chocolat rose☆へ戻る
間があいてしまいました(汗)
書いてきますー。
ログイン |
ふたご姫 二次創作ブログ 月赤・宝青で夢みてます
(ブ、ブライト様が一緒にバスケットを…)
レインはカアッと顔が熱くなるのを感じながら、目の前のブライトをみかえす。
「あ、ありがとう…でも」
いいずらそうにレインは口ごもった。
「どうしたんだい?」
そんなレインの様子をわかっているのかいないのか、ブライトが優しく問いかける。
「あの……私、体育が得意じゃないから…。ブライト様、一緒にしても、つまらないと思う…」
レインの体育オンチはクラス中で有名だ。
有名だが、みんな暗黙の了解といった感じで、誰もはっきりと口にだしてはいわなかった。
「上手にはなりたいんだけど、ボールを投げると…なんていうか、ヒョロ〜って変な方に飛んでっちゃうの」
ハア…とレインはため息をついた。
下を向いたレインをブライトはキョトンとした顔でみる。
それから…途端にパッとブライトの顔が明るくなった。
「じゃあ、シュートをうつ練習をしようか」
え? とレインが顔をあげる。
「あの、でも…」
「大丈夫。多分、ボールの持ち方を変えればいいんだよ」
「そ、そう?」
「うん。それにね、ゆっくり楽しんでやればいいんだよ」
ふんわり笑うブライトは、レインの体育のときの様子を思いだしていた。
おっとりはしているが、他の教科の時間はハキハキしているレインが、唯一、呆然としたように固まってしまう時間。それが体育の授業だった。
バスケットボールの授業では、女子にあてられたコートの隅っこでレインは居場所がなさそうに突っ立っている。
練習試合が始まると、プレイに集中しだすみんなは、ついついレインがいないかのようにコート中を走りまわるのだ。
レインにパスすると、たいてい取りこぼされる。
ボールを拾ったとしても、誰にパスしたらいいのかわからないかのように、オロオロとしてしまう。
そんな時は、ファインやアルテッサが急いで声をかけるのだ。「レイン、こっち!」と。それを聞いて、レインは一心にボールを放るのだが、それはたいてい違った方向へ飛んでいって、相手チームにとられたりする。
相手チームにパスしてしまったと知ってレインが落ち込んだ顔をした瞬間には、もうボールをドリブルして走りだすみんなのバタバタという足音が響き渡る。
ファインはレインのサポートとして近くにいたいとも思ったが、なにせ彼女がチームの得点源なので、常に味方からパスが飛んできていそがしいのだ。
すると、レインはコートの端にまた戻り、みんなの前で暗い顔をしちゃいけないとでも思っているように、素早く手の甲で目をゴシゴシとやってから、また視線だけボールを追いかけていた。
そんな彼女の様子をいつもみていたのだ。ブライトは男子用のコート側から。
そして、この授業の後は、彼女が得意な国語の時間でも、理科の授業でも彼女から輝きが薄れてしまうことを。
それがブライトの心に、なにか不思議な重たるさをもたらしていた。
それはしばらくずっと、可哀想だからだと思っていた。
それで、彼女が元気そうなときに一緒にしゃべると気が晴れた。
そんなときの彼女は、明るくて、快活で、そして思いやりにあふれていた。
それでも、そんな彼女が、体育の授業になるととたんに、みんなからお荷物だと思われてしまうことにだんだん腹が立ってきた。
みんなも悪気があってのことじゃないとは思っている。
けれど、みんな、自分が楽しむことに夢中になり過ぎている気がした。
たしかにみていればわかる。レインは本格的にスポーツに向いていない。どうしてあんなに反応がにぶいのだろうと、首を傾げるくらい、にぶい。
そのうえ、試合をしても、そもそも相手に勝とうとか、なんとしても得点をあげようとかいった感覚がない。
ふたごのファインの方は、もう身体が自由自在に動くので、みんなのガードをかいくぐってつむじ風のように駆け抜けることが楽しくってしょうがない、という様子だった。
だから、レインは無理をしてまでスポーツをすることはない、とブライトは思っていた。もっとほかのことで楽しめるんだから。
でも、体育の授業のたびに、心細そうにみんなの後ろをついてゆくレインをみていると、なにかとてももったいなく感じてきた。
そんなことだけで、レインがシューズのつま先をジッとみつめているのはみたくないと思った。
自分のために、もうみたくないと思ったのだ。
そんなこと、とうのレインにはちっともみせようとしなかったけれど。
******
………あれ。
シリアス? 微妙にシリアスになった? レインの「きゃあ、ブライトと練習だわ」的、妄想フワフワメロメロ状態を書くつもりではじめて、これ。
レインの妄想シーンがごっそりまるごと、ブライトのレイン観察へと化した…。
が、これでいいんだよね…きっと、こっちのほうがよかったんだ。
プロットから外れたが、きっと私のブライトはこういうことをいいたかったんだ…うん(電波発言)