こんばんは。
ダッシュで七夕小説を仕上げながらゴチを見ております、管理人ですm(_ _)m夫人やっぱり自由ですね
それにしても、やはり昨日雑記帳で予測したとおり、晴れませんでしたね。。三年前に晴れの日向けで作成した親光の七夕小説がまた今年も保留されてしまいました。。あのssがupできる日はくるのでしょうか。。うーん(´-ω-`)。。。
とにかく、今年は夕方からダッシュで仕上げた半兵光になります。もし宜しかったら見ていってください(*´ー`)
では!
追記にて七夕半兵光です!
――――…………
「あー、やっぱり降ってきちゃったね」
「降ってきちゃいましたね……」
はらはらと空から降る織女の涙に、ふたり、暗さを増していく夜を仰ぐ。
「お昼頃、かなりガッツリ晴れてたから、むしろ雨降りそうだなーって思ってたけど」
「予感的中、ですね」
空へ投げていた視線を互いに相手へと移し、苦笑する。
「娘も、だいぶ楽しみにしていたのですが……、残念です」
「娘さん、短冊に「今年こそ織姫が彦星と逢えますように」って書いていたもんね……。最近、本当に七夕が晴れない年が多すぎるよ」
「ええ……。天に御座します神も、もう少し七夕星に便宜をはかってあげても良いでしょうに」
「ねー。ほんっと、俺が牽牛だったら、しびれ切らして天の川を泳いで渡りかねないもん」
そう言って隣にいる背の高い恋人の髪を撫でる、猫のように笑う目に光秀は愉しげな視線を向けた。
「渡ってきて、くださるのですか?」
「もっちろん。申しわけないことに体力には自信がないけど、目的を達成するための策謀だったら自信あるよ。……光秀さんのために、なんだって騙して毎晩通ってみせる」
囁くように告げられたその言葉に、光秀は思わず吹き出す。
「ま……毎晩、ですか……?」
「あったりまえじゃん!俺が、年一の逢瀬になんか耐えられると思ってるの?絶対ムリだね。そんな事態になったら、光秀さんを攫って天帝の庭から逃亡してやる」
「それはまた……。逃げ切れますかね?」
「逃げてみせるよ。どんなヤツからだって。……そう、光秀さんが望むなら、魔王の手からだって」
その言葉と共に、ふと落ちた半兵衛の声色に、光秀は僅かに眉を顰めて軽く首を横に振った。
「少し、喋りすぎましたね。貴方がそんなことを仰るなんて」
「うん……。そうかも。……ごめんね、光秀さん」
「いえ。……それに、」
薄らと哀しみの色を帯びた目を遠くに投げた佳人の瞳が、少し低いところにある恋人の目に向かう瞬間、ほんの少し色を変える。その目は、どこか悲愴感を抱えながらも、強い輝きを孕んでいて。
「私も、出来うる限り貴方と共に居たいと願う気持ちは、同じですから」
「……出来うる限り?」
「……いけませんか?」
返された言葉に、半兵衛は苦笑した。
「あはは。……ずるいなぁ」
「……それでも、一緒に居てくれるのでしょう?」
「うん。」
揺るぎのない信念のなかにありながら幽かな悲しみを感じさせる二文字。光秀は、そこに申し訳なさを覚えながらも、なにも感じていないふりをして空へ指先を伸ばした。
「あの雲の向こうにいる恋人たちには申し訳ありませんが、私は、いま隣にいる恋人との時間を楽しみたいです」
「俺も同感。……今夜は、一緒にいようか、光秀さん」
「はい」
いまはまだ引き離されていない恋人たちは、暗い夜空を見上げながら、そっと手を繋ぐ。
いずれ離れてしまう未来を予期しながら、同じ空を見上げる。
今宵は七夕。
並び立つ恋人たちのあいだに言葉はなかったが、互いに、互いの思いも、互いへの想いもその胸に明瞭としていた。