ゆうじクンは
多趣味だ
何にでも手をだす
「じいちゃんになって無気力になるって人多いけどそんなのヤダもん。ずっと何かしてたい」
ゆうじクンが
生き生きしながら
いった
アタシは
眉間にシワを
寄せたままそれを聞いていた
その結果
ゆうじクンの
人生プランには
お金も時間も
普通の人より
たくさん必要だと思った
そういう人生が
送りたいなら
今からやらないとね
アタシが真面目に言った
ゆうじクンが
そうだね、と言った
学年一位を取ろうよ
「確かに一位くらいとらないとなれなそうだょな…うん、なるょ」
瞬時に
軽い
と、思ってしまった
「一位になったらまゆのフルコースかな」
ゆうじクンが
ニヤニヤして
言った
慌てて
無理無理、と返す
「ぢゃぁまゆが上から下まで一式洋服買ってくれるの、な」
ほ、本当に
欲しいならいいょ
さんざん渋ってから
そう言った
ただし、本当に
欲しいならだょ
本当にどうしても
ってことぢゃないと
やる気にならないでしょ
「まぁそうだけど」
ゆうじクンが
ちょっと押されていた
それもそのはずで
アタシはやたら
真面目になってた
ゆうじクンの話を
まともに
受けてた
真剣だった
でも本当は
そういう目標を
立てられる
ゆうじクンがスゴいと思ってた
例え口先だけでも
アタシには無いものだった
だから
そっちが言えたら良かった
そしたら
ゆうじクンのやる気を
もっとかき立てられたかもしれない
とは言いつつも
ゆうじクンは
やる気になっていた