きっと、それは

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明治のボヘミアン

昨日から漱石。
漱石って男同士の友情書くのが上手い。というか面白い。いや友達っていうより悪友だけどね。

なんらかのピンチに陥って慌てふためいていると、手助けもしないで指さして笑われ、

「友達甲斐のない奴だな」

「おや僕らは友達だったのか?初めて知ったよ」

とか言い出しそうな友人関係なんだよね。「吾輩は〜」の迷亭に至ってはそのピンチの有様を写生までする。そして人の恥ずかしい話を逐一覚えている。本人がいないところでは言いたい放題だし。
そんな人達が集まってはくだらない話をしているのが「吾輩は猫である」って小説です。猫の存在感が全くなくなるぐらいに出てくる人のキャラが濃すぎ。

しかもその濃いキャラが・・・寒月君のモデルは寺田寅彦なんだろうな。主人公は漱石本人だろうし。また子規の名前も出てくるし。
実際漱石の友人関係こんな面白い感じだったんだろうかって思っちゃいます。だったら凄すぎる現実だ。
いい大人の男がくだらないことくっちゃべってる話って大好きなんだけれど、京極さんとか。その先駆者は漱石なんだろうか。もう本当文豪っていうか・・・人生に役立ったりは全くしませんよ、この小説。

他にもなんだかこんな感じに覚えがあるなと思ってたらあれだ、オペラのラ・ボエームにそっくりだ。ただ圧倒的にこっちの方が芸術レベル低いけど。猫にさえ馬鹿にされる始末だから。

再読でもこれだけ楽しめるんだから当分漱石一味で持ちそうです。
しかしこの最後ぶった切った感じ!続き書くのが嫌になったのか漱石。
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