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※映画の感想ですので、ネタばれ注意です。
18♀59妊娠シリーズ「未来永劫、不可」を更新しました!
すったもんだの大混乱が3ヶ月続き、
ようやく収まった今日。
「10代目、俺たち結婚することになりました!」と真っ赤な笑顔で報告を受けて、それから約半日。
嵐が去った後のはずの、ドン・ボンゴレ執務室は、
いまだ興奮が冷めない様子で時雨金時を振り回す山本と、
残酷な男の呪い方(下巻)をニヤニヤ見つめる六道と、
獄寺に恋心を抱いていたのであろう部下達の、大幅な士気低下の空気で、
恐ろしいほど混沌としている。
(今、敵襲を受けたら誰も使い物にならないなー。)
そんな中、暢気に茶を啜る沢田の元に、一本の電話が入った。
(?国際電話……)
もしかして、ディーノさんか?
あの人は獄寺くんラブ説と、
雲雀さん大好き説(通称ホモ説)の両方があるから、
今回の結婚報告で、もしかしたら頭が沸いたのかもしれない。
出るか、否か。
迷うが一応俺の兄貴分だ。
………あと13コール鳴っても切れなかったら出よう。
「………………………ちっ。
はい、どちら様で…」
『ちくしょうあのガキ!!俺の隼人を傷物にしやがっただと!?許せねぇ!!!』
ガチャンッ!
「うわっ」
言うだけ言って切れた電話。
普通13コール以上放置されたら、どれだけ怒り狂っていたって少しはクールダウンするもんだろう。とかいろいろ頭を過ったが、
電話の相手がディーノではなく、
よく知った、むしろディーノよりも厄介な声に、落ち着いていた沢田の顔が見る見る内に蒼くなる。
「どうかしましたかボンゴレ。」
「………やばい、雲雀さん殺されちゃう。」
baby baby baby
「雲雀恭弥が殺されるとはどういうことですか?」
俺の一言に今まで屍だった奴らが急に息を吹き返す。
「願ったり叶ったりなのなー。」
時雨金時を竹刀に戻しながら平常値に戻った山本の顔には「雲雀死ね」と思いっきりかかれている。
……正直、山本を友達…否、仲間とすら思いたくない。お前、たしか爽やかキャラだろ。
そしてその他の部下たちは目を輝かせて続きの言葉を待っている。
……お前ら仕事もそれくらい生き生きしながらやってくれよ。
「山本…憎いのは分かるけど、いちおう雲雀さんはボンゴレ最強の守護者なんだから、死なれるとちょっと困るって言うか……」
「そん時は、俺が獄寺娶って、トンファー使って戦うから問題ないのな!」
「問題しかねぇよ。
はっ、冷静に突っ込んでいる場合じゃない…!!
山本の馬鹿は放置だ。今はコイツに構っている時間は0.01秒たりともない。」
「ツナ、なんでそれ声に出していった……?」
言葉にしないと馬鹿には伝わらないからね。
「骸、手を貸してくれ!」
「それよりも沢田綱吉、電話の相手はマキバ王ではないのですか?」
「あー違うよディーノさんじゃなかった。
獄寺君の保護者というか守護者というか…。
とにかく今すぐあの二人を呼んできて…!!」
あの男に目をつけられたら、いくら暴君皇子の雲雀さんの強さをもっても無傷では済まない。
恐らく何らか性的な機能に支障をきたすような病気を植え付けられるに決まっている。
そうなってしまったら……どうなるんだろ。
自分に予知能力がないのが残念だが、とりあえずアジトの全壊では済まないだろう。
――――コンコンッ
「お呼びですか10代目。」
骸に呼ばれ、綺麗なノック音と共に執務室にやってきた二人は、「婚約」の名残がまだ覚めないようすで、
獄寺くんは周りに花が飛んでるんじゃないかってくらい可愛く微笑んでいるし、
雲雀さんに至っては、凶悪殺人鬼とは思えないほど、隠せない喜びが溢れ出ている。
獄寺君は良いとして、
やっぱ雲雀さんはムカつくなぁ。
とくに、山本や骸に対してのドヤ顔の飛び火が俺にも飛んできてるとこが。
……まぁいいや。それよりも、
「二人とも、
幸せに水を差すようなこと言って申し訳ないんだけど、
今すぐどこか遠くに隠れて!」
「え、10代目どういうことですか?!」
俺のただならぬ様子を感じ取ったのか、
いつもの右腕のキリッとした顔つきに戻る。
(流石、俺の右腕……!!)
