

非難を込めて睨み上げてくるその瞳も、今は快楽に溺れ威圧感は全くない。

まぁ…瞳に溜まる涙の大半は快楽ではなく、屈辱や恥辱からだと思うが。


「んっ、ぅ、んんっ!!」

「何言ってるか分からねぇぞ。」

猿轡を噛ませているのだからあたりまえだ。

そんな状況の奴に強請れだなんて、我ながらキツい注文だ。


「んっ、んんんん〜!!」

何かを必死に伝えようとする姿に、不覚にも可愛いと思ってしまった。

だが、どうせ猿轡を取ったところで吐き出されるのは可愛げのある台詞ではなく、十中八九罵倒の言葉。

今、必死に伝えようとしている言葉でさえも、きっと暴言に違いない。


強情で意地っ張りで、人の言うことなんて一切聞かない。
自分にそっくりだからこそよく分かる。


だからこそ、獄寺の何か伝えようとする言葉は全て無視。

むしろ自分だって聞く気なんて端っから無かった。


「…分かった。

……そのまま挿れてやるよ。」


もちろん始めから、そのつもり。


指を引き抜き、自分の上に座らせるような形で持ち上げ
熱く猛るものを押し当てれば、慌てたように暴れ出す。

「んんん〜っ!!ふ、んんんっ!!」

「…煩ぇ、………痛ぇっつーの。」

ジタバタ暴る獄寺の腕や足が体に直撃し、かなり痛い。

痛い、ということは相当本気で抵抗している…。

「あんま喋ってると舌噛むから気を付けろよ。」

「んぅ〜〜〜!!!」


嫌がっているからといってやめる訳がない。
獄寺は相当ご立腹のようだが、そんなことは気にしない。
俺は俺のやりたいようにヤる。


「……挿れるぞ。」

「んんっ!!〜〜〜っ!!!」

「おら、暴れんな…」

「っ!!!」


「くっ、ぁ……ぐちゃぐちゃじゃねぇか。」


予想以上に濡れている膣内に、もともと高ぶっていた熱はその気持ち良さに自然と熱を増していく。


「ふっ、ふぅぅっ……!」

「あんま締めると出しちまうぞ。」

「ぅっ、ふぅ、っ」

「…?」

ザンザスの形に自然と合わせ、その男好みに絞りとるように蠢くナカの熱さや動きはいつもどおりなのだが、

暴れていたいた体や、腕はぐったりとして、生気がほとんど感じられない。


(あぁ…、酸欠か。)


猿轡と唾液で十分な空気を吸えなかったのだろう。

体に力は入っておらず、目は虚ろになってしまっている。


「……仕方ねぇか。」


本当は猿轡を噛ませたまま犯したかったのだが、意識のない相手をムチャクチャにする趣味はない。

渋々ではあるが、猿轡を取り、薄くしかしていなかった呼吸を元通りさせる為、指を喉元まで突っ込む。

「―――っ!っぐ、ぅっ!」

「息くらい自分でしろよ。」

「ぅ…は、ぁ…ぁ、」

「……」

苦しそうに息をし、咳き込む獄寺の姿に、
少しやりすぎたかな、と反省しつつも、
その赤く染まった頬や、切羽詰まった顔に、更に雄が刺激される。

「ぁっ、おま…何、デカくして…!!」

「大丈夫そうだな。」

「え、何言っ…、っ!!!ふぁあああっ!」

「はっ、退屈させんなよ、
獄、寺…!」






*********



あれから座位から体位を変え、何回も連続で吐き出した後、疲れたようにそのまま深い眠りに落ちてしまった獄寺の後始末をし、

俺の隣……、贅沢にも俺の腕を枕にしてスヤスヤ眠るコイツ。
……可愛い。
黙ってればこんなに可愛いのに…勿体無い。


いや、別に口の悪いところが気に入らないわけではないが。


「お前……ボンゴレの連中にヤられてねぇだろうなぁ…?」


寝ているコイツに聞いたところで返事なんて返ってくるはずがないが、
大人しい姿を見ていると、やはり不安になる。


あんな男ばかりの掃き溜めにいて、こんな美人が放っておかれる訳がない。

ボンゴレ下っ端のカスにヤられるなんて思ってない。問題はあの守護者の連中だ。

いつも隣にいる山本や、ピンチになると必ず助けにくる雲雀、ボスの沢田でさえも、
コイツを見る目は、他の女を見るときと違うなんて一目瞭然。
その事に全く気付いてないから不安になる。

アイツ等が本気になれば、お前なんていつでも簡単にヤられちまうんだ…。


自分の妄想に嫉妬して、
いざとなった時優しくしてやれないなんて、情けない。


分かっているのに、コイツを目の前にすると自制心が利かなくなるのだから困った話だ。




*意地張りな恋人*

(これ、聞こえてたら相当恥ずかしいな…。)




more...!

