別れてからたぶん5年が経つ。

思い返してみると、付き合い始めた日も別れた日も、相手の誕生日すらあやふやだ。
もっとも、付き合い始めた日については、恋人であった期間も一致したことはなかったのだが。

いまだに新しい恋をしていないのは、別れた相手に未練があるからではなく、自分が恋愛に向いていないことを知ってしまったからだと思う。

のだけれども。

5年もなにもないと、自分にあきれてくる。疑似恋愛でいいからしようと思って頑張ったときがあるけれど、まったくもって無駄だった。
そもそも頑張って恋愛できたらもっと長く続いているのだ。

彼氏欲しいとか出会い欲しいとかいいながら、結局なにも動かず仕事ばかりしていた。
仕事もたいしたことはしていない。

恋人がいた期間は、あとから考えればひたすらたいへんだったあの頃を、思い出すだけでうつになりそう。
別れ際は人間性を否定され、まあそれはいいとしても、ほかにもいろいろ言いたいようにいって去っていき、あげくのはてにSNSに事の顛末を自分視点で書きこんだ相手をなぜ好きだと思っていたのか。
何度別れたいと伝えても応じず、直接会って別れ話をすれば泣きわめき、大事な試験の前日に別れ話を切り出すような男のどこに惚れていたのか、わからない。

恋は面倒だ。