「馬鹿だね隼人。
新婚旅行に行っていい。って言ってるんだよ。」
「言ってないです。」
獄寺君に比べてこの男…!!危機管理能力が低すぎる。
第一、新婚旅行って、自分の都合の良いよう理解しすぎだろ。
っていうか、獄寺くんのこと隼人って呼ぶようになったんですね。
そりゃそうか。結婚したら獄寺から雲雀に苗字変わっちゃいますもんね。
そうなったら俺も呼び方変えなきゃなぁ…
「雲雀さん」……は雲雀さんだし却下。
隼人さん?隼人君?隼人ちゃん?……「ちゃん」は無いな。
まぁいいや、また後でゆっくり考えよう。
「あのね、獄寺君。
今さっきシャマルから、怒り狂ったような電話が届いたんだよ。」
「えっ!?シャマルから!!?」
「殺してやる。って叫んでて、後ろで薬品のビンが擦れる音がしたから、一大事だと思うんだけど。」
「ま、まじっスか……薬品のビンってことは…
雲雀っ!!急いで逃げるぞ!」
さすが獄寺君。
シャマルの恐ろしさをちゃんと分かってるんだね。
「イタリアから日本に来るのに、少なくとも時間はまだかかるだろうから
とにかく荷造りして
「ちょっと待ちなよ。」
え、なに雲雀さん。俺の台詞まで遮って…!
「あの保険医には
………ちゃんと挨拶するから。」
雲雀さんが挨拶……!!?
できるのか!?
「おはよう」ですら怪しいっていうか、一度も返してもらったことないのに!!?
「ば、馬鹿言ってんじゃねぇ!
挨拶なんて生温い話じゃねぇんだ!
アイツ薬品のビン持ってくるんだぞ…下手したら頭から硫酸ぶっかけられる!」
「硫酸!!?」
獄寺くんも何言っちゃってるの?!
いくら可愛い娘が嫁に行くからって、婿に向かって硫酸はありえないでしょ!!
「心配しすぎだよ隼人。第一、薬品掛けられそうになったら避けるから。
……沢田綱吉、兎に角僕は逃げるつもりは無いよ。」
くっ、ちょっとカッコいいな雲雀さん…!!
そして最後のキメ顔に獄寺君ときめいちゃってるし。
あーはいはいはいはい、そんなに見詰め合わないで!
どんどん二人の顔の距離が近づいていってるんですけど!
「ぎゃぁぁぁぁ雲雀やめてくれ!俺の獄寺の唇がぁぁぁ!!」
うるさい山本!お前のじゃねぇよ!
「おやおや、二人の濃厚なキスシーンを見せ付けられるんですね。」
…なんでお前はそんなニヤニヤしていられるんだよ骸。
でも、確かに二人のキスシーンて、…ちょっと興味あるかも。(主に雲雀さんがどうやってキスするのだとか)
……まず片頬に手を当てて、反対の手で顎を上に向かせる。
顔を近づけたところで、すぐにキスする訳ではなく
一度じっくり相手の目を見る……
獄寺君、超愛されてるね。
なんというか壊れ物を扱うような、そんな感
「はやとぉぉぉぉぉ!!!!!」
「げっ、シャマル!?」
来るの早っ!!どうやってきたの!!?
