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落ちたパンを拾い食いA

ぎいっとドアを閉める。そうよ、わたしは臆病者。だからドアは背中で閉める。そのとき、そっと目を閉じると、背中に温度が触れてくる。背中合わせで戦った海賊たちは、この温かさを常に感じていたのかと思うと、冷え性のわたしには羨ましい。家を出る時のわたしは、化粧で武装して、背中合わせで外界と戦う。負けるわけにいかない。この一瞬に全てを込めて、弓矢の嵐をかわし、わたしは進む。数歩歩くと、相手はもう消えている。それを確認してから、心の瞬間冷却装置をオンにして、わたしは駅へと向かう。
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