意地っ張りな恋人1


敵に狙われることの無いよう、アジトの最上階に作られた俺の部屋。
窓の外を見渡してみても、ビルや木、…山さえも同じ高さには無く、海の向こうまで見渡せるのではないかというほど開放的な空間。

そして、何にも遮られることも無く窓から入る月明かり。


「…ザンザス、」

俺の首に、自らの腕を絡ませながら、甘く誘うこの女の銀色の髪が、その月明かりに照らされるよう窓際まで寄せたベット。
…やはりここに動かして正解だった。真っ白な肌に、月明かりは良く映える。






普段、なにか特別な話がある時だけしか会うことの無い俺達。

任務なら俺が行くことなんて滅多にないし、雑務での行き来をお互いがするわけでもないので、
ボス直々の頼みごとや、部下には任せられないような重要な任務を持ってくるときだけしか、俺達は会えない。


「今日は泊まっていくよな、獄寺?」

滅多にない逢瀬だからこそ、
余すことなく愛してやりたいし、触れていたい。


「あたりまえだろ。……退屈させんなよ?」


挑戦的に笑うコイツ。
優しく愛してやりたいのだから、いい加減煽るのはやめほしい。


いくつになっても、お前を目の前にして我慢なんてできるはずがないのだから。




***************



挑戦的に微笑む獄寺をベットに横たえ、散らばる髪を撫でながら、これでもかというほどの愛おしさを込めてキスを送る。


甘い口付けに酔う獄寺に、
気付かれぬよう慣れた手つきで、シャツのボタンを外していく。

徐々に露わになっていく白い肌に、誘われるよう手を伸ばせば、吸いつくように滑らかで、
その肌触りを確かめるかのように、知り尽くした体を弄っていく。

「んっ、ふ……ぁ、」


ビクリと跳ねる身体に気を良くし、さらに愛撫を加速させるザンザス。

そしてその行為に対抗するように、ザンザスの首に腕を絡め引き寄せると、
獄寺も負けじと深いキスを仕掛ける。


「んんぅ…、んぁっ、…ぷはっ、はぁ……」

「はっ、……この負けず嫌い。」

「はぁ、はぁっ……お、まえもな…!」


甘い空気に反して、
お互い息を乱しながら額をつきあわせ、意地悪そうに微笑みあう。


(はぁ…、だから煽るなって…)


こんな場面になってまで強気の姿勢を崩さず、強く光る瞳。

俺がそういうのを好むということを知っているかのような態度を無意識にやってのけるのだから質が悪い。
…いや、分かってやってるのかもしれないが…もしそうなら尚更悪い。



「ったく、…」

「あ?どうした、もうへばったか…?」

「……その減らず口、利けなくしてやろうか。」

「は?…っ!んむぅ〜〜!!」


小さな口に噛み付いて、不満も全部吸い尽くす。


「んっ、んぅ…、んんんっ!」

口を離してやるつもりがないことを悟っても、未だ文句をやめようとはしない、その態度。

別に可愛さを求めているわけではないのだが、
だからといって、生意気な態度は気に入らない。
かと言って、そう言ったってどうせ聞く訳ないのだから、実力行使。


生意気な口が利けなくなるほど、余裕ごと全部奪い取ってやる。

不憫な男


年の離れた大好きな兄。
いつもは大人の余裕で僕を翻弄し、上から見下ろし可愛い可愛いと子供扱いしてくる。


だけど、今日の僕は違う…!!

なんとリビングの掃除中、ソファーの下からいかがわしい雑誌を発見してしまったのだ。

僕の物でないので、持ち主は兄唯一人。


(やっぱり隼人もこーゆうの読むんだ。)


なんだか若干複雑な気持ちではあるが、
大人の男である以上、エロい本の一冊や二冊くらい読んで当然だろう。


しかし、だからと言ってこの状況を見逃すことはない。
普段僕に対しては冷静な兄を、少しからかって遊んでやろう……、



お兄ちゃんと僕



「お〜い、恭……………うわ、」

リビングでお茶を飲む僕の元へ来た兄。
そして僕の目の前、リビング中央のテーブルに置かれた雑誌に、兄の反応。


ここまでは作戦どおり。


「掃除してたら出てきた。ソファーの下に落ちてたよ。」


何度も頭の中で練習した台詞を吐き出し、
チラリと兄を盗み見れば、案外焦ったような雰囲気が…無い。
………あれ?


「山本に借りたやつじゃねーか。
良かった、失したのかと思ってた。」


ほっとしたように息を吐く。
あぁ、せっかくからかってやろうと思ってたのに、こんな安心したような顔されたらもう何も言えないじゃない…!!