っていうか邪魔するタイミング良過ぎ!!
「隼人、てめぇ子供が出来たっつーのは本当か!?」
「あぁ、電話で話したとおりだぜ。」
薔薇でも舞いそうな空気だったキス(しそうな)シーンを執務室の扉と共に一気にぶち壊したのは、
獄寺君の宣言どおり、硫酸を持ったシャマルだ。扉の修理代は後でしっかり請求させてもらおう。
「俺は絶対許さねぇぞ、お前らの結婚なんか。」
「な、なんでだよ!っていうかその硫酸下ろせ!!」
「隼人は黙ってろ。
おい、クソ坊主。てめぇこのまま簡単に隼人と結婚できるとは思ってねえよな。」
「当たり前だよ。ちゃんと筋は通す。」
「筋、だとぉ…!!?」
シャマル、めっちゃ怒ってる…!!
そりゃぁ、親心ってもんがあるとは思うけど、なにも硫酸持ち出すほどじゃ…
っていうか硫酸の蓋開けないで!
「てめぇに分かるか?
ずっと自分の娘みたいに可愛がってきた女が、
いきなり涙目で血相変えて『セックスした後、絶対ガキができねぇような後処理の仕方教えてくれ』って隼人が駆け込んできた時の俺の気持ちが!!」
えーーーーっ!!!
俺はてっきりビアンキに聞いたんだと思ってたよ!!
まさかシャマルに聞いてたなんて!
うわっ、雲雀さんも相当驚いた顔してる。
「てめぇにゴミみてぇにヤり捨てられた後、
コイツがどんな気持ちで毎回一人で後始末してたか分かりもしねぇくせに…!!」
「ちょ、シャマルまじでやめてくれ…!!」
うわぁぁ、
そりゃ、シャマルも怒り狂うよ。
流石の雲雀さんも冷や汗かいてるよ。
今、雲雀さんが何考えてるか超直感とかなくても分かる。
(なんでそういう相談をピンポイントでこの親父にしたんだ…、挨拶とかそういう問題じゃないよ。
っていうか認めてもらうとか未来永劫無理だろ……。)
まぁ、こんなところだろうな。
「てめーみてぇな避妊もできねぇ最低野郎に俺の隼人を渡すくれぇなら、
そこのウジ虫みてぇな馬鹿にくれてやった方が100倍マシだ!!!」
「これはまぁ、怒り狂うのも理解できますね。」
「そりゃぁ、ウジ虫の山本の方がまだマシだっていう判定にもなるよね…」
「え?ウジ虫って俺のことだったのか…?」
え?って、勿論そうでしょ。
骸も俺も、雲雀さんよりかはマシっていうよりも、
俺等の方が遥かに良いっていうか、今の状態で比べられるほうが失礼だよ。
「シャマル!俺は山本と結婚する気はこれっぽっちもねえぞ!!
それに、確かにゴミみてえにヤり捨てられてはいたけど、それは過去の話だ!!」
うわぁぁぁ、獄寺君、火に油注いだよ。
キミはアレだよね。悪気は無いけどすぐコトを荒立てるよね。
「とにかく、隼人とお前の結婚は認めねえ。
隼人、お前はちょっとこっちに来い。ガキが健康体か見てやる。」
「え?お、おぅ…。」
雲雀さんには散々怒り狂ったのに、母体の獄寺くんのことはやっぱりちゃんと心配するなんて、
獄寺君のこと、大好きなんだろうなぁ。
獄寺君に負担を与えないように、優しく腰を抱くと、そのまま執務室を出て行ったシャマルを見届けて、
とりあえず、青褪めたままの雲雀さんをなんとかしよう。
未来永劫、不可
「早速、婿舅問題が勃発しましたね。」
「僕、既に心が折れそうなんだけど。」
(ま、自業自得ですよ。)
end
最近漫画をGE★O様で借りるようになったんだけど、