「ええい、話が進まねー。おまえから見てミーナの勤務態度はどうなんだ?」

ケトルは苛々とした様子で椅子を前後に揺らした。振動に合わせ床がギシギシと音を立てる。

「やめてよ皆寝てるんだから」

マイトは自分のベッドに腰を下ろしたまま、ケトルを制止する。根が素直なケトルはばつの悪そうな顔をして椅子に座り直す。

「僕から見たミーナね……。うん、ちゃんと働いているよね。接客そのものに慣れているのかな? 実家は花屋って言ってたっけねぇ。……言われてみると、たまに立ち止まっている時があるかもね」

「そういう時、じっとおれのこと見ているみたいなんだ」

ケトルは一旦言葉を切り、意を決したように再度口を開いた。

「もしかしたら……もしかしたらだぞ? ミーナはおれのことがす、好きなのかな!?」

真っ赤になって俯く少年のつむじを見ながら、マイトは少し考えた。