「そう、良かったね。」

「あぁ。なんでもこの雑誌に載ってる女が好みだとかでさー、」


そう言いながら、その女を説明しようとしているのか、ペラペラと雑誌のページをめくりだす。
ちらちらと見える雑誌中身は、僕が想像していたよりもずっと卑猥なモノで………高校生にはちょっと刺激が強すぎる。


「えーっと…あったあった。
ほら恭弥、この女らしいんだけどよ」

ああ見たくない……僕は兄にしか興味ないけど、健全な僕の雄としての本能が過剰反応してしまいそうで怖い…


「ほら、この女なんだけどよ。見た瞬間喧嘩売られてるのかと思ったぜ。」


その時のことを思い出したのかケラケラ笑う兄に、
内心、山本武の好みの女など見たくもなければ興味もないと思いつつ、
先ほどの兄の話の中にどうにも引っかかる箇所があったので確認がてら雑誌を見ると、



(やっぱり……!)


そこには、銀髪、碧眼、色白で細身の女が写っていた。
兄とは違い、全てが人工的なその女に、真似するな!と強い怒りが沸いてくる。……が、それ以前に…


(山本武……!)

許せない。何が好みの女だ。
この女に兄をかぶせて見てるだけじゃないか…!!

それに兄も兄だ!
何で笑ってるの!怒るところだよ!!
完全に山本武にロックオンされてるのにどうして気付けないのかな…!


「ちっ、」

「おいおい恭弥…、何怒ってんだよ。」

そりゃ怒りたくもなるよ!
こーやっていろいろ頭の中で考えてるのに、何一つ言葉に出せないからストレス溜まるよ!


それに君、無防備すぎ!危機感持たないといつかあの人の皮を被った悪魔に食べられちゃうよ…!!!!

あーもう弟って不便!
だけど……
「そこまで言っても気付いてもらえないなんて…本当不憫だよ。」

まぁ心の中では嘲笑ってるんだけどね。

「恭弥?」

「別になんでもないよ。」

不思議そうに見つめてくるけど、教えてやるつもりなんて全くない。
アイツの恋路を邪魔する理由はあっても、手助けする理由は無いからね。


「で、隼人はどーゆうのが好みなの?」

「え、は、…俺?」

「うん、例えばで良いよ。」


山本武と兄の好みが同じとはとても思えないし。兄がどういう女が良いかくらい聞いておきたいしね。


「んー……こういう雑誌には…いねぇかなぁー…」

「?」

「なんかこう……過激な感じが苦手というか…清楚っぽい方が良いかな。」


……意外だ。
兄の見た目が結構チャラチャラしてるから、好みな女もそんな感じなのかと思ってた。


「……でもそーゆう女、家に連れてきたことないよね。」

いつも真っ黒な目した軽そうな女か、男だ。

「ん?……確かにそうだな。」

「だからあーゆう強そうな外見の女が好みなんだと思ってた。金髪巻き髪…みたいな」

「は?いやいやないない。
どっちかって言うと、黒髪ストレートで華奢な感じが良いんだって。」

黒髪ストレート……

「あー…山本武が女だったらそんな感じかもね。」

「アイツはゴツい。違う。」

なんだ違うのか…良かった。
兄が連れてきた奴の中で黒髪ストレートって言ったらアイツくらいだったから…ホッとしたよ。


「っていうか隼人……恋人とかいるの?」


あんまり最近女連れてこないけど。

「……見りゃ分かんだろ。いねーよ。」

「そう。」

なんとなく、嬉しい。
やっぱり好きだから、兄が他の女のモノじゃないときは、限りなく僕が兄の一番で要られるから。


「でも隼人の昔の恋人で、清楚っぽい人なんていなかったよね?」

「え、あ、あぁ…。」

「もしかして……
黒髪ストレートで華奢な本命の女でもいるの?」

「へ?」

「だから、そーゆう女がいるのかって。」

だって、そうとしか考えられないだろ。
あんなにいろんな女侍らせといて、好みが全然違うだなんて。

「どーなの隼人。」

「あー…いるよ。黒髪ストレートで色白で華奢で…つり目で暴力的なのにすっげー可愛い奴…」

「ふーん、あっそ。」


やっぱいるんだ。
兄の一番大切な人。

……ムカつく。ずっと前からそーゆう奴が居たことが、その女が。

「…女に生まれたかった。」

「……。」

「外、出てくる。」

「…おう。」

女に生まれれば、
隼人のいう好みな女になれたかもしれないのに。


失恋ってきっとこういうことを言うんだろう。
きっと今、とてつもなく情けない顔してるはずだから…こんなの隼人に見せるわけにはいかない。



隼人にはずっと前から好きな女がいて、きっとこれからもその女の事が好きで、なかなか忘れるつもりなんてないんだろうけど…残念ながら、僕の方も、この気持ちは消せそうにない。









「……だから、女なんて一言も言ってねぇだろうが…。」


なんでここまで言って気付かねぇんだよ。

黒髪ストレートで色白で華奢で…つり目で暴力的なのにすっげー可愛い奴……なんて、

「お前意外誰がいるって言うんだ。」




不憫な男
(これだからガキは……早く大人になりやがれ!)


end

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