「今日も孤児院は平和ですねえ、マティさん」
「おはようございます。何か手伝うことありますか?」
「こんにちは。今、これから何をしようか相談中なんです」
「こんばんは。今夜は本でも読みたい気分です」
「エドゥアルトです。エディって呼んでください!」
「楽譜ってどこに売っていますか?」
「挟撃、しますね!」
「わたくしもまもなく15歳、成人までもうすぐです」
「そろそろ孤児院から出て働き口を見つけないと……」
「びっくりー!」
「はい、ありがとうございます!」
「波長が合うことに理由なんてありませんよ」
「たまに孤児院に来るあの人……レファルさんて、孤児院時代からあんな感じだったんですか?」
「これはっ……! レファルさんお手製の不気味色にまみれたケーキ!」
「白堊さんはよく働きますね。わたくしどもも手伝いましょうか?」
「慧羽はよく、箒で空を飛んでました。みんなに内緒でこっそりと」
「新参者なのでよくわからないんですけど、ベアタ夫人って院長先生と仲が悪いんですか?」
「トニーさんて見た目ちっちゃいのにしっかりしてますよねぇ」
「マティさんはまねっこ上手なんです」
「この口調ですか? あぁ、わたくしは親戚を盥回しにされることが多かったので、どこへ行っても差し支えないような喋り方にしていたら自然と染み付いてしまったのです」
年上や年下、親しい親しくないも関係なく、誰に対してもゆるい敬語。独り言もゆるい敬語。そしてさん付け。
砕けてはいるつもりだが、まだまだ堅苦しい印象を与えるかもしれないなぁーーと思っている。しかし今のところ治す気はない。
元々の喋り方は忘れてしまった。